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「魅惑の心理」マガジンvol.52(アイデアの作り方〜新ビジネスのヒント〜)

前回に引き続き皆さんが考えている副業や新ビジネスを心理面と脳科学からフォローし、新ビジネスや副業を広げるヒントにつなげていこうと思います。具体的に「儲かるビジネスを紹介します」のような何かの商材を紹介するものではりません。1回目は柔らかい頭を作るトレーニング方法でした。前回の記事はこちらからも見られます↓

この考えのベースになるのはポーポーが2018年に発行した「アイデアの科学」です。これを新しいビジネスを生み出すことに想定して再編集しています。アイデアを生み出すヒントに役立てていただきたいと思います。今回は方向性や具体的な手法を解説していきます。

○具体的な方法を考える前に設計図を作る

具体的な新規ビジネスや副業を「こんなのが良いかな」といきなり考えても効率が悪く、良いアイデアにたどり着く可能性は低いといえます。まず初期段階ではどんなビジネスアイデアを考えるか、その方向性を確認するほうが効率は良くなります。たとえば新しいサービスを考えるときに、ひたすら新サービスのアイデアを考えるよりも、「方向性は現状の巣ごもり生活に応じたものが良いだろう」と仮説を立てて、その方向性でアイデアを出していくことが、良いアイデアを生みやすいのです。そして、このアイデアの方向性を作るにはアイデアを通して何がしたいのか?「目的」を確認することからはじめるましょう。考え方と組み立て方はこんな感じです。

ビジネス設計図

背景を調べ、目的を決めて、方向性を決めて、コンセプトを決めます。この方向性で考るとブレずに決めやすくなります。この考え方と組み立て方は、「色彩研究会マガジン」の中で詳しくやっています。ちなみに「色彩研究会マガジン」購読者の中で希望者には個別のコンサルティングをしています。

次にビジネスコンセプトをまとめて、目的を微調整しましたら、そのコンセプトに沿った形で具体的なアイデアを練って行きます。

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○基本アイデア術

では具体的なアイデアを出していく段階に移ります。アイデアは既存の情報をアレンジして生まれるものです。ここを最初に理解してください。人はゼロから何かを生み出すことはできません。前回、vol.51でも説明しましたが、創造性は過去の知識を思い出すことと近いことを脳内でおこなっています。いきなり何かを生み出そうとしないで、既存のアイデアをアレンジすることを意識をシフトしたほうが良いのです。特に不況下では大きな挑戦は危険です。「ちょっとしたアレンジ」で成功するビジネスが多く、コストをかけずにできるメリットもあります。

アレンジ方法は無数に存在しますが、最初に考えると良い基本的なアレンジ方法があります。思考の基本的な構造からみて、はじめにこれらの基本に照らし合わせて考えていくのが良いと思われます。人の基本的な判断基準は「比較」であり、常に意識的にも無意識にも何かと何かを比較しています。この比較思考の構造から考え最適な基本パターンを紹介していこうと思います。

【基本1】「足す」
 ※何かを組み合わせる。もっとも基本的なアレンジ方法

最初に考える基本的なアイデアの作り方は、既存のものを足して新しいものを作る方法です。AとBを足してA+のものを作る、もしくはAとBを足してCを作る方法です。この形で生まれたアイデアは世の中に本当にたくさんあります。「足す」ことで「便利になる」ことも多く、受け入れられやすいものです。また複数の機能を有していることで心理的にも「得である」「便利である」と思われやすい。組み合わせることは、便利というよりは、便利なイメージがあり好まれます。新しいビジスネのアイデアが作られてきた歴史はこの「足す」アイデアを抜きには語れません。使用者にも心理的に好まれる形であり、さらに思考の構造から考えてもこの方法はもっとも基本的な論理的システムであるといえます。

・足すと便利なものを組み合わせる【便利】
最初に似たような機能、形、サービスを合わせて新しいものを作る方法です。既存のアイデアに何を足したらよいか考えてみましょう。足すことで利便性が生まれるものを組み合わせることがポイントです。たとえば携帯電話にインターネット接続サービスが付加され、様々なアプリやゲームが楽しめる機能が加わったスマホはこうした基本アイデアから生まれています。

自分の車を上空から見たように見せるアラウンドビューモニターも技術的な革新で生まれたというより、既存のアイデアを組み合わせて作られています。駐車アシスト用に以前からあったバックモニターの技術を後ろだけでなく天井から4方向に映した映像を組み合わせたアイデアです。まるで俯瞰的な映像に見えるところが良質のアイデアといえます。「死角」という心理的な不安を軽減し多くの利用者に受け入れられました。ハーバリウム、文具、情報などで具体的に考えてみましょう。

実践ワーク
ではここで既存のアイデアを組み合わせたものを考えてみましょう。あなたはハーバリウム(植物標本雑貨)の商品をネット販売したいと考えました。ここでデザインで勝負、センスだけで勝負と考えると失敗する可能性が出てきます。商品はすでにたくさんあるからです。そこで「足すと便利なものを組み合わせたハーバリウム」を一緒に考えてみてほしいです。「便利なもの」ではなく「見た目が良いもの」に変えても良いと思います。たとえばハーバリウムならば、ボールペンにハーバリウムを組み合わせるなどの文具と組み合わせるのが一般的かもしれません。インテリアとして活用するという前提でライトアップする機能が付いていたり、置き時計と組み合わせる、卓上時計と組み合わせるといったようなものが一つの方向性になるでしょう。みなさんは何を組み合わせることを考えますか?  私なら色の色彩心理効果を付けて性格改善の機能と結びつけます。

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