「魅惑の心理」マガジンvol.209(ニュースな心理学/2023年8月-2)
ニュースで紹介される人の不思議な行動。「何でこんな事件を起こすのだろう」「何でこんなことを言うのだろう」人の言動は謎に満ちています。そこで、報道されたわずかな手がかりから、人の行動の「なぜ?」を心理学で紐解きます。前回は、札幌すすきの「頭部切断」事件を取りあげました。
今月ははこれらのことを心理の視点で、角度を変えて見て考えてみたいと思います。
・宮迫さんが加護亜依さんに「謝る必要はない」との見解
宮迫さんが、自身のYouTubeチャンネルを更新し、元モー娘の加護亜依さんに関する報道について、「謝る必要はないと思うんですよ」と考えを述べました。最初は加護さんに対して「友達の知人だったら、断れるはずもない」と擁護していました。そして、宮迫さん自身も、過去にキャバクラのトイレ前で「ファンです、写真撮ってください」と言われ応じたところ、写真に映り込んだ男性が実は金塊強盗だったという話になっていき「みなさん応援してあげましょう」といいつつ、最後は「僕のことも応援してね」と発言しています。
宮迫さんがなぜ人から嫌われるのか、その学びが詰まった動画だと思います。加護さんを擁護する体で、最終的には自分の不遇を説明して、理解してほしいと願い、「僕のことも応援してね」という形になる。そうした意図はなくても、まるで人を利用して自分の利益を得ようとする姿に、不祥事後に相方やサンマさんに不義理を果たし、自身のYouTubeチャンネルを作った経緯と重なります。人は偽善的な行動をする人、自分の利益を優先して取ろうとする人に嫌悪感を抱きます。
曖昧にしないで、悪かったことは悪かったと謝罪の気持ちを出したほうが受け入れられます。また、人を利用して自分の利益を上げようとするのではなく、自分の気持ちを飾らないで出すほうが受け入れられます。「オフホワイト」などの発言に見られるように、宮迫さんは曖昧で、白黒つけないところは彼の優しさでもあると思うのですが、自分への甘さと取られてしまうので、これは私たちへの学びにもなると思いました。
・松川るい議員辞任での SNS反応
自民党女性局のフランスに研修時、SNSに投稿されたエッフェル塔のポーズが不謹慎と言われ、それが発端となって女性局長を辞任しました。辞任といっても「女性局長」を辞めただけで、議員を辞職したわけではありません。 SNSでは議員辞職を求める声が多くあります。
議員さんは不祥事があるとよく「誤解があった」と表現します。これは自分の非を認めたくないときに、解釈の違い、説明が届かなかったと説明をすることで自分の責任を曖昧にしたい心理があるからです。
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