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あのミットに向かって2nd 11話(71話)

雷道、神実が負けた事はどちらのチームにも届いた

雷道ナ:神城実業が負けました

しかし、そんな事はどうでも良かった

拓:…

〇〇:…

大:…

春:…

監:そうか…

麻:成宮君が8回に打たれたそうで


神城実業サイド

神城ナ:こんな時にすみません

雷道が負けました

ルイ:……

菊地:……

成:……

監:何ー何だ?

神城ナ:3ー4です

監:雷道さんも長い冬になりますな…


全国各地

藤巻高校

統:正宗!雷道負けたらしいぞ

正宗:嘘だろ、どうせ…

統:それがホントなんだよ

正宗:はぁ?

雷道敗れる‼️
神城実業も2回戦敗退

正宗:マジじゃん。相手は?

統:凪高校
俺らが甲子園で戦ったところ

正宗:あぁアイツらか
森田は投げたのか?

統:どうだろう?ちょっと調べてみる
あ、動画アップされてる

正宗:アイツが打たれたのか

統:いや、どうだろ?

動画:初回に2点を先制

正宗:取ってんじゃん
ん?森田じゃない?

ベンチスタートか

それで…

動画:5回裏に満塁ホームラン

統:完全に逆球だ
御幸はリードしづらそうだな

正宗:あれじゃどうしようもないね

あ、森田出てきた

なんか変わったな

統:凄みましてないか?

そして…

美馬に対してのチェンジアップ

正宗・統:!?

正宗:また進化してやがる

統:俺たちも危なかったもんな
決勝でチェンジアップ覚えられてたらどうなってたか

美馬もいい打者だけどそれを完全に上回ってる

正宗:で、結局負けたと…
森田はわかってると思うけど、負けたらいいピッチングなんて意味がない
勝たせてこそ本物のエースだからな

統:そうだな
神城の見る?

正宗:見ないよ。見る意味がない
さぁ俺たちもトレーニング行こう
もうすぐでドラフトだし、やる事沢山ある

統:そうだな

南山大附属
飛鳥:〇ちゃん負けたか
史緒里ちゃん連絡したの?

史:してないよ。出来ないよ

梅:えっ!してないの?

岩:私がしようかな

史:え?なんで〇〇の連絡先知ってんのよ

岩:この前、遊んだ時こっそり交換した

梅:私も

史:ダメ!絶対ダメ!

岩:史緒里がしないなら私達が励まそうと思って

史:するからメールしないで

梅:なら早くして〜
もう送信ボタン押すけど

史:だぁああああああああ

飛鳥:俺は個人的に送っとくわ


そして、戻り
西:だぁああああくそ!
負けた!

橋:打てなかった

春:全然力が足りない

高津:あの変化球…

監:明日は練習は休みにするが、ミーティングを俺抜きでしろ

そしてキャプテン、副キャプテンは報告に来い
わかったな

雷道ナ:はい!

監:御幸は後で監督室に来い

拓:はい!

監:解散!

雷道ナ:しゃあ

小笠原:春一、この後どうする

春:僕は少し考えたいことがあるので後で室内場で打ちます

小笠原:そうか、わかった
先、打っとくわ

大:〇〇

〇〇:なんだよ?

大:悔しいよ。

〇〇:!?

当たり前だろが
俺が一番悔しいに決まってんだろ!

大:いや、僕の方が悔しい
打線で援護できなかった

で、思うよ!
俺はチームを勝たせる投手になる
負けたらどんなにいい内容だろうが関係ない
すぐに夏は来る
エースナンバーは俺がとる!

〇〇:!?
いや、俺が貰う!

大:僕だ!

〇〇:はぁ
俺も健吾と同じ気持ちだよ
勝たないと始まらない
今日のだって全然ダメだった
相手の4番の人にカタチでは打ち取りはしたけど
内容は負けていた
チェンジアップを投げざるを得なかった時点で
負けなんだよ
あぁ!!!!くそ!

健吾、エースナンバー掛けて勝負だな

大:そうだね

監督室

拓:失礼します

監:今日の試合どうだった?

拓:……

全員いい経験になったと思います。
上には上がいる
自分たちの現在地
やるべきこと
それがはっきりしたと思います。

監:そうか…

拓:でも、今は悔しさしかありません
この悔しさは春季大会でしか返せません

監:その気持ちがあれば大丈夫だな…

明日のミーティング、内外野は一緒に
捕手は捕手だけで、投手は投手だけでやるように伝えておけ

拓:わかりました。失礼します


月曜日学校

1年2組

〇〇:今日どこでミーティングか聞いたか?

大:いや、聞いてない

拓:失礼しま〜す

〇〇:あっ、キャプテン。それと西野先輩も

西:よっ!

春:どうしたんですか?

拓:今日のミーティングだけど
投手は投手で
捕手は捕手同士
内外野は一緒に
ミーティングするように監督からの伝言

他の1年にも伝えといてくれ

〇〇:はい!

拓:いや、森田に言ってない
春一に言ってる

〇〇:なんで俺じゃないんですか!

拓:信用ならないからな
変な事伝えそう

〇〇:そんな事ないですよ

春:わかります。

〇〇:春いっちまで〜

拓:という事で春一頼むな

春:はい!


