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鋸山を一度で味わい尽くしたい人のための超オススメルート(2/2)

今回紹介するルート
日本寺北口10分ラピュタの壁20分岩舞台20分切通し20分新展望台20分山頂15分東の肩15分鋸山照前展望台10分林道口60分汐止橋5分保田駅
*所要時間は見学・休憩時間を含んでいます

前半(保田駅〜日本寺にほんじ北口)はこちらをどうぞ。

日本寺を出て、鋸山の稜線を歩くのが至高

日本寺北口からラピュタの壁

北口を出て階段を少し下ると、左手に「ラピュタの壁」と言われる、最大垂直面96mの絶壁があります。高所恐怖症の人にはツラいかも・・・。でも頑張って柵のところまで行ってほしいです。人間が、これを切り出したんですね・・・。

ラピュタの壁から岩舞台へ

10分もあればラピュタの壁から岩舞台へ到達します。途中、ちょっと前に訪れた地獄覗きが見えます。はるか上に・・・。そんなに降ってきたのかと、驚くことでしょう。これから行く山頂は、もちろん、地獄覗きより高いところにありますけどね・・・。このルートは、あまり見たことのないであろう風景が連続します。お楽しみに。

岩舞台は石切場の周囲が開けていて、まさに「舞台」という名にふさわしい場所です。実際、ここで音楽のコンサートが行われたことがあるそうです。その証拠に、その時観客が座ったであろうパイプ椅子が打ち捨てられています。おいおい。ゴミは必ず持ち帰りましょう。

その他、ここには石切りに利用していた工作機械がそのまま残されています。

岩舞台から切通しへ

舞台を降りて東へどうぞ。苔がとても印象的なエリアです。途中、まるでどこかのマンションのような巨大な壁面が圧倒する石切場を通りす。そして、石の回廊に到着します。足元の水たまりには、オレンジ色の「ぬし」がいます。

ベンチもあるので少し休憩すると良いでしょう。この先、今回紹介するルートで最もきついポイントに至りますので・・・。

最もハードなポイント

新展望台の手前は、階段を一気に登ります。一段一段かなり高い・・・。ここで立ち往生している方をよく見かけます。降りるのもちょっと怖いような角度で、登る人も降る人も、譲り合っています。雨の日や、直前に雨が降ったときは滑りやすいのでご注意ください。

山頂方面との分岐があるところを右へ。さらに50m進むと、地球が丸く見える新展望台です。ここは休憩する人多し。保田側も金谷側もよく見えますし、富士山が見える絶景ポイントです。

ここで飲むシャンパンはうまいですよ。リュックにしのばせておくことをオススメします。

ハードな登りと絶景の中の休憩で、大満足する人も少なくありません。ここから山頂までは東へ400メートル。「もうやめとこうか」という声を何度も聞いたことがあります。

山頂へ

「山頂ってここより景色いいんですか?」
新展望台でよく聞かれる質問です。すでに風景に満足して、もう進みたくないと思っての質問でしょう。

山頂は実はあまり開放的な感じがなく、「え? ここ」と拍子抜けする方もいます。北側のみ視界が開けています。山頂がゴールだとすれば、疲れ切った方々に無理にオススメするのは気が引けてしまいます。もちろん、鋸山の最高標高地点ですから行ってほしいとは思うのですが・・・。

とはいえ、山頂のさらに500メートルほど先に、絶景が待っています。あまり知られていないので、多くの登山客は「(たいしたことのない)山頂に行くかどうか」で迷われるようですが、本当の鋸山の魅力を感じるためには、山頂を超えて保田駅側に降りていくことを強くオススメします。

新展望台から山頂までは、距離は400メートルとのことですが、アップダウンが3度ほどあります。山頂からはほぼ下り基調ですので、ぜひ頑張って進んでくださいね!


途中なだらかな道が続きます。一気に山を下る手前に「東の肩」と呼ばれる広場があり、ベンチも忘れるのでここで休憩してもよいでしょう。崩れがちな階段を240段ほど降りると、まもなく本当の目的地に到着です。

鋸山照前展望台

ここは安房一の絶景。

もちろん、主観です。が、そう信じているので年100回以上この場所に行っています。そして、この鋸山照前展望台のこぎりやまてるまえてんぼうだいを見て欲しくて、朝から友人を案内したり、鋸山縦走チャレンジというイベントを作ったり、こうして超オススメルートの記事を書いているわけです。

採石場の跡地に、水が溜まっていい感じに見えます。季節や時間により光の加減で色が変わります。天気のいい午後には、水がエメラルドグリーンに見えます。

砕石が終わったのはまだ二十年ほど前(確認中)とのことなので、新しい風景と言えるでしょう。人の力で削った場所に、自然の力が加わってできたものです。

それを鋸山の稜線上から眺めるのです。これは推測ですが、令和元年の台風で多くの木がなぎ倒されたことで、視界が広くなったのではないかと思っています。というのは、鋸南町の方の多くがこの風景を「知らない」とおっしゃるからです。このポイントまで行くのにそれなりの距離があるので「小学校の遠足以来鋸山には行っていない」という方はそもそも訪れたことがないと思いますが、時々鋸山を歩いているという方でも「そんなところあった?」とおっしゃるので、比較的新しく開けたのではないかと考えています。

なお、鋸山照前展望台の名にふさわしく、実はこの場所から朝陽が拝めるんです。内房は西側に海があり、夕陽の美しさを誇る場所がほとんどですが、鋸山のこの場所に立つと、感動的な朝陽が見られます。暗いうちに林道を歩かなければならないので初心者にはオススメしませんが、何度も通って是非ということであれば、お連れしますのでご連絡をください。

林道口へ

木の根が剥き出しになった稜線上をもうしばらく歩くと、林道に出ます。平成九年に開通した金谷元名林道です。左に曲がると金谷へ、右に曲がると保田に出ます。山道はここで終わり。ここからは舗装路または砂利道です。

汐留橋へ

山から降りて3kmほど進むと住宅地が出てきます。JR内房線の線路の手前を左折すると、汐留橋という石積み上路アーチ橋があります。地元の保田石を使って作られた、とても見ごたえのある橋です。

保田駅へ

ここまで来れば、保田駅はすぐそこ。改札は海側のみですのでご注意ください。駅の北側に、線路の下をくぐるポイントがあります。電車を下から見られる珍しさから、一部の方々に大人気です。

保田駅前に、「パクチー銀行」というカフェがあります。スペシャルティコーヒーとクラフトビールで、1日の疲れを癒してください。時間と体力に余裕のある人は、道の駅保田小学校や鋸南エアルポルトまで歩いてみてはいかがでしょう。



パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。 鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。