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芸能界の知識ゼロだけどジャニーズ問題に関する素朴な疑問を3つにまとめてみた

ジャニー喜多川による少年たちへの性加害の事実がBBCによって報じられて以降、マスメディアの報道はジャニーズ一色になっている。BBCに言われてから大騒ぎになるという日本メディアの体たらくについては多くの人が批判している点なので今回はそこには触れない。
ジャニー喜多川という芸能界において絶大な力を持つ権力者が己の欲望のままに少年たちに性加害を加えていることを誰もが知っていたが誰も指摘出来ずに被害が拡大し続けた、という話のようなのだが芸能界に関する知識がゼロの僕には何がなんだかさっぱり分からないのである。

なんでそんなに権力があるのか?

一般の商売人である僕にはその理由が全く分からないのである。このnoteでは以下で僕が感じる素朴な疑問をただただ並べてみる。


テレビ局はなぜ芸能プロダクションごときに平身低頭なのか?

ジャニーズ事務所は芸能プロダクション、つまりマネジメント契約を結んだタレントを放送局に売り込んで出演料からマネジメント料を抜くビジネスモデルであって、いわばテレビ局にとってはエンタメ部門に出入りする仕入先の一つに過ぎないのではないか。なぜそこの社長にテレビ局側は頭が上がらないのか。
一般の商売では、仕入先の一つが絶大な影響力を持つということはほぼない。よほど独占的な財やサービスの提供を行っていればそういうこともあり得るのかもしれないがこの成熟した資本主義国でそんな話は滅多に聞かないし、事実芸能プロダクションというのは、例えばホリプロとか吉本興業とかなんちゃらとかかんちゃらとか、たくさんあるはずである(←本当に芸能界のことを何も知らないやつ)
ましてやテレビ局とは、日本全国津々浦々のお茶の間に映像を届けることを日本国総務省から許された超特権的事業者である。テレビ放送が開始して70年、新規参入すらないのである。いわば芸能プロダクション側から見ればテレビ局の一部門に過ぎないエンタメ部門に生殺与奪の権を握られているようなものだと思うのだが違うのだろうか。それだけ巨大な力を持つ放送局の一部門の仕入先の一つがなぜそこまで放送局全体に影響を及ぼしうるのか。その力関係が全く分からないのである。

テレビ報道はなぜ問題を指摘出来なかったのか?

放送局は放送法により、新聞雑誌のような私的な報道機関ではなく、ほぼほぼ公共機関と同様に規定されている。放送法には番組編集準則(4条1項)、番組基準制定義務(5条)、番組審議会設置義務(6条)、訂正放送義務(9条)、番組調和義務(106条)という、他の媒体では到底ありえない表現内容への規制が成されている。
日本国憲法は基本的人権として表現の自由を規定しているので上記のような規制は本来ありえないし、事実他媒体の報道機関にはそのような規制は一切為されていない。なぜテレビ局にだけそのような規制が許されるかというと、電波が物理的に希少なのに映像の持つ特殊な社会的影響力が強すぎるから変なデマ野郎に支配されたら社会が大変なことになるからだ、ということになっている。僕自身はこの規制の根拠は情報が瓦版や新聞しかなかった時代の名残に過ぎず不要だと思うがその思いは置いといて。
このようにテレビ局とは放送法上、公共物なのである。NHKだけが公共なのではなく民放も公共物なのである。一方ジャニーズ事務所が出入りしていたエンタメ部門は公共目的というよりはどちらかと言えば民放テレビ局にとっては収益の柱である。確かに収益の柱が倒れたら民間企業であるテレビ局の経営に影響が出るだろうが、そのような浮世の事情に左右されないために日本全国津々浦々のお茶の間に自由に映像を届ける権利、という超特権を与えられているわけである。つまりエンタメ部門の一仕入先に過ぎないジャニーズ事務所のジャニー喜多川が絶大な影響力を持っていたが故にテレビ報道は機能しなかった、という説明は到底納得し得るものではないのである。

芸能人はなぜ特定の芸能プロダクションにこだわるのか?

一般の商売人をやっていると「客を取られる」ということは日常茶飯事である。命を削る思いで商品の素晴らしさを訴えて信頼を勝ち得ても、あっさり価格で他社に負けたりする無慈悲な世界が商売である。だから新しいお客様と出会うために日々日々課題を見つけて一つ一つ潰して行かなければならない。その努力が競争力となってなんとか生きていけているのが普通の商売人ではないかと思う。
ところが芸能界にはそのような競合他社同士のせめぎあいを一切感じない、何か不気味な力学を感じるのである。
想像するに芸能プロダクションにも強み弱みがあると思うのだ。例えばテレビ局に出演をねじ込む力は強いけどタレントに対する待遇は悪いとか、逆に高待遇だけど仕事はあまり取れないとか。
詳しく知らないがジャニーズ事務所のタレントさんも、おそらくみな対外的にはジャニーズ"所属"という言い方をしているがあくまでマネジメント契約であって法的には個人事業主だと思う。雇用契約ではなくマネジメント契約である以上、例えば生存戦略として、待遇は悪いがテレビ局にねじ込む力は強い事務所で下積み時代を過ごして知名度とブランドを作り上げた後、その後待遇の良い事務所と契約を結んで収益を得るといった生存戦略もあるだろう。ジャニーズさんで鍛えられて今はホリプロさんにお世話になっていますとか!とか朗らかに言えたりするのが一般の民間企業である。民間企業で例えるのが悪ければ、同じ興業の世界のプロ野球はとっくにその領域に達している。広島の金本が阪神に移籍して活躍したからってプロ野球界を干されたりはしないのである。そういう朗らかな話題が一切ないのが芸能界である。なぜこういう世界が出来上がるのか。僕には全然分からない。誰かに教えて欲しい🐶



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