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「魅惑の心理」マガジンvol.236(心理学系の話題を集めてみました)

いつもは「ニュースの心理学」としてニュースの中に見える登場人物の心理を考察してまいりましたが、今回は少し趣向を変えて、最近、ちまたで話題になっている心理学と関係するトピックについて、まとめてみました。世の中の動きを心理学で探っていくと、色々なものが見えてくると思います。

(目次)
・パジャマで出勤する中国の若者たち
・なぜ「スポーツ賭博」にハマるのか
・初任給の増額で人材流失は防げるのか
・ SNSの最新詐欺トレンド

・パジャマで出勤する中国の若者たち

中国では、「寝そべり族」という競争社会にハマらない人が増えていて、最低限の生活を維持することで、勝ち組の人たちに搾取されることをやめるという動きが、数年前から進んでいます。

家を買わない、車を買わない、恋愛しないし、だから結婚しないし、子供を作らない、という考えです。自分が楽しいことをしながら生きていくために最低限しか働かない人が増えています。日本でもこうした傾向はありますが、中国はストレートです。

この「寝そべり族」が増えている背景には中国の経済の停滞と大きな格差社会があり、 SNSという他人の生活を見られるツールの影響があるのではないかと推測します。「仕事を頑張る」ということを無意味に感じている人たちです。

そんな中国では「寝そべり族」の次世代形態ともいうべき、「パジャマ族」ともいうべき若者が増えているといいます。職場にはふわふわのルームウエアで出勤してくるといいます。この話を取材し紹介したニューヨーク・タイムスによると、中国のSNS「シャオホンシュー」にはこのようなオフィスルックを投稿する若者が何万人もいるというのです。「何万人」。すごい数です。

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