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中高校生ダンスの魅力を心理学的に考える

動画投稿サイトにはたくさんのダンス動画が溢れるようになり、若い学生たちのダンスをよく目にする機会が増えました。ポーポーはこうしたダンスがとても魅力的に感じます。ダンスは基本的に見た目の美しい男性や女性が高度のテクニックを披露したり、統一した流れに高揚感を持つことが魅力の一つだと思うのです。ところがスタイルの良いダンサーたちのダンスはそれで魅力的なのですが、背も体型もバラバラで「完全にシンクロしている」というより、ちょっとバラっとした自由度がある中高生のダンスに何か心が惹かれるのです。これはどういう心理なのだろうと考えてみました。

1  応援する心理(アンダードッグ効果)

登美丘高校ダンス部のような全国で優勝するようなレベルのダンスではなく、中高校生のダンスは何か自然体の魅力があります。ちょっとバラっとズレたりするダンスを見ていると「頑張れ」と応援したい気持ちになります。あれ、これ高校野球で高校球児たちが懸命に試合を応援している感情に近いかもと感じました。人は自分の利益と別なところでは、トップではなくトップを目指している下のグループや人を応援した心理が生まれます。これをアンダードッグ効果といいます。逆に選挙など自分の利益と関係あるところは勝ちそうな人を応援するバンドワゴン効果という心理効果が働きます。

2 期待に応える心理、らしさの安心感

ここでいう「期待」というのは大会などの好成績をいうのではなく、中高生のダンスは不安定です。それをみる人は予想しています。少し残酷なようですが「失敗するかも」という気持ちを無意識に持っています。その期待に応えてしまい、フォーメーションが崩れるとあーやっぱりという感情を持つことで見ている側は安心します。こうした期待に応えるところも心地よさを作るのです。ある意味、自分で勝手に貼ったレッテルに応えてくれるのです。

3 裏切りの心理、意外性の心理

最近の中高生のダンスレベルはかなり高いです。うまくいかないかもという期待を逆に裏切られる心理もあります。この意外性は記憶に結びつきます。背もバラバラ、体型も差がある普通の中高生にらしい外見をしていています。それが逆に街の風景を切り取ったようにも見え、そんな人たちが華麗なるダンスを踊るこの意外性に脳は強い衝撃を受けます。こりときに音楽が流れているというのもポイントで、衝撃の映像と音は記憶に定着しやすく、いわゆる病みつきの効果を作るのです。また見たくなる心理はここからきています。高校生が制服のまますごい踊りをしてしまうことで「裏切りの心理」は増幅されると考えられます。

4 笑いの要素がある

高校生が制服のままで踊ることと対照的に、コスプレをしたり派手なメイクをすることで「面白さ」を演出しているものもあります。登美丘高校ダンス部のバブリーダンスなどはまさにこれです。過去の産物のようなバブリー姿と派手なメイクは単純にシュールで面白かった。「笑い」の要素もまた人の記憶に残りやすいという傾向があります。


お約束があり、意外性があり、笑いがあって、中高生のダンスはプロとは違う魅力に溢れています。この効果を狙うなら「統一感」と「崩す」ことを意図的に仕掛けると良いです。何しろそれを支えているのは「頑張っている」という姿でしょう。人は情熱でいとも簡単に動かされます。中高生のダンスにかける情熱はとても刺激的に映ります。



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