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将棋教室を運営してきて実際にやっている中身について考えてみる。
こんばんは、ポールです。
毎日暑いですね。。こんな時は将棋やるしかないですね。
動画でも見て勉強なり楽しんで行きましょう。
こんな時には、森内チャンネルー!
更新頻度はゆるやかになりましたが、その分見ごたえのあるものがアップされていますので必見ですね!
(隙あらば推しを勧めていくスタイル)
えーさて本題。
わたくし事ですが、2019年4月から何かの縁で将棋教室をやっていまして。
なんだかんだで手探りながらここまで続いています。
準備ゼロから将棋講師になったお話①|ポール @paulstardust #note https://t.co/mT49j3ECkI
— ポール🌘 (@paulstardust) November 18, 2019
別に私は元奨でも無く元研修会でもなく、子供のころに強くなった分けでもなく、ほとんど大人になってから始めた勢。楽しくて夢中で色々やってたらある程度の棋力になっちゃったっていう人で。
まぁそんな人なので、教える事もこれまでやってきた事・新しく覚えた事をかみ砕いて、手を変え品を変え、あーでもないこーでもないと言いながらなんとかやってきているワケです。
それで先日あるツイートが目に入り、自分の指導方法を考えるきっかけとなった。それが以下。
これは今だから言いますが、プロは「多面指し」ができるのが強みと言われますが、きちんと指導しようと思ったら3面指しくらいが限界、5面指し以上になると教え側は雑になります。
— 橋本崇載八段 (@1QEqXGrmrVA9EZc) August 2, 2021
5面指し以上で一生懸命指導しようという人はまずいません。回していくために人数を増やしているだけです。
先日引退された元プロの方のお話ですが、
そして私はプロ棋士でもないどこかの馬の骨なんですが、
これは「わかるーーーーー超わかるーーーーー!!」って思ったわけですよ。
忙しくなってきた際に4面を初めてやった時に、今まで感じた事ないくらいどっと疲れが来て、ガツンとクオリティが下がったんだよね。帰りの駅のホームのベンチで動けなくなったくらい疲れたのw
「じっくり相手をするなら3面が限界。それ以上になるとある程度の対処が必要になる」って言うのが私の体感。それが確かだったのは良かったなと。
んで私今最高で5~6面とかやっている訳で(苦笑)。毎回じゃないけど。
自分の実力を理解した上で、ある程度のクオリティを保ちつつ、退屈させないようにやらなきゃいけないので、まぁその中で工夫が必要で。
所詮はちっぽけなアマチュアレベルの人が、考えながらどうやって教えてるのか、何をやっているのか、
というのを自分の見直しの為にも書いて置きたいと思う。備忘録的な感じです。
前提として、
対象棋力は初心者(駒の動かし方、ルールが分からないところ)から、
ウォーズ級位者まで幅広く。
教室のスタンスとしては、がっちり強くしますって言うより楽しく将棋しようぜっていうスタンスなので、「ウチの教室で強くしまっせ!」っていう方にとっては甘々に感じるかもしれないが、私の所は甘々で良いのだ。
真面目にやる所は真面目に。笑いながらやる事は全力で笑いながら。
上達はもちろんして欲しいけど、初心者に将棋厳しいわーつらいわーって思って欲しくもないですし。
教室にて。
— ポール🌘 (@paulstardust) July 31, 2021
(飛車を成るのを忘れていた子に)
私「何か忘れてなーい?私いつもなんて言ってたっけー?」
子ども「角の利きは三万回確認?」
私「確かに」
教育が行き届き過ぎている
こんな感じです。はい。
教室の状況ですが、1コマ2時間の中で色々こなしていきます。
人数は多くて1コマ5~6名。
まぁ書いて行きましょ。
1,問題作成(詰将棋、次の一手、必至等)
最初の30分~1時間は問題解きと回答解説をやっている。問題の分量は多い時期もあり、生徒さんの消化状況をみて徐々に少なくするなど調整し、全員がやり切れるであろう量に調整している。
解答につまっている時は、様子を見つつヒントを適宜出していく。どんどん出していく。可能な限り数多く問題に触れる事が大事なので、消化できるようにフォローするイメージで。
それでもやりきれなかった場合は全体で答え合わせの時に、ヒントを出しつつ解いてもらう。
答え合わせの時はランダムに当てていく。変化手順でつまる時は、他の人の助けも借りながら皆で解いていく。私ひとりで話してたら皆飽きちゃうし。
問題は基本的に全員同じ問題を解きます。皆で一斉にやると、競争意識も生まれますし、子供達同士だと問題全部終わった子がつまってる子にヒント出す側に回したり、追加で問題出したりすることで、飽きずに集中して問題に取り組んでもらってます。
詰将棋やりたくなーいって子も日によっている。概ね実戦派の子が多い。
そういう子は私の実戦や本人の対局の盤面を見せて、形勢判断の勉強をしてもらいます。出来る限り細かく狙いなどを具体的に示してもらう。そういう方が取り組みやすいって子もいるので。
(体験や初回はそれ用の問題を別に用意してます。)
・・・詰将棋やらないの怒らないのかって?
