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2024年4月の記事一覧
あのミットに向かって 5話
〇〇は帰りの電車で今日の出来事を振り返っていた。
〇〇:監督のあの言葉…
(監:うちには要らない)
〇〇:今の練習では来年の春迄に間に合わない。
何をするべきか?
基本からやり直すしかないよな
そう言えば、あのミット大きく感じたなぁ
初対面のボールを2球でアジャスト。
あの人凄いんだな
御幸拓也…
次はあのミットへ
〇〇:ただいマサカリ投法
◯母:おかえりなさい
まだそんなこと言ってん
あのミットに向かって 4話
俺は今、興奮している!
拓也さんに褒められ、魅せる筈のなかった球種まで披露しようとしていた。
〇〇:いきます。
このボールを投げる時は、イメージとして真ん中目掛けて投げること。しかし、最後指先に力を入れる為何球も投げることはできない。そこが欠点。
〇〇:あの人ならもしかしたら取ってくれるかもしれない。
"真カットボール"
拓:ストレートか?真ん中のぼー球か?いや、まさかな
拓:まじか…
あのミットに向かって 3話
俺は麻衣さんと電車に乗って雷道高校に向かっていた。
麻:緊張してる?
〇〇:少ししてますね
でもこれは嬉しい方の緊張だと思います。
早く見たいなと思ってます。
麻:うちの生徒を見るとびっくりすると思うわ
〇〇:(どんな人が居るんだろう)
〜数時間後〜
麻:着いたわよ。ここが雷道高校。
〇〇:でけ〜
グラウンド4つもあんのかよ!
麻:4つのうち2つは野球部用、残りは他の部活用だよ。
あのミットに向かって 2話
あの日、麻衣さんから名刺をもらって家に帰ってきた
〇〇:ただいま〜
◯母:おかえり
何処行ってたのー
〇〇:ちょっと河川敷歩いてた
お母さん、お父さんちょっと話がある。
◯父母:何?どうしたの?
〇〇:今日、河川敷歩いてたら俺をスカウトしに来たって言う人がいて、これ名刺。
◯父母:へぇーってこれ、あの雷道高校の人じゃない?
〇〇:そうらしいよ
◯母:そうらしいよ、じゃないわよ。
あのミットに向かって 1話
あの敗戦から1週間ほど経過しても〇〇はまだ立ち直れず、自宅近くの河川敷に来ていた
〇〇:何であそこであんなボールを投げた
〇〇:ミットに向かって自分の思いをぶつけて投げたつもりが…
あの時、体重もしっかり乗せれて投げられたと思うし、ミットも見えてたのに何でなんだよ!くそっ
麻:それはね、君のせいではないわよ
〇〇:あんた誰だよ。
麻:私は三吉麻衣(みよしまい)。雷道高校の野球部のスカウ
あのミットに向かって(プロローグ)
中学最後の試合
2ー2の9回ウラ2アウト、カウント2ストライク2ボールでランナー三塁。
俺の投げた渾身のボールは儚くもキャッチャーミットに届くことなく後ろのフェンスに当たり、サヨナラ負けを喫した。
俺はその場で崩れ落ち泣いた。
「ごめん、ごめんなさい・・・」
まわりのチームメイトからは「お前がいなかったらこのチームは1勝も出来なかった。お前のおかげで2勝もすることが出来た。ありがとう」
その試