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あのミットに向かって 特別編(帰省・恋愛編4)

史:じゃあママ行ってくるね
〇〇:行ってきます

史母:いってらっしゃい


史:〇〇に謝らないといけないことがあって

〇〇:えっ、何?
まさかもう飽きたとか?

史:まさかそんなことはない
大好きだもん

〇〇:直球で言われると照れるから…

史:カワイイ

〇〇:それでどうしたの?

史:甲子園の時に、梅と岩と少し話したじゃない?

〇〇:梅澤さんと岩本さんね

史:うん、その2人に付き合ったこと報告したの

〇〇:別に構わないよ

史:それで終わりじゃなくて
2人が〇〇と喋りたいって駄々こねてきて

今日、昼から参加するんだけどいい?

〇〇:史緒里の友達の人たちでしょ?
なら俺は構わないよ
最初は史緒里と2人だから…

史:〇〇ってそんなかっこよかったっけ?

〇〇:失礼だな
そういえば、どこ行くか決めた?

史:決めたよ
まずは水族館行きたい
その後、映画観る
それから2人が参加する事になってる

〇〇:楽しそうじゃん
早速行こうか?

史:うん!
手、繋ご?

〇〇:おっいいよ(あぶね、史緒里ってこんなに可愛かったっけ?)

史:なんで顔赤くなってるの?
もしかして手を繋ぐことが初めてとか?

〇〇:悪いかよ

史:いや、むしろ〇〇の初めてを貰えて嬉しい☺️

そして、水族館に着き、楽しんだ2人

史:イルカ可愛かったね

〇〇:そうだな
あのさ、ここでお揃いの何か買わない?

史:せっかくだしね?

〇〇:何にしようかな?

史:これとかどう?
Tシャツ、イルカの

〇〇:可愛いね
これならいつでも着れるし、寝巻きにでもしようかな

史:じゃあ、私もそうしよ

〇〇:ちょっとそれ貸して

史:ん?どうしたの?

〇〇:俺からプレゼントさせて
次、いつプレゼントできるかわからないから

史:えっ!そんなこといいよ

〇〇:いいからいいから

会計して…

〇〇:はいどうぞ

史:あ、ありがとう

〇〇:プレゼントって本当は彼女に合うものないかなぁって1人で探して、それをあげるのがいいんだけどね〜

何か史緒里浮かない顔してるね

史:んん、うれしいんだけど私ばっかりな気がして

〇〇:なにが?

史:嬉しい言葉もらったり、ハグしてくれたり、こうやってプレゼントもらったり
私、何も〇〇に出来てない…

史緒里は俯いて話していた

〇〇:史緒里顔あげて!

顔を上げた瞬間

ムニュ

〇〇は史緒里のほっぺたを摘んだ

史:にゃにするの

〇〇:俯いたら可愛い顔が台無しだよ
俺の前では可愛い史緒里でいて

ほっぺ柔らかいな
ムニュムニュ

史:にゃめて〜

〇〇:飲み物飲みたくなったからスタバ行こっ!
何かスタバで奢ってよ
俺はそれでいいよ?

史:満足は出来ないけど私も飲みたいし
行こっ!

俺はエスプレッソアフォガード、史緒里は抹茶フラペチーノを頼んだ

〇〇:うまっ!

史:美味しいね
〇〇のも飲ませて!エヘッ

〇〇:いやだろ?人が飲んだ後のやつ

史:〇〇のならいいの!
私のもはい!

〇〇:(こいつ間接キスなの忘れてるだろ)
(俺はこれを飲むのか?)

史:もしかして抹茶苦手?

〇〇:いや、違うんだけど
人のを飲むのが抵抗あるというか
捕まるんじゃないかなって

史:何言ってんの?
それで捕まるなら1億2000万人全員捕まるよ

〇〇:それはそうだな

史:早く飲みなよ

〇〇:ゴクッ
うん、美味しい

史:次は映画観にいくよ

〇〇:何観るの?

史:個人的で申し訳ないんだけどアニメが好きで
宮城が舞台の「ハイキュー」でもいい?

〇〇:知らないから教えてよ

史:うん!教えるね

そこから映画館までハイキューの熱意をこれでもかと語っていた

〇〇:すごい面白そうだね

史:感想教えてね

〇〇:わかった

映画館でチケットを買っていると…

史緒里?

史:ん?
あ、蓮加!?

岩:何してるの?
もしかして、横にいるの〇〇君?

〇〇:そうです。甲子園で少し話しましたよね

岩:覚えてるの?

〇〇:覚えてますよ。もう1人いたよね?
梅澤さんでしたっけ?

岩:梅もいるよ
梅〜

梅:ん?蓮加どうしたの?

岩:来てよ、〇〇君と史緒里いるよ

梅:え!早めに会っちゃったね

史:そうだね
私達はこれからハイキュー観るの

岩:偶然だね私達もハイキュー観るの!

梅:私は蓮加の付き添い

岩:もしかして〇〇君もハイキュー好きなの?

