あのミットに向かって　39話

大谷はわずか1安打と暁相手に最高のピッチングをしていた

三振！！

これで7個目！

5回を終了して、0ー0
投手戦となっています。

監:もう十分見ただろ？
このまま永遠と試合をするつもりか？
あえて言う！

"勝つ気はあるか"

お前らは西東京代表として来てるんだ！
負けた奴らの想いを踏み躙るつもりか？結城！

(原:絶対テッペン取ってこいよ)

結:いいえ！

監:ならその想いをぶつけてこい！
6回から球種を絞るぞ
変化球は捨てろ
狙いは真っ直ぐ

ウ:6回の表、雷道高校の攻撃は
3番、センター、齋藤君
齋:来いやーオラー

(監:狙いは真っ直ぐ)

池:これまでヒットは3本
でも、ヒット性の当たりが増えてきている
そして、いつもより体力の消耗が凄い

雷道は初回からプレッシャーを掛け続けていた
池田はそれを知らず知らずのうちに受けていた

池:相手のピッチャーも俺と同じ1年
絶対に負けられない！
シュッ！

ビューー

冨:少し中に…

齋:大谷があれだけやってんだ
また1年に頼るのか？いや、違う！
俺たちが…

カキーン！！

引っ張っていくんだ！

実況:大きな当たり〜レフト下がる

ガン！

入った〜〜

甲子園は地鳴りが起きた

観客:うわ〜〜

応援席:純さん、最高〜

齋:しゃーオラー！！！

実況:遂に均衡が破られました。齋藤の一発！
少し甘く入った真っ直ぐを逆らわず綺麗に打ち返しました。

齋藤ホームイン！
1ー0

結:やったな
ナイスバッチ

齋:お前ばっかり打ってもらっちゃあ
こっちが霞むからな

パン！

2人はハイタッチした

監:よく打った
これがお前の目指して来たバッティングだな
素直に打ち返す
お前の3年間の集大成となるバッティングだった

齋:ありがとうございます

池:あの一球…
悔いても仕方がない
次はあの人だ、切り替えろ！

結:ふーー
(集中)
(いつも通りに)

カキーン！

くっ

実況:今日は快音が響きませんね
センターフライ

結:何かが俺を縛ってる

原:どうした結城いつものお前じゃない

原田はテレビの前で言っていた

結城は歯を食いしばりながらベンチに戻っていた

監:結城、俺は何も言わないからな

結:はい！

拓:あんなに打てない哲人さん見るのは初めてかもしれない

その後濱田がアウトになり、2アウトランナーなしで御幸が打席に立つ

拓:哲人さんが打てない時は俺たちが打って援護するしかない

池:はぁはぁ

冨:(監督ここまでかもしれません)

監:(準備はさせているが、アイツの目は死んでいない)

池:俺の失投、ここで抑えて逆転する
シュッ

シューーーー

---

拓:夏以降先輩達がいなくなったら誰が4番かな？

西:まぁお前が4番だろうな

橋:俺も同感だ

拓:お前らは自分を入れないのかよ

西:いや、普通に考えて
打てる人間を考えたら誰でも拓也を言うよ

橋:監督もそう考えてると思うけどなぁ

拓:まぁまだ先の話だし、今は甲子園出場しか頭にないからな

西:そうだな

---

拓:そんなにうかうかしてられなくなって来た
先輩達の抜けた穴は大きすぎる…
"それでも" 誰かがそれを担わないとチームが終わってしまう

少しでも先輩達に追いつくためにはまずは俺が引っ張っていくしか…

ない！

カキーン


実況:大きな当たりだ〜

どうだどうだ〜

入った〜

この回2本目のホームラン！
御幸拓也が打ちました

監:ようやく御幸にも覚悟が芽生えてきたな
抜けた穴をどうするのか…
これは課題だったが、まずはお前が見せないとな

麻:ようやくだわ
あなたが打たないと雷道は始まらないのよ

この回2点を取り、ようやく大谷に援護点をあげることができた雷道

6回の裏、大谷は監督に呼ばれていた
監:この回で予定通り交代させる
周りは気づいていないかもしれないがお前、結構足にきてるだろ？

大:！？
いや、きてません！いけます

監:初回からギア全開のピッチング
いつもあれだけ注意しろと言っているのにこれとは…

大:〇〇と決めた事なんです
2人で勝つぞと
だから後ろにアイツがいるから全開で投げられるんです

監:！？
(いつのまに)

