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【音の通訳】延べ1200人の妊婦さんの「音」の通訳をして聞こえたこと

2006年に、聖路加国際大学とご縁を結んでいただき、コロナが始まる前の2019年まで、約10年間、ウィメンズヘルス・助産学の担当教授のみなさんと、中央区の保健所で【働く女性のための母親学級】の講師をしていました。
 
わたしが受け持っていた時間は「分娩時のストレス緩和とリラクゼーション」そして、「妊婦さんの身体つくり」でした。助産学部の大学教授が妊娠のプロセスや妊娠についての専門的な話をされるのですが、その合間に、ちょっとした身体をつかった時間を任されていました。

リラックスのお手本みたいな甲箱座りのニャン!


 
わたしの話のタイトルは「みること・きくこと・ふれること」。
 
子どもを持つひとにとって、一番大切な3つの要素についてお話しながら、働く妊婦さんが、地域とは繋がっていない孤立感を解消するために、同じ地域に住む仲間づくりも、大きなテーマでした。
 
ペアワークで話したり(今のモヤモヤを放すということ)触れ合ったり、骨盤底筋や肩や背中のストレッチをしたり、保育士という資格も持つので、保育園選びのコツやオムツのつけ方など、できることは何でもお伝えしていました。
 
妊婦さんは、頭を使わず、ボンヤリしている時間が大切な気がします。それで仲間内のつぶやきのような発言を大切に、妊婦さんの声や表情の音を聞くようにしていました。
 
本当に大切な気持ちは、音から伝わってきます。みんなと一緒にいるうちに、笑い声も、変わっていきます。そんなつぶやきの音を聞きながら、いろいろなひとの【今】を受け取っていきました。
 
自分が愛情に満たされているときには、言葉を使いたくないし、暖かい沈黙のなかで、人は安心できると思っているからです。わたしの身体の感覚を開いて、【音】に集中します。

生まれたばかりの姪っ子 (10年前です) 

担当するプログラムの最後に、【胎児瞑想】をします。 わたしはその時間が一番好きでした。新米ママたちに、お腹に手を当ててもらって、ただ黙って赤ちゃんと一緒にいる時間を作ります。呼吸をしながら、赤ちゃんから聞こえてくる声を聞き、自分の願いを赤ちゃんに届けます。 静かに音楽を流して、ほんの5分程度ですが、ママたちの表情がほぐれて、普段のキャリアウーマンからひとりの優しい笑顔のママに変わっていきます。 

部屋の中に、ピンク色のハートが浮かぶような優しい波動に満ちて、暖かい豊かな時間です。

講座が 終わってから「仕事をしていると、子どもがお腹にいることを忘れなくてはいけないのです。」と泣きながら話をされた妊婦さんがいました。 

「そうなんですね。働いているときは、それは、仕方がないことかもしれませんね。でも、赤ちゃんはあなたと一緒にいて、あなたのことを、守ってくれていると思いますよ。そんなことを、仕事の合間に、ほんの少しでも、思い出せるといいですね。」 そうお伝えしたら、笑顔になってくれて、「毎日瞑想しますね。」と約束してくれました。 

最初のころに出会った、妊婦さんの子どもたち、今は、やんちゃな中学生くらいになっているのかなぁ~。


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花村むつみ

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