〇〇:初めて観ます
さっき、史緒里からハイキューを熱弁されてここにいます

梅:ごめんね、史緒里は熱弁すると視野が狭くなるから

〇〇:何処かで止めないとですね

史:なら一緒に観ようよ

岩:いいよ
〇〇君はそれでもいいの?
史緒里と2人で観なくていい?

〇〇:折角なので一緒に観ましょう

梅:ごめんね

〇〇:さっきまで史緒里とは楽しんだので
帰るわけではないですし、

梅:〇〇ってこんな性格イケメンだったっけ?

〇〇:失礼だな

史:かっこいいでしょ?

梅:向こうの学校で告白されたりしないの?

史:!!
(どうなんだろ?怖くて聞けなかった)

〇〇:ないですね…
バカすぎて見向きもされないです

梅:そこは昔と変わらないんだ

〇〇:どうしようもないくらいに
この前のテストもギリギリでした

梅:そこが〇〇の弱点か…

岩:ねぇ、もうすぐ始まるよ

史:行こうか?

〇〇:そうだね


そして、ハイキューを見終わった

史:はぁ、面白かった!
少し泣いちゃった!

岩:私も

史:〇〇はどうだった?

〇〇:面白かったよ
主人公好きかも
日向だっけ?

史:翔陽ね
いいよね
わたしは、田中さんが好き
男って感じ

岩ウチは、ツッキー
もう最高!
黒尾との掛け合い良かった

梅:私は誰かな?
研磨君、可愛いって思っちゃった

史:いいよね
全員好き!

話は止まらなかった

史:このままいつものファミレス行こうよ

梅:そうだね

〇〇:そんなに行ってるんだ

岩:1週間に1回は行ってるかも
もしかしたらそれ以上

〇〇:すごいね、よくそこまで話すことあるよね?

梅:女子をなめないで
女の子はいくらでも話すことあるんだよ
〇〇のことも話した事あるよ

〇〇:何かいい話ではなさそうだな

岩:悪口なんて言わないよ
だってほとんど史緒里が話してるから私達は聞いてるだけだから

史:ごめんね

〇〇:嬉しいよ
でも、よくそんなに俺の話があるよね?

史:好きな人ならいくらでもあるよ

梅:あぁやめてよ
惚気話は
私達が悲しくなる
ねぇ蓮加?

岩:いや〜

蓮加は〇〇の顔をずっと見ていた

梅:ダメだよ蓮加
史緒里の彼氏を奪っちゃ

史:いくら蓮加でも許さないよ

岩:〇〇君の顔かわいいね

〇〇:!!
やめて下さい

俺には史緒里がいるので

岩:茶化しがいがあるね

梅:やめなさい コツっ

それからは4人で楽しく話した

岩:またね〇〇君!

梅:楽しかったよ〇〇

〇〇:俺も楽しかったです。ありがとうございました
史緒里帰ろうか?

史:うん、帰ろ!


2人は最後まで話が止まりませんでしたとさ


ガチャ
史:ママただいま〜

史母:あら、おかえり

〇〇:史緒里またな!今日はありがとう!
いい休みになったよ
次は年末かな

史:寂しくなる…

〇〇:試合観に来いよ
成長した姿を見せるからさ
史緒里ママも見に来て下さいね

史母:見に行くわ
その代わり勝ってね

〇〇:必ず!

〇〇:史緒里ちょっと来て

スタスタスタスタ…

ギュッ

史:!?

〇〇:今日はありがとう
超楽しかった!帰省して正解だったよ
俺はもう誰にも負けないから

史:コクッ
私もこの2日間楽しかった
〇〇の彼女になれてよかったよ
ありがとう😭

〇〇:泣き虫さんだなぁ
明日12時の電車で向こうに帰るんだけどさ、
その前にキャッチボールしない?

史:えっいいけど

〇〇:明日、いつもの公園に11時集合で
グローブ持ってこいよ
じゃあ明日な〜

史:うん!また明日〜バイバイ👋


〇〇:ただいまっちゃ!

◯母:おかえり〜
どうだった?

〇〇:楽しかったよ
帰省するのもいいね

◯母:そうでしょ?
次は年末年始かな?

〇〇:そうだね
で、明日12時の電車に乗るんだけどその前に史緒里とキャッチボールしてから帰ることにした

◯母:いいわね〜
愛のキャッチボールですか?

〇〇:なわけあるか!

◯母:もう照れちゃって〜

〇〇:あぁ面倒くせ〜
2階行くわ

◯母:はーい
後で風呂には入るのよ〜

〇〇は自分の部屋に戻った

〇〇:疲れた〜
ボフッ

(向こう帰ってからやる事沢山あるなぁ
次は何の大会かなぁ?すぐ来るって言ってたし
背番号も変わるだろうし、もう先輩はいないのか
色々と………)

〇〇は夢の中へとはいっていったのだった

◯母:〇〇〜起きなさい!
もう時間よ〜

〇〇:う〜ムニャムニャ

◯母:史緒里ちゃんに怒られるわよ

〇〇:バサっ!

◯母:どれだけ史緒里ちゃんに怒られたく無いのよ

〇〇:昔殺されかけたから

◯父:おはよう!俺もあったなそんな事

〇〇:お父さんもお母さんには勝てないからね

◯父:ヤンキーより怖いからね

◯母:何か言った?

