あのミットに向かって2nd 8話(68話)
帝西に勝った雷道は、宿舎に戻っていた
監:お疲れ様
全員:お疲れ様でした
監:今日の試合皆よく戦った
是非明日にも繋げて欲しい
全員:はい!
監:この後、投手陣と捕手陣は俺のところに来てくれ。明日の話がある
投・捕:はい!
監:明日の凪戦だが、先発は九条で行こうと思う
九条:はい!
監:相手は強豪だ。1人では投げきれないだろう。どこかで必ず森田が必要になる。
準備を頼む
〇〇:はい!
監:大谷は明日、レフトで出場して貰うつもりだ
明日はバッティングで活躍してくれ
大:はい!
監:相手もここに全力を注いでくるだろう
どちらが強いのか。見せつける時だな
拓:はい!
監:森田だけこの後残ってくれ
〇〇:俺だけですか?
監:そうだ
〇〇:わかりました。
大:何話してるんですかね
拓:なんだろうな
九条:明日のことかな
監:復帰して調子はどうだ
〇〇:いいですよ!先発でも良かったくらいです
監:本音は?
〇〇:!?
監:俺はお前の本当の気持ちを知りたい
〇〇:………
正直言うと、怖いです
また打たれるんじゃないかって
監:そうか…
でもよかった
〇〇:えっ!
監:あの甲子園の決勝、俺は1年のお前に背負わせ過ぎたと思っている。
〇〇:………
監:でも、後悔はしていない
〇〇:!?
監:森田のピッチングは正にチームを鼓舞するピッチングだった
言わば、
"エース"
〇〇:!?
監:森田はまだ1年、これからどんどん成長するだろう。苦しいこともあるはずだ。
しかし、森田なら乗り越えられると思っている
"ミットに向かって信じて投げる"
これは当たり前のように感じるかもしれないが、
俺はそうは思わない。
なんなら一番難しいと思う
誰だって不安になるし、自分の我を通したい時だってある
でも、お前はそれを自然とやっている
凄いことだ。
〇〇:………
でも、結局は信じれませんでした
信じてたら打たれなかったかもしれない
監:でも、逆も言える
自分を信じたら打ち取れることも
そこが野球の面白いところじゃないのか?
〇〇:!?
監:まだ知らないことがたくさん出てくる
それは勉強だと思え
学んだことを1つずつ吸収していけ
そして俺の想像を遥かに超えていってくれ
次はお前にエースナンバーを渡せる時が来ることを願っている。
明日、お前の入学してからここまでの成長を俺に見せてくれ
〇〇:はい!
ありがとうございました!
失礼します
麻:凪高相手に〇〇君のピッチングがどれだけ通用するか。楽しみですね
監:あぁ、楽しみだ
〇〇:両親からの言葉、監督からの言葉…
やれることをやるだけ
"目の前のバッターを打ち取る"
それだけでいい
拓:どうだった?
〇〇:あ、御幸先輩
最近どうだってことを聞かれました。
拓:それで?
〇〇:正直怖いですと伝えました。
拓:まぁな
俺も怖いよ
あの日の事は一生忘れないだろう
でも、試合は来る
負けたことを教訓にして頑張るしかないんじゃないかな
〇〇:そうですよね
拓:明日、投げてみるか
新球種?
〇〇:いや、やめておきます
甲子園後からの1試合目は現時点で自分がどこにいるのかを知りたいので
拓:そうか…
それは良かった
これで投げますって言ってたら殴ってたかも
〇〇:へぇ?
拓:俺は公式戦では使わないって前に言ってたし
〇〇:じゃあ何で訊いたんですか
拓:お前を試したんだよ
自分を理解しているのかを
〇〇:やっぱり御幸先輩怖いですわ
拓:そうか?
〇〇:みんな言ってますよ
キャプテンになってから人格変わったって…
拓:マジ?
〇〇:マジ!
拓:…………
〇〇:嘘ですよ!
拓:!?
〇〇:俺も試してみました
どんな顔をするのか
拓:お前!俺を何だと思ってんだよ
〇〇:ただのキャプテン。
そして、
"俺が認めてもらいたい相手"
ですかね
拓:!?
〇〇:じゃあおやすみなさい!
拓:ったく…
俺も負けてられないな
監:おはよう!
全員:おはようございます!
監:今日の相手は強豪だ
お前たちの力が試される
全員:はい!
