活動休止

こないだとある人に
「もうね、君、心が壊れてるよ。」
と言われた。
文面だけ見たらめっちゃ面白いんやけど、それを言ってもらった時
なんかめっちゃ安心したのよ。

「あーん。そっか。そうかもなぁ。」
って、普通に思った。

世の中には責任とか信用って考え方がある。
で、
「それを守らないとめっちゃえらい目にあうよ。大変だよ絶対それだけは守らなきゃダメ死んでも。」
って、ちっちゃい時から教わって生きてきた。
思い返せば
「女の子の髪型変わったら気づいて褒めなさい。」
とかよりもっと前に教わったことだからこれは相当大事なことなんだなと思う。ほんと。

で、ぶっちゃけた話俺は誰かが思う責任とか信用とかを
「守らなきゃダメ約束だし」
っていう理由だけで守れるような人間じゃなくて
めっちゃひどい時とか、「いいメロディ思いついたから。」
とかそういう理由でバイト休んだり友達との約束ドタキャンしたりするような人間で、それで曲書くならまだしも結局ごめんなさいの連絡入れてる最中にメロディなんか消滅しちゃってて、ヘラヘラしながら一日が終わっていく。
みたいな人間だもんで。

でも罪悪感はもっちゃうのよ。
守れなかった約束に。
約束破ったあととか死ぬほど凹むわけ。
だからダメなんだ、、、って。
アホでしかない。
じゃあ守れって話。ほんまにそれだけの話やねんけど
信用とか責任という概念にはものすごく縛られてて、だからこそ逆に過剰に反応してしまってめっちゃくちゃしんどい。
ズタボロになりながら(自業自得)
「こ、、、これも、、、きょ、、、曲に、、、」
とか言いながらギターとペン持ってるようなどうしようもない人間で
(全て音楽に昇華すれば許してもらえるだろうという魂胆が見え隠れする文章で非常によろしくないですねぇ)
とかふざけて書いてるけれど
俺にとっては音楽に通ずる道が少しでも開けるのであればそれは「生きる」ことに通ずる道とほとんどイコールで、それを渇望しながら日々生きてる。
正直、音楽以外のことをするべきじゃない人間で、全ての興味や活動を結局音楽に帰結させてしまう。
これはある人からみたら言い訳なんだろうけれど、自分のロジックでは何よりも大切なことで、この感覚を万人と分かち合うのは不可能だということはもう身を以て知っている。

俺のロジックは俺のロジック。
世の中は世の中のロジックで動いている。
だから、世の中のロジックには従った方が円滑に生きれる。
世の中のロジックからはみ出た自分のロジックに自分の生き方があるけれど、それを遂行すればするほど世の中に順応するのは難しくなっていくから、世の中のロジックに内包された自分のロジックで戦っていくのが得策だとある時から気づくわけ。
自分を守れば世の中とは解離する。
世の中を守れば自分が見えなくなる。
わかりあいたくて、分かち合いたくて鳴らしたいものがあって
それを突き詰めれば自分と自分の感覚に近い人間の満足度と反比例して世の中の満足度が下がってゆく。
本当を探したら分母は減っていくけれど
分母を増やせば本当は薄まっていく。

バンドの活動休止に関しても
見方によっては責任放棄。
そしてその部分に関しては非常に強い罪悪感が実際心の真ん中にある。
でも、こうも思う。
自分の表現や音楽を自分でももっと知ってみたい。
知らない自分の可能性の萌芽をちゃんと花開かせてみたい。

ずーっとずっと。なんか気がついたらそんな葛藤ばかりやったように思う。
自分の全てを曝け出してみんながそれを愛してくれる保証なんてどこにもないし、今まで続けてきたことを守ってゆくということへのパワーを注ぎ続けられない人のいうことなんか全然それこそ信用も責任も感じないかもしれない。

だけど、人生は一度きり。

馬鹿みたいな言い回しで辟易するけど、本当に、そう。

一度きりの人生一つのことやり抜くかっこよさとか痺れる。
バリカッケーと思う。
けど、広い意味でみんな一度きりの人生、自分という役割をやり抜くわけだよな。なんて思ったり。

で、冒頭。
俺に「心が壊れてるよ。」と言い放った人はなぜそう言ったかというと

あなたにとってこれだけは大切ってもの、全部教えて?
って言われた時
俺、まじで何にも言えなかったのよ。
いや、そこバンドって言わんかーい。ってところやねんけど
自分の命ですら別に大事とか思えなくなってて
俺もこういう性分なもんで、メソメソしたくないしジメジメしたくないし
で、いい歳こいてるんやから自分の感情くらい自分で処理して?
とか思ってるので
悩みがどうとか、そういうことを表に本当の心で曝け出すのがまるで恥ずかしくて。
で、結局自分の中からでてるいろんなSOSも視界の隅にいれる程度で
ほとんど無視してた。
「表現者やのになんも言われへんってどういうこと?」
ってその人に言われて初めて
「ははーん。俺、やばいやん。」
って思えたのよね。その人その日初めて会ったおっちゃんやねんけど、はっきりもの言い過ぎやろ。最高か。

で、これはBrian the Sunがしんどいとかそういう話じゃ全くなくて
めっちゃ変な言い方すると
意識の外側から「お前もうちょいやることあるんちゃうん?」
って言われてる感覚に近いねんけど、これもわからん人には多分人生全部かけて説明しても伝わらへんやろなと思う。
別に特定の宗教は信仰してない。

活休する理由はそれだけなんか?
って言われたら全然それだけじゃないし、俺だけの都合で活動休止できる話でも実際問題ないので、いろんな人のいろんな思いとそれを総合した結果なのだけれど。

俺はメンバーにも似たようなことが言えると思ってて
全員、Brian the Sunのために青春も20代もフルで捧げてやってきた。
骨の芯まで染み込んでるわけ。
自分という人間の潜在的な能力をぜーんぶBrian the Sunに捧げてきた。
これはもう覚悟でしかないし、みんなそこに関してはなんも疑ってなかったと思う。
前向きがどうとかそういうのはわからんけど、みんな一人の人間としての生き方を築いてゆく必要に迫られてると思う。
その形が全員音楽である必要なんか全くないと思うし、俺はメンバーの魂がもっと色濃くくっきりと世の中に生命力をもって存在できるなら、それが一番いいと思う。
そしてそういうやつの奏でる音楽は絶対にかっこいいと思う。

バンドが止まることで悲しむ人は絶対におるよなぁ。ということはメンバーも重々承知の上でこういう決断を出させてもらったけれど、それは本当に贅沢なことでありがたいことやと思う。
一人一人これから、Brian the Sunとしてじゃなく、一人の男として勝負しに出かけるってことやんなぁー。
みんなどんな顔つきになって戻ってくるやろか。
どんな新しい必殺技覚えて帰ってくるんやろか。
で、みんなしばらくは自分のことしか考える余裕ないやろな。
それはそんだけ真剣やってことやから、それもそれで楽しみやな。

駿汰はゴリラやねんけどな、、、