◯父:いや、何も言っておりません。

◯母:そうよね!◯父さんが言うわけないもんね

◯父:そうだよ

〇〇:あ、完全に尻に轢かれてるわ

◯母:早く食べなさい。食べたら行くわよ

〇〇:はーい
パクパクパクパク
ご馳走様でした!

◯母:これお弁当

〇〇:マジで!?
ありがとう!

そして、

史:おはよう!

〇〇:おはよう
時間もないから早速やろうか

◯母:あら、史緒里ママおはようございます

史母:〇〇君のママパパ、おはようございます〜

◯父:おはようございます

◯母:〇〇が昨日はお世話になりました〜

史母:いや、いつも〇〇君には楽しませてもらってますから
史緒里には勿体無い子ですよ

◯母:あんなに〇〇を手なづけられる子も史緒里ちゃんくらいですよ

〇〇:何かまた喋ってるわ
シュッ

史:そうだね、どうせ変なことでも言ってるよ
バシッ、シュッ

〇〇:4日間あっという間だったわ
バシッ、シュッ

史:楽しかったなぁ
バシッ、シュッ

◯母:史緒里ちゃん、キャッチボール上手よね
伊達に小さい頃から〇〇の球を捕らされるだけあるわ

◯父:野球選手なれたんじゃないですか?
中学でも有名で声もかけられた筈なのに…

史母:史緒里本人は見てるだけで満足らしいのよね

◯母:勿体無いね
◯父:史緒里ちゃんが決めたことだからね

史母:でも、少し未練はあったのかなって偶に思うことがあるんです

◯母:それはどうしてですか?

史母:〇〇君とキャッチボールしてる時イキイキしてるんですよね
まだ部屋にグラブとボールを見えるところに置いていますし

◯母:小さい頃からずっと〇〇と野球をしてきた仲ですからね。それがいきなりやらなくなると心配しますよ
でも、前に史緒里ちゃんに聞いたことがあるんです。「まだ野球したかった?」って

そしたら「未練はないです」って言ったんです。

史母:!?

◯母:どうして?って聞いたら

史:私は〇〇のボールが捕れれば、それだけでいいんです。私が〇〇の野球人生を1番近くで見たいと思ったので

◯母:と言われました。
こんなに〇〇を大事にしてくれる子がいる事に涙が出そうになりましたよ

史母:良かったです。
次の目標を決めているのなら
(前からずっとそう決めてたんだね史緒里)
今が、1番楽しそうですもん!

◯母:〇〇もですよ!

2人:ふふふ

〇〇:史緒里、体温まったから座って

史:えっ!キャッチャーなんて久しぶりだから捕れる気しないよ

〇〇:史緒里なら大丈夫だよ

史:何の根拠を持って言ってんのよ

〇〇:じゃあ捕れないんだ〜

史:💢
あんたのボールなんか"簡単に"捕れるに決まってるでしょ

〇〇:簡単にとは何だ!

◯母:ホントお似合い!
史母:そうですね

〇〇:じゃあいくぞ!
真っ直ぐ!

ザーッ
(体重移動を意識)
ドン
(強く踏み込む)
ギュッ
(グラブを潰す)

腕を強く振る!
ンァ

ギューーーン!!

ズバン!!

〇〇:やっぱり捕れるじゃねーか

史:少しは手加減しなさいよ!もう
(入学前とは比べ物にならない程、成長してる)

〇〇:次、真カットボール改!

史:何球投げんのよ

〇〇:後、これ入れて2球だから

史:はぁ

◯母:ごめんね〜

史:いつもの事なんで

〇〇:クロスステップからの指先一点集中、ココ!

ビューー

ギュン!

スパーン!

〇〇:すげ〜な!
改良して初だぞ!

史:少しミットは流されたけどまぁ予想はできてたから捕れたね

〇〇:最後!スリーシーム

史:少し上に変化するって言ってたよね…

同じフォームで同じ球速…
これも一種のムービングかも

〇〇:俺にも威厳てものがあるからな ニヤ

史:ゾク
この感じ…

〇〇:ザーッ(脚を高く上げ)
真っ直ぐと同じ様に
指先一点集中
最後中指で強く押し出す!

ンァ!!

ビューーー

史:失敗かな?

グイ

史:!?
パァーン(弾く音)

(何この球?)

史緒里は動揺を隠せなかった
史緒里は今まで〇〇の球を捕っていたが、弾いたのは初めてだった

史:途中まで完全にストレートだった
でも、打者の手元で左上に跳ね上がった

まさかここまでとは…

〇〇:どうよ!

史:びっくりした!
でも、楽しい!

そして、時間が来た

〇〇:史緒里またな!

史:うん!またね

◯母:気をつけるのよ
後、連絡はする事!

〇〇:はいよ〜


〇〇はまた次の試合に向けて走り出す
もう負けない!ただそれだけを胸に秘めて

To be continued…

次回から新シーズン
3年生たちが抜け、1・2年生の代が来た
秋大会がすぐそこに
新主将も明らかに
様々な出来事が起き始める…

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