あのミットに向かって2nd 13話(73話)
4月1日朝
監:おはよう!
全員:おはようございます!
監:今日から新一年生がチームに加わる
監督の片岡だ
まずは左から順に自己紹介をしてもらう
出身、名前、ポジション、目標を大きな声で言ってもらう
匠シニア出身、柳昌人
可能性に狭めたくないのでポジションは決めていません。
全てを希望します
パチパチ👏
小笠原:ほぉ、ガタイいいな
春:匠シニアは有名ですもんね
監:次!
梅宮シニア出身、河村薫
ポジションはキャッチャーです
去年の夏の甲子園の試合を観てから
入部することを決めてました
迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします
パチパチ👏
高津:アイツ、U-15代表のキャプテンじゃね?
高橋:こんな感じなんだ
監:次
〇〇:きた!
武蔵中学出身、今永颯太朗
ポジションは、ピッチャーです
昨日ドッキリが苦手だと言う事がわかりました
昨日…
今永:よし!入ろう!
ガチャッ
今日からお世話になります。
今永颯太朗といい…
あれ、いない?
すみませ〜ん
いますか?
〇〇:うわ!
西:シャーー
今永:ウギャーーー!!!!
〇〇:はっはー!成功
俺も去年やられたからな
西:よろしくな
俺は3年の西野疾風だ
〇〇:俺は2年、森田〇〇だ
よろしく!
今永:よろしくお願いします
初日から散々でした
今永:ポジションはピッチャーです
先輩達に追いつけるよう頑張ります
よろしくお願いします
パチパチ👏
監:これで終わりか
1年生、23名
2年生、36名
3年生、35名
マネージャー、6名
総勢100名だ
ここに入部すると言うことはそれなりの覚悟を持って入って来たと思う
高校野球の練習に慣れることはもちろんだが
君たちには是非先輩達の練習での態度や姿勢を見てもらいたい
チームの目標は常に全国制覇だ
甲子園を経験した選手もいる
今まで学んだこと
これからの自分達に必要なこと
それら全てが彼らから滲み出ているはずだ
まずは目で見て肌で感じてくれ
"我々の求める野球を"
新1年生:はい!!!
拓:俺はやべぇな
西:プレッシャーかかるな
〇〇:あ〜はっはっはー
楽しみだ!
高津:どこからそんな威勢が張れるんだよ!
春:〇〇君は明らかに2年生の中では下だよ
〇〇:えっ?
ウソだろ〜〜
拓:だろうな
西:アイツバカだしな
〇〇:バカは関係ないだろ!
春季東京都大会開幕
開会式前
拓:いくぞ…
雷道ナ:しゃっす
観客:なんかオーラが増してないか?
そうだな
そして、エースナンバーが変わってる
誰だ?
スタ…スタ…
マジか…
大谷だ
成:ほぉ
大谷か…
拓也!
拓:よっ!秀
成:当たるのは決勝でか…
拓:そうだな
俺たち秋はダメだったもんな
成:そうだね
オフ長かったもん
その分いい期間にできた
拓:それは俺たちも同じだ
成:なんか雰囲気変わったね
拓:そう?
しごかれたからかなぁ
そういう秀も凄みましてるぞ
成:やっぱり?わかった?
拓:それ言われようとしてただろ
成:へへ
拓:じゃあ決勝でな!
成:おう
嵐:森田!
〇〇:ん?
松風
嵐:ぶっ飛ばす!
〇〇:やらせねぇよ
天宮:森田!
〇〇:次は誰だよ
あ、天宮さんか
天宮:返信しろよな
〇〇:話すことないですもん
あ、ありました。
センバツお疲れ様でした
天宮:今、言うなよ!
松風嵐が〇〇を指し、
嵐:4回戦
天宮を指し、
嵐:準決勝
成宮を指し、
嵐:決勝
全員ぶっ飛ばす!
〇〇:ふふ
楽しみだな
ギュッ
〇〇:痛!
なんだよ!健吾
大:〇〇じゃなくて俺だろ
嵐:じゃあお前もぶっ飛ばす
〇〇:そんな突っかかんなよ
健吾は〇〇に背中を見せる
〇〇:すっげぇムカつく…
そんな差ねぇからな
大:でも、これが結果
春:大谷君、さすがに性格悪すぎるよ
〇〇:ホントだよ!
もっと春いっち言ってやれ!
西:オラ!もう行くぞ!バシッ
〇〇:痛いですよ!西野先輩
西:はよ来い!
男記者:どこが優勝してもおかしくない
そんな面白い大会になりそうだ
でも、明らかに雷道高校と神城実業高校が
このオフ期間からどんなプレーを魅せてくれるのか楽しみだ
女記者:凪高校や龍谷高校じゃないんですか?
男記者:そうだなぁ
もちろん上がってくるとは思うが
雷道の森田君、大谷君、
そして、神城実業の成宮君を打てるかはわからないからな
宿舎
監:3日後初戦だ
この冬取り組んできたことをやるだけだ
キツかったことがほとんどだと思う
それでも俺について来てくれた
お前らはどこよりも成長しているだろう
魅せつけるときだ
雷道ナ:はい!
監:初戦の先発は大谷でいく
大:はい!
監:初戦だからこそなにが起きるかわからない
他の選手も準備を頼む
全員:はい!
