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包み込んでくれるような感じ

「あなた、ここでお店やる方? 飲食店? この辺りじゃ、1年持てばいい方ね。何やるの? パクチー? せいぜい頑張ってね」

14年経っても忘れないこの言葉は、パクチーハウス東京の工事現場を見上げているとき、通りすがりの女性にかけられた言葉。厳しい現実を伝えてくれたのだろうが、見ず知らずの僕に、なぜそんな言い方をする必要があるのだろう。

初めて起業して、バイトもしたこともない飲食店を始めようとする僕にこの言葉は重くのしかかった。結果としてこの言葉は当たらなかったどころか、大きく外れたのだが・・・。

パクチー銀行の週末営業をするため、1泊2日で鋸南へ行ってきた。
もともと来ると言ってくれていた友人が数人、鋸南の知人やボランティアグループの方々、そして鋸山を越えてきた人、水仙ロードを訪れた人など。2日で40人超。そして、話だけ聞きにきた人も10人以上。時間によっては一人でやる限界だった(超えていたw)。

なぜ14年前の言葉を思い出したかというと・・・。

鋸南に住む方々が、口々に、喜びを表明してくれたからだ。新しい店ができた喜びをストレートに表現してくれた。そして、雰囲気なり、場所なり、メニューなり、そこにたまたまいるお客さんの表情だったりを取り上げて、「なんだか、とってもうまくいきそう」「間違いなくいい場所になるわね」との言葉を残してくれたからだ。

経堂でかけられた言葉と正反対なので、逆に思い出してしまった(笑)。

鋸南に縁もゆかりもないぼくが、2年半前、鋸南に物件を借りて事業を営なもうと決めた理由は、多くの人が挨拶をしてくれるだけでなく、優しい言葉をかけてくれたからだった。周りの自然と同様、包み込んでくれるような感じ。

この町をいい場所にするために、頑張ろうと強く思った。いや、ホントにいいところです鋸南町。


パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。 鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。