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因縁の処理の仕方。

2017年11月25日

選手の本気を陳腐なドラマ仕立てには決してしたくはないのだけど、因縁の対決というのはどうしてもある。

実力が互角な好敵手のいるチームとの対決もそうだし、国際大会とかだとマスコミが勝手に特定のチームをライバル視して「因縁の対決」に仕立てあげたりなんてこともあったりして。

ホントのところ因縁かどうかなんて当事者間でしか分からないことなので、外野がそう見ていても、本人達は実はそうでもない、全然意識をしてないことだってあろう。

だが、2017年11月25日。この日の試合は明らかに「因縁の」と言って間違いではないと思っている。

龍さんにとって古巣との対決。
選手各々の中に湧き上がる特別な感情をどう処理したか。
自分のエネルギーに昇華出来たのか、囚われて雁字搦めになったのか。
この日の試合はその差が勝敗を分けたのだと私は捉えている。

本来であれば、もう一年早く実現出来たであろうこの対戦。
一年遅れにならざるを得なかったあたりも、またこの因縁ゆえであるし、この日の勝利を持って、ようやっと彼の移籍が完結したのだなぁと。

そして、彼は「移籍をして自分が輝ける場所を築いた」のだなと感慨深かった。

因縁たるもうひとつの理由。
つくばが大分三好に勝ったのは、3シーズン前のこの時以来だったという事実。

都澤凡夫部長(当時)の弔い合戦となった桜でのあの試合。連勝中の大分三好がここでも勝ったら最高のヒールだな…とわくわくしていたのだけど力一歩及ばず。

あの日、龍さんは大分三好側にいた。
立場は変わり、その後はずっと勝てていなかった対大分三好戦に、移籍して初めての対戦で勝利をもたらしたことに、因縁を感じざるを得ない。

ここで余談。実はちょうど1年前の大分三好との対戦が終わったあと。

「(大分三好との対戦は)オレが出ている時に勝つからいい」

対戦相手に言及した私に、彼はそう言い放った。

言質は取ったからね!と思いつつ、この一言で1年後の対戦は、絶対現地に足を運ぼうとずっと心待ちにしていた。

でさ。

ホントに有言実行しちゃうんだもんなぁ…。恐ろしい男前である。

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