私も詰将棋やりたくない日あるのに強要するのも違うでしょ?
そうしていると不思議なもので、ある日急に詰将棋熱心にやるんですよね。
3手5手の詰将棋が多少できるようになったら、簡単な必至問題にも取り組んでみてもらう。
必至問題って詰将棋の倍量読まなきゃいけないので大変なんだけど、少しずつチャレンジして貰っている。
2,指導対局
指導対局は、本当に人それぞれ棋力が違うので、駒落ち平手なんでもやる。
幸いな事に戦法に好き嫌いが無いのでなんでも対応は出来る。
駒落ちは所司先生の「駒落ち定跡」を昔あほ程読み込んでましたし、元々振り飛車党だったが、推しの棋譜を並べてたら自然と居飛車も違和感なくやれるようになったので、アマチュアレベルの感覚ですが幅広く対応が可能になってました。
教室やり始めはマンツーマン、徐々に増えて行って2~3面。
あれよあれよという間に1コマ6人程に。
前述したとおり3人まではある程度集中して出来るんですよ。
4人になると急にぽろっと簡単な読み抜けがでた。ショックでしたよねー。
ときどき友人が手伝いに来てくれて、その時はガッチリ3面で対応できますが、それ以外はワンオペなのでなんとかしないといけない。
選択肢としては、
①4面以上でそこまでクオリティを落とさずに指導対局をする。
②3面と限定してしっかり指導対局をする。
・・・の2つだが、1コマの人数的に②だけにするのは割と難しい。6人だと奇数になっちゃうし。
そこで私はよくばりなので、①②を身を粉にして同時にやる事とした。
身を粉にして!(大事なことなので2回)
4面以上の対応をするための条件としては3つ。
・生徒さんの棋力帯を理解する事
・得意な事・苦手な事などクセを把握する事
・対局の前に前局の課題を伝えられる事
これらが分かれば、漠然と回していくよりは内容が良くなっていった。
棋力帯を理解する事っていうのは、まず初見の方でどれくらいの棋力で知らずに指導って私レベルじゃホントに無理なので、ある程度どれくらい出来るかを知った上でやると、思ったより出来るように。
初見でやる方は、どれくらい将棋に触れたかの軽いアンケートを取ってから挑みます。ざっくり総合力を見る感じです。
棋力が分かるまでは3面で集中してやって、慣れてきたら多面に移行っていうような流れです。
得意な事・苦手な事などクセを把握する事というのは大事なところで、攻めが好きだったり、ガッチリした将棋が好きだったり、それぞれでやりたい事もあるので、それに応じて何を重視して教えるかが変わってきます。
相手が何をやるのが好きかを重きに置いて、それぞれ私の中でやるべきことを決めておくわけです。
回数こなしていく中で、変化があって気付いた事はスプレッドシートにまとめておいて、棋力が上がった事も管理もしておく。
毎回の積み重ねでしかないのだけど、棋力の把握はこんな感じ。
複数対局を毎回やっていると、「前回この方何をやったかな」っていうのを思い出せない場合もあったので、対局記録ノートを作成した。教室終わりに勝敗と戦型を軽く書いて置き、見直すと意外と具体的に前回の内容も思い出せる。
対局の前に前局の課題を伝えられる事っていうのは前述した2つがあってこそのモノですが、それぞれに応じた課題があるので、それはちゃんと伝えておき、それが出来たかどうかを重点的に見ます。
前に対局したものを覚えておき、終わった後に感想戦でチェックをしていく。