一丁前になめたことを…

なら、最後お前の全てを出して締めてこい！

大:はい！

タッタッタ〜

竹:大谷も成長しましたね監督

監:あぁ

拓:お前監督に楯突いたから帰ったらランニングかもな笑

大:本当ですか？
どうすればいいですかね？

拓:期待に応えることしかないだろ

大:わかりました。

ウ:6回の裏、暁高校の攻撃は
4番、キャッチャー、冨里君

冨:まだ点差は2点、1点ずつ返せば逆転できる
池田があれだけ頑張ったんだ
キャッチャーとして必ず塁に…

ズバン！！

冨:！？
速すぎる

実況:155km/hが出ました
今大会最速です。

観客:こいつはプロに注目されるぞ！
しかも1年！雷道は強いぞ！
名前も大谷だし、もしかして息子っていうのもあるんじゃないか？

大:いくら速い球を投げようがどうだっていい！！
俺は打者を打ち取るために投げている！

ビューーー

ズバン！！

三振

バッターアウト、これで8個目

4番に三球三振

観客:こいつは本物だ〜〜

〇〇:勝てねぇな、あいつには…

でも、マウンドに立てば関係ねぇ
立ったやつが目の前のバッターを打ち取ることだけに集中する
そのだけは投手皆同じなんだ

最後はスプリット！

空振り三振！

9個目

どこまでいく大谷健吾！

観客:このまま完封しろ〜

女子:大谷君カッコいい！！キャ〜〜

大:最後まで…

投げきる
ンァ！

シュルルルルーー

カキーン！

大:センターー！！！

齋:パシッ！

大:しゃあ！！！

実況:3アウト！！
この回も3人で終わらせました。大谷

監:よく投げた、次も期待してるからな
今日は休んでくれ

大:はい！

監:春一アイシング付き合ってやってくれ

春:はい！健吾君行くよ

大:うっす…

7回の表、雷道はランナーを出すも得点ならず

そして…

ウ:ここで選手の交代をお知らせします
ピッチャーの大谷君に代わりまして、
背番号18、森田〇〇君、
ピッチャー森田君

〇〇:しゃー！！

甲子園にいる誰もが驚いていた

観客:なぜ交代させる？
投げさせた方が良かっただろ

女子:え〜もっと見たかった〜

実況:私もびっくりしました。
まさか交代するとは誰が予想したでしょうか？

暁の選手も驚いていた

池:マジかよ
こっちとしては有難いけどな

相手監:これは良かった
ここから爆発させるぞ

暁ナ:しゃー

拓:みんな驚いてるな！

〇〇:そうすっね
あれだけのピッチング…
それはこうなりますよ
でも、負けるつもりはないっすから

拓:だな笑
これで観客黙らせたらかっこいいな

〇〇:やっぱりそうですよね

〇〇:皆さん、甲子園も中盤に差し掛かってきました。この暑い中での試合…
そんな暑い試合ですが、うちも熱さでは負けていません。
ただ夢中に野球をするのみ！
ガンガン打たせていくんでバックの皆さんよろしくお願いしやす！

大:よくもまぁあんな言葉が出てくるよね

春:ホントに…
好きだけどね

ウ:7回の裏、暁高校の攻撃は、
7番、レフト、五百城君

拓:先ずは初球だな

〇〇:ｺｸｯ

拓:相手の頭にないであろう
これを…

〇〇:(初球からですか笑)

拓:決まれば最高

〇〇:こんにゃろ〜

スッ(脚を高くあげ)
ドン(右足を前へ)
ギュッ(グラブを潰す)

ﾌﾞﾝ！

シューーーｸｲｯ

五:なんだこれ！？

スカッ

拓:ズバン！！

実況:空振り〜

五:今、ストレートだったはず…
なのにボールの下を振った？

はぁ？

拓:さぁここから
次はインコースに真カットボール

〇〇:ｺｸｯ

マウンドは誰にも譲らない！

ンァ！

五:インコース！
次こそ…

シューーー

スカッ
パァーン

五:捉えられねー
なんなんだこいつの球
正直言って大谷よりこいつの方がよっぽど…

〇〇:ンァ！

五:ヤバい！！！

ズバーン！

実況:空振り三振！！

〇〇:シャーアー

拓:次だ

中西:狙いはストレート

〇〇:シュッ！

中:来た！
ン〜

ｸｲｯ

中:バットの下に当たった

〇〇:ショート！

町:はいよ、バシッ、シュッ

結:バン

審:アウト！

〇〇:ナイスです智博先輩

町:👊

〇〇:2アウト！

雷道ナ:2アウト！

大:これだよね、〇〇が登板すると周りが自然と声が出る

7回、8回を完璧に抑え、
9回の裏、2アウト、ランナーなし

拓:さぁ最後だ！
来い！

〇〇:俺はあのミットを信じることが唯一の取り柄
信じてきたからこそ！

ンァ！

ビューーー

"今がある"

ズバーーン

試合終了！！ゲームセット！

To be continued…