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明日香村と王子動物園

耳成山、畝傍山、天香久山の大和三山を眺める甘樫丘(あまかしのおか)は飛鳥の中心にある標高148mの緩やかな丘です。蘇我蝦夷と入鹿親子が築いた邸宅(宮殿?)があったところで、彼らが絶頂を極め、滅亡にむかう古代史の舞台。激しい権力闘争の場、明日香村はのどかな田園地帯です。

甘樫丘展望台の桜

甘樫丘は思っていたより、細長く広い。万葉集、古事記、日本書紀にうたわれた40種の万葉植物が植えられている全長2.3kmの植物園路を散策。そして石舞台古墳へ向かう。ここは蘇我馬子の墓ではないか、と考えられている。蝦夷の父、入鹿の祖父。蘇我氏の盛衰については黒岩重吾の『落日の王子 蘇我入鹿』(1982年 文藝春秋)が抜群におもしろかったのを覚えている。

石舞台古墳の桜

で、話は古代史の飛鳥から、一転して現代の神戸へ。神戸市立王子動物園で長年飼育され、みんなに愛されてきたパンダのタンタン。3月末に28歳で亡くなりました。日本国内で最高齢、人間で言えば100歳近い高齢だったそうです。中国に返還される予定が、コロナ禍で延び延びに。

王子動物園の桜

そのうちに老衰で身体が弱り、1年ほど前から姿を見られなくなっていた。でもその動静はニュースでよく流れていました。よく頑張ってくれたと思います。1928年に開園した諏訪山動物園を前身とし、1951年に現在地に移転してできた王子動物園。神戸の子どもたちの成長を見守ってくれました。

動物園内の桜並木

ところが神戸市の王子公園再整備計画が発表されました。動物園や関西学生アメフトの聖地・王子スタジアムなども含めた公園全体をリニューアルする大規模な計画です。老朽化した施設の整備。土地利用の効率化。時代とともに変化するのは世の常だけど、願わくは市民がより楽しめる空間に!


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