先史時代5 エジプト文明

今回は、四大河文明のその2。エジプト文明です。

今回学習する暗記語句は、

象形文字

ヒエログリフ

太陽暦

ピラミッド

スフィンクス

パピルス

オリエント

です。


巨大な一本の大河、ナイル川のほとりにエジプト文明が栄えました。

河口付近にはナイル川の氾濫で作られた、広大で、肥沃な三角州地帯。上流は谷あいで下流域とは別の文化が発展しました。

巨大なナイル川は毎年氾濫したため、そのサイクルをシリウス星の位置から割り出したシリウス暦が作られます。紀元前3000年頃には一年が365日であることが分かっていたと考えられます。

この天文観測の技術から、太陽に対する地球の位置を元にした、太陽暦が生まれます。太陽暦は後にローマで採用され、ユリウス暦となり、さらに、現在世界中で使われるグレゴリオ暦として、発展し、使われ続けています。

さらに、エジプトでは、毎年氾濫するナイル川に対応するための測量術、測量術から生まれる幾何学、文字がとても発達することになります。


エジプトの文字、ヒエログリフは象形文字として知られています。象形文字は絵をそのまま文字にした「絵文字」の発展形です。デザイン的にも面白い文字で、絵が意味を表す表意文字と思われがちですが、発音を表す使い方もされています。意味を表す表意文字と、音を表す表音文字が混在しておりヒエログリフの特徴になっています。

ヒエログリフは神聖文字と言われ、後にヒエラティック、神官文字が生まれ、さらにデモティックと呼ばれる民衆文字が生まれます。民衆のもとまで文字が普及していたことがわかります。


パピルス草から作られる、パピルスにも多くの書が記されました。デモティックは筆記体のように使われたためパピルスに多く用いられました。パピルスは「紙」を表す英語、「ペーパー」の語源とも言われますが、パピルスと言う言葉自体が後に「本」の意味を持つようになり、聖書、「バイブル」の語源になったとも言われます。


デモティックはその後、アルファベットの基礎となりましたが、4世紀頃にはギリシア文字が普及し使われなくなります。4世紀ころまでには全てのエジプト文字は失われました。

しかし、ヒエログリフ、デモティックは現在解読され、読むことが可能です。

1799年に発見されたロゼッタ・ストーンに同じ内容の文章が、ヒエログリフ、デモティック、ギリシア語で記されていたからです。

最も、ギリシア語も古代語であったために、全て解読されるまで20年以上かかることになりますが。


エジプト文明でもっとも有名で重要な存在は、なんといってもピラミッドでしょう。

一般に古代の王の墓とされているピラミッドですが、実際に王のミイラが発見された例はなく、謎が多いのも魅力です。

1960年、アブ・シンベル神殿の移設に、重機を使い、五年の歳月を費やしましたが、この際に解体されたのは2200の石。これに対しピラミッドは200万以上とされており、現代の技術を使っても、ピラミッドの作成にどれほどの時間と労力が必要なのか。謎の多い巨大建築とされています。


ギザの三大ピラミッドの近くにはスフィンクスの石像があります。一枚岩から削り出された最大の彫刻ですが、全身が現れたのは1928年の発掘以降で、1800年代の絵や写真では、頭部以外の殆どが砂に埋没していました。


ヒエログリフに、天文学、ピラミッドなど、世界最古級の文明でありながら、現代人の技術を持っても解明不能な不思議な文化を持っていたエジプト文明。歴史を超えたところにもロマンを感じるエジプト文明は多くの研究者たちの心をくすぐる神秘的な文明です。


最後に、中学で学習する語句に「オリエント」があったのでこちらで解説しておきたいと思います。

本来、オリエントという言葉はラテン語の「日の昇る方角」という意味で、単純に「東の方」という意味です。つまり、ローマ、ギリシアから見て東側は全てオリエントの領域になるわけで、日本語の「東洋」とだいたい同じ意味合いだと思っていました。

しかし、よく調べてみると、オリエント学、オリエンタリズムという様々な概念と混ざり合って、日本語で「オリエント」と言った場合「メソポタミア、エジプトを含む古代文明」を指す言葉、だそうです。

日本語で「オリエント」と言った場合には、インダス文明、中国文明のような、より東方の文明は含みません。

逆に、メソポタミア、エジプト文明の周辺である、トルコ、パレスチナや現在のイランであるペルシアなども「オリエント」には含まれます。

エジプトはヨーロッパから見ても「南」のイメージなのですが、いわゆる「中東」、または、現在の「イスラム圏」の文化を一緒にまとめた感じ、だと思えば良さそうです

ついでに、中東、中近東、極東という言葉についても解説しておきたいと思います。

これも、あくまでもヨーロッパを中心に見た場合の東側を表す言葉です。

英語では、近東「near east」、中東「middle east」、極東「far east」と分類されていました。しかし、近東に当たるエジプトやトルコ、パレスチナと、中東に当たるイラン、イラク、サウジアラビアを一緒にして、中近東「near and middle east」としてまとめた使い方が一般的になりました。

第二次世界大戦後、近東と中東の区別が曖昧となり、近東が使われることは、ほとんどなくなりました。

感覚的には、イラン革命から、イラン・イラク戦争があった1970年代から1980年代にかけては「中近東」という言葉がよく使われていましたが、近年では、中近東という言葉も殆どの場合「中東」に置き換えられた気がします。

ちなみに、この分類においての「極東」は、ロシアの東1/3程度、中国、東南アジア、日本を含んでいますが、インドは極東にも中東にも含まれていません。

これはインドに意地悪しているわけではなく、15世紀の大航海時代、「インドへ至る道」としての分類が起点になっているのではないかと考えられます。

今回覚えた語句は、

象形文字

ヒエログリフ

太陽暦

ピラミッド

スフィンクス

パピルス

オリエント

でした。しっかり覚えられましたか?

最後まで見て、聞いていただいてありがとうございました。

覚えたぞ!って感じるまで反復で聞いてもらえば効果的です。

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また、「必須語句が足りない」といった要望があったら、動画をアップグレードしたいと思うので、ぜひ、コメントをお寄せください。

それでは、また。次の動画で

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