監:1年はスタンドで応援を頼む
1年:はい!
監:では、解散
雷道ナ:しゃあ
拓:4回戦で龍谷なんだけど、それよりその前の日曜日にある王蘭と当たるかもしれない3回戦
ここが1番大事な気がする
そして、ここの先発に誰を持ってくるか
俺なら…
金曜日
2回戦
雷道高校 vs 浅川学園
ギューーーン
ズドン
観客:おおおお!
えぐい
拓:ダメだな
大:そうですね
拓:このチームだから通用してる
これをするためにこのオフやって来たんじゃないんだろ
大:コク
拓:なら、球速落としていいから丁寧に来い
大:コク
シューーー
パァーン
男記者:制球を重視して球速を落としたか…
まぁ上に行くに連れて見極められた際にどう修正出来るかが大事になるからな
女記者:あの荒々しさが大谷君らしいですけどね
私は好きですけど
(男記者:御幸君はわかってるんだ。
これではテッペンは獲れないと…)
〇〇:さぁ援護頼みますよ!
健吾はすぐ崩れますから
大:そんなことない!
春:大谷君大丈夫
必ず点取ってくるから
観客:今までと打順が変わったな
3番を打っていた町田が2番に
5番を打っていた橋本が3番
7番の小笠原が5番か
攻撃的な打順になったな
西:春一、俺たちで点取ろう
春:そのつもりですよ
西:ならいいや
ウ:1回の裏、雷道高校の攻撃は
1番、ショート西野君
〇〇:チーター頼みますよ!
西:任せとけ
浅川投:俺がどのくらい抑えられるかで試合が決まる。絶対にやらせない
西:ふー
流石に狙われてるよな
でも、その為にオフ期間
打撃に力を入れてきたんだ
みてろよ…
浅川投:ンァ!
シューーー
変化しようがついていける体幹
スリ足も混ぜながらのバッティング
形なんて今はどうでもいい
打たないと始まらない
俺が出る!
カキーン
〇〇:抜けた〜
観客:速い!
もう2塁
ザーッ
あのあたりで2塁を狙える脚は強いな
西:ヒャッハー
雷道ナ:らぁ!
観客:そして、これがどうなるかだな
ウ:2番、セカンド、町田君
町:お願いします
浅川捕:このバッター、バットコントロールがいいからな
厳しいところ攻めよう
浅川投:コク
春:僕が2番の理由
監:バントの指示なしでも点を取れる打線
相手から嫌がられのは好きだろ?
春:はい!それを目指してます
監:ならやれるな
打席では自分に集中していい
あとは必ず後ろが打ってくれる
お前が打てばその後ろはもっと打たないといけなくなるから
お前が打線を引っ張れ
春:はい!
ありがとうございます
それから僕はオフの間はバットを振った
特にアウトコース低めや
インコースへの変化球
崩されても外野に運べるバットコントロール
やる事はやった
その成果を出す時
ギューーーン
浅川捕:いい球!これはどう打ってもアウトになる
スーッ
春:足の踏み込む位置、体をギリギリまで残して逆らわず打つ!
カキーン
浅川捕:あの体勢、ギリギリまで呼び込むセンス
しかもゴロではなくライナーで…
拓:よく打つな
スタタタタタタタターーー
ザーッ
審:セーフ
観客:速!
2人で1点!
これが新生雷道1・2番!
強い
スパァーン
審:ボールフォア
観客:よく見えてる
3番の橋本、異様な雰囲気あるよな
橋:頼むなキャプテン
拓:さぁ打たないとな
〇〇:キャップ頼みますよ!
大:打たなかったらキャプテンじゃないよ
九条:御幸もかわいそうだなぁ
応援席
河村:先輩達強すぎるよね
1つ1つのプレーに無駄がないよ
柳:打ちたい
今永:同じ投手として差があり過ぎる
前、ブルペン見させていただいたんだけど
いつものあの感じとは違ってびっくりした
河村:夏の甲子園の決勝、大谷先輩からの森田先輩へのリレー
1年生とは思えないピッチング
あの打席に立たないとわからない軌道と球威
キャッチャーとしてこれほど嬉しい事はないよ
あとは御幸先輩
あの人が高校No. 1捕手だよ
吸収できる事はたくさんあるよ
楽しみがあり過ぎるよ
柳:誰が先に試合出れるか勝負だな
今永:がんばろ!
狙い打ち〜
かっ飛ばせ〜御幸!御幸!御幸!!
拓:ふー
スーッ
浅川捕:ここは攻めよう
攻めてのフォアボールはしょうがない
浅川投:コク
シュッ
ビューー
拓:ん!
雷道ナ:うおぉお
いったあぁあ
観客:高めの球を見逃さずひと振り
バックスクリーン3ランホームラン
これで高校通算何本?
確か40本
ムラがあったからな
これからが楽しみな選手だよ
拓:ふー
良かった
気持ちい〜
雷道はその後も点を取り、
10ー0と5回ゴールドで3回戦へと駒を進めた
雷道ナ:しゃあ
3回戦突破!
雷道は日曜日の王蘭戦に向けて
準備を始める
誰が先発するのか
〇〇の出番はあるのか
新生雷道が進み始めた…
To be continued…
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