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良いものは売れるのか

私は企画系の仕事やデザインの仕事を長くしてきました。社会人になったころは、良いものを作るということにこだわっていて、「良いものさえできれば、営業はかける必要もない」と思っていました。良いものは自然と売れていく。宣伝、広告、販売促進活動など必要ないと思っていたのです。同時に営業マンというのも、本来は必要がない職業と感じていました。

最初に勤務をした職場は、洋服のメーカー兼販売会社の側面があり、私はそこの企画室で洋服やグッズなどの企画、デザインと営業支援の仕事をしていました。営業チームと同行することも多く、その中で「あれ、良いものはこの人たちの力を借りないと売れないのではないかな」という考えが湧き上がってきました。コミュ障気味の私にとって、営業マンの人と人を結ぶ技術には驚かされる日々であります。商品にもよりますが、「良いものを作る」だけでは、うまくいかないということも感じていたのです。

そんなときに、ある営業チームに日本でもっとも有名な広告代理店から転職してきた営業さんがいました。私と部署も違うし、年も離れているのにとても可愛がってくれるのです。そして、あるときこんなことを教えてくれました。

ものは企業から企業に、企業から人に流れているように見えるけど実際は違う。ものは人から人に流れている。

そのときはまだ、そういう考えもあると思っていましたが、あれから何年も経って、今では本当にそうだなと思っています。当時、ユーチューバーなどの話もない時代でしたが、確かにユーチューブなどは人で見ているところはあります。商品でもあの販売員さんが気持ち良いから、あの人から買いたいという気持ちがありますから。

つまり良い商品を作れば売れるではなく、良い商品を売るのは当たり前であり、良い本質と演出が華麗に手を結んだときに、商品は支流から本流に流れていくのだろうと思いました。

たとえば「鬼滅の刃」も素晴らしい原作があり、アニメ作品には優秀なスタッフが集まり、そして素晴らしい作品になっていると思うのです。作る側は周りのスタッフへの感謝を忘れてはいけないと思うのです。見えない部分に見え凝らして、感謝していきたいです。

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