多面の局数が多いと感想戦が行き届かない場合も発生する。そういう時は局面を記憶しておいて、検討し甲斐のある局面を詰将棋の時間の後に、大盤を使って皆で検討を行ったりします。
割と周りから意見を出してもらうのも、いろんな見方があるので話は広がり易いし、全体の理解度の確認に良い。時々驚くぐらい良い手が飛んでくる時もあるので、そういう時に生徒らの上達は感じれます。
毎回多面指しは指導の密度的にも薄くなっちゃうし、何より私が疲れるので(小声)時々は生徒同士で対局をしてもらいます。棋力差は駒落ちで調整しつつ適宜フォローする。人数が合わない場合は私が入って調整。
都度見に行って気になった局面は感想戦でチェックをして、全員終わったタイミングで気になった局面を全員で大盤で共有していく。
3、書いてみて
・・・っていうのが1コマの流れ。これを×2がワンセット。
・・・なんか書いていて色々やり過ぎている気がする。。しかしこれやってると2時間×2の4時間あっとゆうまなんですよねー。
これ以上に風呂敷広げると私がパニックになりそうな気がする。私のリソースが限られてるので、現状だと限界ってのはあるんですが。(限界を作るとそこが限界だって?うるさいうるさい、余裕あるぐらいでいたいんじゃ)
まぁこれ以外にも、教える事が詰込み過ぎだなーって感じる時は遊びます。
子供達であれば大盤でチーム戦したり、大人であれば観る将的な雑談をしたり、希望の棋譜解説をしてみたり、鬼滅の刃将棋使ったりどうぶつしょうぎやったり、その時に応じて何でもやります(笑)
かっちりやるより柔軟にやっていく方が性に合うので、このくらいの方がいいんですよね。
基本的には無理しない。力を抜いてやれるだけ。
欲張りすぎると疲れちゃうので。
なぜ教室終わりにこの炎天下の中、子供達と全力疾走でおにごっこをやっているのだろうか
— ポール🌘 (@paulstardust) July 31, 2021
たまに鬼ごっこに誘われますwキャッチボールやバトミントンなんて日も。
4時間フルパワーで指導したあとに身体に鞭打っていくスタイル。日ごろの筋トレ走り込みが活きてきます。やはり将棋は筋肉、積み重ねですね(?)
自分自身が将棋の指導というのを受けたことがほとんど無いので、やりながらこういう形になって行きましたが、いい方法があればどんどん取り入れたいなぁと思います。
ホント他の教室どういうことやってんだろ・・・。
課題としては、自分が必要と思う固定の教材づくり。
いまだにちゃんと出来ていない部分ではあるのです。しっかり用意してあると教えるのが効率上がるし、何より体力的に楽なんですよねぇ。
多少集中して時間取って作んなきゃいけないと思いつつ・・・夏休みでちょっとがんばるか・・・
おまけ
最近の話ですが、縁あって有り難いことにオンラインで初心者の個別レッスンもやらせてもらってます。
やっぱり個別の方が集中して出来るし、提供できるものも変わってくる。
将棋の指導の形としては理想的と思うし、密度が全然違う。色々考えることが出来ますので私も勉強になっています。
個別でやった時の質比べて、多面になった時に質をキッチリ維持できるように、自分自身の棋力をもう少しあげていかなきゃなぁとも思います。
さてさてこんなところで。
長々と書きましたが、これからもぼちぼちがんばって頑張っていきます。
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