監:相手は、今日が初戦だ。
初回にどれだけ点を取れるかだな
全員で勝とう!
全員:しゃぁああああああああ
青島野球場
観客:今日は雷道が青島、神城が浦島
どっち行くか迷ったわ
俺もだよ!
でも、こっちだよな
甲子園出場同士校の対戦。
こんなに熱い試合はないよな
だよな!
にしてもこの観客数…
2回戦にして満員になるんじゃないのか?
そして、偵察もいるしとスカウトも沢山いるな
それだけ注目されてるんだな
拓:さぁいこうぉ!
全員:しゃぁああああああ!
観客:雷道が来た!
パチパチ👏
拓:まずはノックから
全員:はい!
監:カン!
西:バシッ、シュッ
監:カン!
春:バシッ、シュッ
観客:流石に上手いな
当たり前にあれができるチームは強いよ。
凪高ナ:俺たちも甲子園出たけど当たらなかったもんな
しかも、同じ藤巻に負けたしね
でも、雷道はあの藤巻に延長まで行ったんだから
そのピッチャーが2人残ってるんだもんな
先発誰で来るか?
森田かな
山沢:誰で来ようと俺たちなら打てるさ
美馬:俺たちの足なら掻き回せる
凪ナ:そうだな
それにアイツも戻ってきたし。
天宮:ふー
雷道どんなもんかな…
楽しませてくれよ
雷道高校
1番、遊、西野疾風
2番、中、高津真一郎
3番、二、町田春一
4番、捕、御幸拓也
5番、右、橋本静哉
6番、左、大谷健吾
7番、一、小笠原世那
8番、三、村上和真
9番、投、九条幸四郎
監督、片岡剛喜
記録員、若月佑美
凪高校
1番、二、澤匠
2番、左、内田歩夢
3番、一、山沢秀明
4番、中、美馬宗一郎
5番、遊、松川聖一
6番、捕、岡頼威
7番、三、角涼夜
8番、右、高島祐樹
9番、投、天宮光聖
監督、山田博満
記録員、柴田柚菜
美馬:先発は、九条
見たことない投手だ
森田じゃないのか
山沢:敢えて情報が少ない投手を出してきたかもな
西:相手は天宮か…
拓:甲子園怪我して出てなかったもんな
こいつが凪高のエースだもんな
それを当てるマネージャー陣流石だな
遥香:さくちゃん凄い
相手の投手当てたね
さくら:こういう分析は得意なんですよね
昔からよく人を観察してたからかもしれません
美月:知らなかった
佑美:監督、予想通りでしたね
監:あぁ
御幸!
拓:はい!
監:アレをやれ
拓:!?
集合!
円陣やるぞ
雷道ナ:!?
観客:おぉ!?
まさか見れるのか
新チーム初の円陣!
雷道ナインは円陣を組む
拓:俺たちは王者なんかじゃないよな?
雷道ナ:!?
拓:それは前の先輩達
俺達は
"挑戦者だ"
雷道ナ:ニヤッ
おぉぉ!!!!!
拓:俺達は誰だ!
雷道ナ:雷道ぉ!!!
拓:誰よりもバットを振ったのは!
雷道ナ:雷道ぉ!!!
拓:どこよりも野球に励んだのは!
雷道ナ:雷道ぉ!!!
拓:戦う準備はできているか!
雷道ナ:オーーーー!!!
拓:勝って次に進むのは俺たちだ!
いくぞぉ!!!
雷道ナ:しゃぁああああああああああ!
観客:パチパチ👏
雷道はここを勝って準々決勝へと進めるのか
熱い戦いが今始まる
To be continued…
おまけ…
史:明日〇〇が投げるんだって!
史母:そうなのね
史:でも、先発じゃないからって言ってた
史母:でも、見るんでしょ?
史:勿論!
出るなら見ないと
史母:甲子園後から初めて投げるのよね?
史:そうなんだよね
それが心配…
史母:エール送っといたら?
史:なんて?
史母:"あなたの可愛い彼女"からって笑
史:そんなの送れるわけないでしょ!
も〜ママったら
でも、送っとく
史L:明日頑張ってね!
宮城から応援してる
絶対勝つこと!
〇〇なら大丈夫!
よし!これでOK。
送信っと…
直接観たかったな
〇〇が投げる姿…
またカッコよくなってるんだろうなぁ
ふふ🤭
〇〇:お!
大丈夫か…
負けられないな
行ってくる!史緒里…
スタ…スタ…
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