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あのミットに向かって2nd 2話(62話)

浦島市民会館

司会者:今から秋季東京都大会予選の抽選会を始めます。
その前に我が地区である雷道高等学校が夏の全国高等学校野球選手権大会で準優勝されました。
皆さんで大きな拍手を

パチパチ👏

御幸は礼をする

それでは始めます。
今大会、西と東を合わせた264校が出場します
予選が9月
本戦が10月、11月に行われます
優勝校は明治神宮野球大会、センバツ春の甲子園大会の出場が決まります

皆さんの熱い戦いを期待します

まずは神城実業高等学校

スタスタ…

これで

各々引いていき、終了した

拓:ただいま戻りました。

西:どうだった?

拓:予選だからな
強豪とは本戦で

西:まぁな

拓:それよりも練習
俺たちもウカウカしてられないからな

西:そうだな

熾烈なのは3年生が抜けたポジション。
ファースト、セカンド、サード、レフト、センター

誰が名乗りを上げるか

そして、あの2人のいない投手

拓:問題はそこだな
2人がいない中で誰が登板するのか

明らかに打線が前より落ちる
そこでどれだけ点を取れるか

西:だな

お前は誰が登板すると思う?

拓:流石にアイツだろ

九条幸四郎

西:まぁそうなるだろ
でもアイツ、気が弱いからな

拓:それは俺たちがどうにかするしかない

ちょっとブルペン行ってくる

西:おう!俺も打力強化しないとな

ブルペン場

九条:シュッ

バシン

小野:ナイスボール幸四郎

九条:ありがとう

シュッ
バシン

拓:調子良さそうだな小野

小野:今日は球が走っている
甲子園帰ってきてから熱が入った感じ

拓:2人いないから
アピールするには絶好だからな

九条:悔しかったからな
あの2人が甲子園でどんどん成長していくのを見てると

拓:その気持ちさえ持ってれば大丈夫だな
それであの2人は?

ぜぇ、ぜぇ

拓:!?

〇〇:ここにいますよ。はぁはぁ

大:僕もいます

拓:お…う
何してたんだ?

〇〇:ずっと走ってましたよ。はぁはぁ
あと、体幹

大:僕は〇〇のタイヤ奪って走ってました

〇〇:貸しただけだからな

拓:相変わらず仲良いな

〇・大:仲良くない!

拓:そろってんじゃねぇか

まぁ今のうちに体力つけとけ

2人ともすぐ怪我するヘタレだからな

〇・大:💢

〇〇:もう2度と怪我なんかしねぇ

大:僕も

〇〇:御幸拓也ぁぁぁぁぁぁあああああ!

大:九条先輩負けないですから

〇〇:復活したらすぐに奪いますからね

九条:お、おう…
(何か俺にまで被害来てるんだけど)


夜…

〇〇:御幸先輩!
後で話があるんで部屋行ってもいいですか?

拓:俺からもあるから風呂上がったら部屋に来い

大:自分も行っていいですか。自分も話したいことあるので

拓:まぁいいけど
(今日何かあったのか?)
(甲子園後、きちんと話すのは初めてだし、いい機会かもな)


〇〇:御幸先輩2人で来ました。

拓:入れ。

〇・大:失礼します!

拓:適当に座れ
ごめんな雅也

二宮:全然いいですよ

二宮雅也、〇〇や大谷と同じ1年の捕手だ

二宮:俺も聞きたかったですし。捕手として

拓:そうだな
それじゃ始めるか

まず2人に聞く

"甲子園という舞台はどうだった?"

〇〇:凄いところでした。どのチームも強くて一筋縄では勝てない。そして、あの暑さ。一点に対する執念はマウンドでも伝わってきました。

拓:大谷は?

大:チームを背負ってマウンドに立つことのプレッシャーとあの歓声…
今でも忘れられない
でも、今の自分では全く歯がたたないこともわかりました。

拓:俺もお前らと同じ気持ちだ
あの場所には悔しさしか残っていない
勝つことの難しさを学んだ

〇・大:………

拓:2人ともあの試合から整理はできたのか?

