あのミットに向かって　43話

次の日の夕方16時ごろ
南山大附属高校
先生:はい、みんな集まってバスに乗るよ

生徒:はーい

先生:それでは点呼とります。
呼ばれたら返事して下さい
安藤君

安藤:はい！

先生:井ノ原さん

井ノ原:はい！

どんどん呼ばれていき…
先生:久保さん

…………

梅:まだ来てませんよ先生

先生:あの子が1番楽しみにしてたのにどうしたのかしら？

岩:梅、史緒里どうしたのかなぁ？

梅:どうせ昨日楽しみすぎて寝れなくて寝坊でもしてるんでしょ

その頃史緒里はというと…

史:やば〜〜〜い
なんで起こしてくれなかったの💢

史母:何回も起こしたわよ
それなのに、もう少しもう少しって言うからほっといたのよ。史緒里が悪いのよ

史:えー😱
行けなくなる！嫌だ！

プルルルルル
プルルルルル

史母:あら、電話だわ

ガチャ

史母:もしもし

先生:久保さんのお宅でしょうか？

史母:はいそうですが

先生:いつもお世話になっております、久保史緒里さんの担任の生田と申します。

史母:あら、生田先生。こちらこそいつもありがとうございます。

生田:今、史緒里さんはどうされてますか？

史母:生田先生すみません。史緒里は今、ベッドから飛び起きまして全力で支度しております。

生田:あぁそうですか
もしよかったらバスで迎えに行きましょうか？
丁度通り道ですし

史母:いいんですか？
では、そうして頂くとこちらとしても有難いのでよろしくお願いします。迷惑かけてすみません。

生田:いいんですよ。史緒里さんには学校でいつも手伝ってもらっていますから
それでは近くなりましたらまたお電話させていただきます。

史母:よろしくお願いします。
それでは失礼します。

ガチャ

史母:史緒里、バスで迎えにくるらしいわよ

史:えっ、そうなの？

史母:生田先生に感謝しなさいよ

史:絵梨花先生…

そして、30分後

史:じゃ、行ってきます。

史母:いってらっしゃい。楽しんできてね

史:はーい

史母:あの子大丈夫かしら
好きな事になると少しおかしくなるから

生田:史緒里さんおはよう

史:おはようございます。ありがとうございます

生田:1番楽しみにしてた貴女が来ないわけないですもん

史:昨日眠れなくて

生田:だと思った
早く乗って！行くわよ

史:みんなおはよう！ごめんなさい

生徒1:寝坊してんじゃねーよ笑

生徒2:これも史緒里らしいけどね

梅:ほら、こっち！

史:梅！ありがとう
行けない思った😭

梅:そうなってとしても意地でも来るでしょあんたなら

史:まぁそうだけど

岩:史緒里、PAで何か奢ってね

史:カフェオレね

梅:ウチも便乗しとこ

史:いいよ

梅:で、どっち応援する事にしたの？

史:それは…

〇〇が出場するなら雷道
出ないならウチを応援する事にした。

梅:応援するのは構わないけど大きな声で騒がないでね
ウチの高校のスタンドから相手チームのしかも、1人だけを応援してるの可笑しい事だからね

史:そこら辺はわかってる😗

梅:本当にわかってるのかな？

史:そんなことより熱烈甲子園見た？

梅:いや、観てない

史:なんでよ！観なさいよ

梅:女子で観てるの貴女ぐらいよ
他の子は歌番組とかお笑い見てるよ

史:面白くないじゃん
最近グルメ番組かクイズ番組しかやってないもん

岩:梅、諦めよ！それが史緒里だからさ

史:ちょっとそれどういうこと？

岩:え、そのまんまの意味

史:ぶー

梅:で、その熱烈甲子園がどうしたの？

史:よくぞ言ってくれました。

梅:貴女が言ったからね

史:〇〇が出たのよ

梅:えっ！？

岩:〇〇って史緒里と幼馴染の？

史:うん、

梅:で、どうだった？

史:カッコ良すぎて死にかけた

岩:そんなに？

史:見てみる？

岩:見よう見よう！

梅:久しぶりに見るな〜

岩:あれ梅も〇〇君と知り合いなんだっけ？

梅:一応、向こう覚えてるかはわからないけど

史:流石に覚えてるでしょ

梅:いや、あの〇〇だよ

史:あり得るかも…

岩:そうなの？

史:全然有り得る。
〇〇は野球以外はずば抜けてダメだから

岩:そんな子なんだ。会って話してみたいなぁ

史:私も会いたい

梅:史緒里のは会ったら気絶するんじゃない？

史:この前は大丈夫だった

梅:それは〇〇の両親がいたからじゃない

史:それはそうかもしれない

岩:早く早く

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3回戦、暁高校との対戦
実況:7回のマウンドに上がったのはまたしても1年、森田〇〇！