そして、放課後

室内練習場

捕手サイド
拓:最近の事で
投手陣のリード面や不安な所など
教えてくれ

小野:そうだな
今年1年が入ってきて、特に森田と大谷
あの2人の球をどれだけ捕れるキャッチャーがいるか

拓:それはある
俺もまだまだだが
あの2人は成長速度が早い
リードも勿論だけど
俺たちキャッチャーは投手がどれだけ気持ちよく投げてもらえるか?
それに尽きると思う
同じ1年で最近受けてるけどどう思う二宮

二宮:健吾は球速と落差に反応できるか
〇〇はあのムービングにどう動くかわからない変化球

これは沢山受けるしかないと思います。
自分も音を鳴らせない時がありますし…

拓:そうだな
対面してわかる2人の圧力
練習でもそうなんだが、本番はもっと凄い
1球に対する熱量は他とは違う
それにキャッチャーがどう応えられるか
それが俺たちの真価が問われる
それぞれの成長がチームを強くする

冬はアイツらにもなるべく色んなキャッチャーと組ませたいと思ってる

頼むな

他捕手:はい!

内外野サイド
西:俺から見てて思うことがある
1年!俺達に遠慮してんのか?

1年:いや、そんな事は‥

西:春一!俺は全国一の二遊間になりたいと思ってる。いや、なれる
でも、お前がその気にならないとなれるもんもなれやしない

春:………

西:ゲッツー取れる場面…
何個も取り逃がしている
俺は遠慮する奴とは組めないぞ

春:すみません

西:智博先輩は厳しかったぞ

春:!?


町:早く追いついてきてくれないかなぁ

西:あ、いや

町:つまんないよ
俺はお前の成長なんてどうでもいい
俺はやりたいようにやるからな
バックトスだってするし、難しい要求をすると思う。
でも、お前なら捕れると思ってる

西:!?


春:兄さんがそんな事を…

西:俺はそこまで言わないけど
変わりたい奴は多いからな

内野陣:いつでも変わるぞ

春:譲りません
西野先輩、精進します

西:そして、他の奴ら!
もっと俺たちを脅かしにこいよ
足りねぇぞ!

内野陣:抜かしてやるからな!

西:そして、外野
このままだと雷道は外野が穴だ!って言われるぞ
特に外野の守備レベルを上げることがチームで必要なことになる
よく話しとけよ
そして、投手陣が外野に入る時、アイツらは初心者と同じ様なもんだから積極的に教えてやってくれ
静哉頼むぞ!

橋:わかってる
俺の外野の理想はタッチアップを簡単にさせない
これに尽きる

肩が弱いならどうしたら補えるのか?
捕球一つにしても捕り方、走り方
色んなことがある
そういう1つ1つを考えてこのオフ期間過ごそう

外野陣:はい!

投手サイド
九条:オフ期間それぞれどんな目標で挑むか発表しよう
まずは俺から
俺は、この前の試合エースナンバーを背負っておきながら不甲斐ないピッチングをしてしまった
みんなごめん
エースナンバーは剥奪で構わない
また1から狙いに行くよ

〇〇:いや、九条先輩はエースらしいピッチングをされてました。それを壊さない様俺も投げました

九条:ありがとな
俺は制球に重点を置いてオフを過ごすよ
シンカーも完成させたいし

次は、床田

床田:俺はまず、ローテに入ることが目標です。
そして、いつかマウンドでチームを背負って投げられるように1から鍛え直します

九条:いいね
次、大谷

大:僕はみんなに認めてもらえるようなピッチャーになりたいと思います
行動や態度から
まずはそこから始めます

九条:そうだね
やれる事は沢山あるしな
最後、森田

〇〇:はい!
俺は勝ちを呼び込める投手になります
たとえ負けていても俺が登板したら逆転する
そんな投手に…
この前の試合、逆転を呼び込めませんでした。
先輩達との日々も長くは続かない
限られた試合の中で1試合1試合をどういうピッチングをするのか?それを考えるオフにしたいと思います

九条:俺はもう負けはこれが最後にしたいと思っている
そのために投手陣で気づいた事は話し合おう
チームを勝たせるために

〇・大・床:はい!


監督室
失礼します!

監:どうだった?

拓:キャッチャーは配球、リード面それぞれで共有できる事は常に話し合うようにしました。
そして、経験を積むためにもいろんな組み合わせで今後バッテリーを組んでいきます

監:そうか…

西:内外野は、守備強化の話をしました
特に外野、投手陣が守った際に穴だと言われないよう静哉には声をかけるよう伝えています

監:そうだな
前にも話した通り一人一人の守備範囲が広がれば
大きな1つの円になる
それを目指していこう

西:はい!

九条:投手はそれぞれの目標を話し合いました
森田は負けていても勝たせられる投手になりたい
大谷はチームに認めてもらえる投手になりたいと
言っていました。
森田はこの前の試合を重く受け止めているようです。
すみません。自分の失投で負けたにも関わらず

監:そうか
でも、そのくらい考えて野球をしているなら構わん
それよりも御幸。
俺が言いたい事はわかるか?

拓:打撃面ですか?

監:そうだ
結局はお前達が打たないと勝てない
森田はリリーフとしてよかった
それに応えられないのはチームとしても考えたいところ。
危機感を持って取り組まないと投手陣に負担が掛かる
オフはそれぞれが自分のバッティングと向き合ってほしいと思っている
わからないなら聞いてくれ!

3人:はい!

監:今日はこれで終わる

明日から練習始めるぞ

3人:はい!


勝つ為に各々が考える事は多くある
もう負けたくない
それを胸に雷道は突き進む

次回、秋季東京都大会決着
どこが優勝したのか?
雷道はオフトレーニングになります。

時間は進み、春となる…

To be continued…


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