〇〇:俺も数日眠れませんでした
でも、帰省した際に親からの言葉で目が覚めました。あれからマウンドに立っていないので立った時にどうなるのかはわかりません

大:自分の未熟さがこの怪我につながりました。
前は向いています。が、隠さず話すと不安もあります。

拓:そうか…
ちなみに雅也はどう観てた?

二宮:勿論悔しさはありました。しかし、少しだけ喜んでる自分がいました。また競い合える。次こそは俺もあの舞台に立っていたいとそう思っていました。

拓:ほとんどの選手がそう思っているはずだ

甲子園準優勝というのはただの肩書きだ。そんなの何の役にもたたない。勝つことに意味がある。
他校は俺たちよりも始動が早い
という事は

〇〇:俺たちがうかれている暇はない

大:…………

拓:そういう事だな
やるべき事はわかっているな

〇・大:はい!

〇〇:球速UPに指先強化…

大:体力と体幹…

拓:それで話したいことって何だったんだ?

〇〇:変化球について

大:俺もです

拓・二宮:!?

〇〇:俺は幼馴染からチェンジアップ投げたらと言われました。

拓:(その人よく〇〇のこと知ってるな)
何故その幼馴染に言われた?

〇〇:俺って元々鷲掴みで投げてたじゃないですか
それってある意味チェンジアップなんじゃないかって
チェンジアップって磨けばいろんな変化する球なんでしょ?
それなら俺がそれを習得したらもっとタイミングを外せるんじゃないかって思ったんです。

拓:そうだな

〇〇:今俺の変化球は
ムービング、フォーシーム、真カット、真カット改、スリーシームの5種類。
全部速い変化球なんです。
そこにタイミングの外せる遅い変化球はないのかってところでヒントもらったんで試したいなと
しかも指への負担がない

拓:その考えはいいと思う。
でも、今はやめといた方がいい
最近変化球に目が行き過ぎだ
お前はそれよりも球速UPの方が優先だと思う 
〇〇の今の最速は良くて130km/h
チェンジアップというのは球速差を武器にする変化球だ。今の森田には勿体無い気がする。
その球はとっておこう。
球速UPしてからで遅くはないから
監督にもホテルで言われただろ?
変化球を生かすも殺すもストレート次第だと…

〇〇:わかりました。
でも、実戦で使わなくていいので感覚として投げるのはありですよね?

拓:それはいいけど、俺はうけない。
指導はするけどな
雅也お前が捕ってやれ
練習になる

二宮:わかりました。

拓:後、お前も捕手だ
沢山2人のを受けてやれ

二宮:ありがとうございます。

拓:そして、大谷はどんな変化球を思い描いている?

大:今、持ってる球種はストレート、縦スラ、スプリットの3つ。
空振りを取れる球種は持ってるけど振ってくれない打者に対して当てさせる変化球が欲しいです。

拓:そうだな…
なら小さい変化のカットボールはどうだ?
球速も落とさずに打者の芯を外す変化球
そこに投げてる奴もいるしな

大:そうですね
教えろ!

〇〇:何だその口の聞き方は💢
教えないぞ

大:なら球速UPのコツも教えない

〇〇:ウッ…

拓:一撃必殺だな

〇〇:わかったよ
教えるよ
でも俺の参考になるかわかんねぇからな

大:いいよ。自分で改良すればいいから
俺はお父さんから俺にあったやり方で教えてもらったから〇〇には無理かもね
でも、伝えはするよ

〇〇:これで成立だな

拓:でも、お前らまだ投球禁止中だからその後だな

〇〇:そうですね。
それまではポール間ダッシュでもしてますわ

拓:あと体幹な
お前もだからな

大:えっ…
嫌だなぁ
暑いもん

拓:ゴタゴタ言わずやれ!
また交代させられてもいいのか?

大:それは絶対にダメ

拓:ならやれよ
今日はこれでお終い
また明日な

〇〇:は〜い
健吾行くぞ

大:は〜い


二宮:あの2人仲良しですよね

拓:2人でここまで昇ってきたからな
俺もアイツらのためにやれる事はやりたい
そのために打線も打たないとな

二宮:そうですね
俺も置いていかれないよう頑張ります

拓:あの2人を頼むぞ

二宮:はい!

To be continued…

次回、秋大予選開幕
果たして本戦に駒を進められるのか

お楽しみに

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