前回のマウンドでも異才を発揮していましたからね。今回も楽しみです。

〇〇:ふっー

ザーッ、ザーッ

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史:どうカッコよくない

梅:まだ投げてないよ、でも、少し大人っぽくなってるかも

岩:へ〜、カッコいいじゃん😏

史:その顔何？

梅:相変わらず人の男となると目つき変わるんだから

史:〇〇はまだ私の男じゃない！

梅:なら、蓮加獲っちゃえ

史:ダメ！

梅:これだけ映ってたらもう誰かに告白されてるかもよ

史:えっ！？ﾎﾟﾛｯﾎﾟﾛｯ

梅:いや、泣かないで
そんなことないから

史:本当！！

梅:どんだけ好きなんだよ
早く告白しろや

史:それは無理

梅:はぁ、それで続きは？

史:はいこれ

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〇〇:ンァ！！

ズバン！！

審:ストラックアウト

〇〇:しゃーー！！

実況:未だ相手にヒットを許していません。
森田選手
相手はあの去年の準優勝高校ですからね
1年生とは思えないピッチング

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史:もうやばい！これでご飯何杯でもいける

梅:これはカッコいいわ
岩:そうだね
史緒里が惚れるわけですわ

史:これ何百回見たことか
再生回数に貢献してると思う！

梅:いや、好きすぎでしょ
これで〇〇に彼女でもいたら史緒里、ﾀﾋんでしまうかもね

岩:学校来なくなると思う

史:2人ともどうしたの？

梅・岩:いや、何もない

梅:〇〇にはLINEしたの？

史:したよ！でも、返信ない
アイツ、後で懲らしめてやる

〇〇:うあー！？
大:どうしたの？
〇〇:いや、背中に寒気が…

岩:情緒不安定すぎるでしょ

梅:これは〇〇も疲れるぞ

途中休憩したり、夕食食べたりしながら
そんなこんなで約14時間かけて甲子園に到着

史:ふぁ〜〜着いた

梅:疲れたね

岩:うん、途中からみんな爆睡してたしね

生田:では、甲子園の中に入ります。
はぐれないでくださいね

生徒:はーい

三塁側のスタンド
生徒:広っ！！

初めて来た〜

梅:こんなところで試合してんの？
岩:凄いね

生田:試合は9時開始です。
少し時間があります。
が、1人では絶対に行動しないこと
トイレは1階にあるので先生がついていきます。
行きたい人はまとまって行きましょう

先生:はーい！

梅:どうする？行く？

史:一応行こっか

岩:そうしよう

生田:それでは着いてきてください

トイレ終了後、ベンチに戻っていると…

〇〇:史緒里か？

史:んえっ！？？〇〇！！！

〇〇:やっぱり史緒里か
どうしているんだ
俺の両親と来たのか？

史:いや、学校の応援できたんだよ

〇〇:ん？
史緒里、雷道の生徒じゃないよな？

史:うん、南山大附属の生徒

〇〇:お前、南山大附属生だったの？

史:前言ったけど

〇〇:えっ、言ったっけ

史:何忘れてるの

〇〇:ごめんごめん
という事は史緒里は今日相手チームの応援に回るのか
史緒里はずっと俺を応援してくれると思ったのにな

史:！？
〇〇のことはずっと応援してるよ

なら、応援したくなるようなプレーを見せてよ

〇〇:わかったよ…
振り向かせてやるよ
俺、今日先発だからさ

史:えっ！本当に

〇〇:嘘つかねぇだろ
三塁側のスタンドで観ててよ

甲子園の空気を俺で染めてやるから

史:期待してる

梅:史緒里！

史:うぁ！何？

梅:行くよ！
って、〇〇じゃん

〇〇:おう！梅澤か？久しぶり

梅:なんかデカくなったね

〇〇:そうかな？
まぁ観ててよ！

それで横の方は？

岩:岩本蓮加です。史緒里の友達です。

〇〇:おう！よろしくな
コイツ面倒くさいところあるけど悪い奴じゃないからさ
仲良くしてやってくれ

岩:うん！するする

〇〇:じゃあまた！
試合楽しみにしとけよ〜

岩:カッコいい…
やばい蓮加一目惚れしたかも

梅・史:えっーーーーーーーー

To be continued…