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世界史漫才再構築版02:古代エジプト編

 微苦:ども、微苦笑問題です。
 苦:今回は古代エジプト文明です。
 微:みんながピラミッド建設とミイラ作りにはまっていた文明だな。
 苦:それは、「縄文時代の人間はみんな土器を焼いていた」と勘違いするレベルを超えた誤解だよ!!
 微:そういうキミは盛り上がりの少ないというかつまらない弥生時代をずっと「やおい時代」と勘違いしていただろ。知ってるぞ、オレは。
 苦:「そんな時代もありましたね、フフッ」ってガソリン値下げ隊じゃねえよ!! ピラミッドを建造したはファラオと呼ばれた王だけ、しかも26ある王朝のうち、古王国の第4王朝だけです。
 微:20世紀末のガングロみたいに意味不明な一過性ブームだったのか。
 苦:あのメークはファラオ的でしたがね。最大のものがクフ王のピラミッドですが、そのピラミッドもファラオの墓ではなく、ピラミッドは何のために建造されたのか、今も謎です。
 微:サバクトビバッタの被害を克服するためにエジプト版ニューディールをやったんだな。名付けて「ナイル・ディール政策」。
 苦:無視します。何が目的でピラミッドを作ったのか、余計にわからなくなってきました。昔はファラオの墓と考えられ、「玄室」とされる部屋・空間もあったんですが、巨大墓説は劣勢です。
 微:その玄室にコップに水を入れておくと、味が良くなるんだよな。
 苦:『ムー』じゃねえよ!! そんなことのために、あんな工事をするやつがいるか? しかも建造方法も内部螺旋式工法説がほぼ定説となり、大きくエジプト学は変わってきているんです。
 微:でも2021年2月に出た角川の「まんが学習シリーズ」の『世界の歴史』は外付け道路説だぞ。
 苦:まあ、あのシリーズは時折、意識の真空地帯があるんです。話を戻すと、20世紀初めのピラミッドに関する推定はほぼ否定されてしまいました。
 微:そのわりには関西の中学校では組体操の「人間ピラミッド」が無意味に続いているけどな。
 苦:あれは無意味な保護者サービスです、感動したいというか録画して絵になるもの欲しさの。そこで建造目的という原点に問題設定が回帰したんです。まさにゴルディオンの結び目的難問。
 微:螺旋式工法だったら、ぐるっと回って元に戻るのは当たり前じゃねえのか?
 苦:それはメビウスの輪だろ!! まったくわかってないよ!! トランプに外交を説明する国務長官の苦しさがわかるよ。
 微:オレは暇つぶしに実写版「ドラゴン・クエスト」でもやったんじゃねえのか、という説ね。
 苦:何だよ、それは?
 微:いや、中のダンジョンに化け物がいて、宝箱があって、開けたらマミーだったりして。
 苦:それは完全にゲームだよ。しかもファミコン時代の。
 微:でもそれじゃ、オタク心をがっちり掴めないから、その地下にセーラー服の女子高生やメイドと出会えて、告白までできるダンジョンまで用意されていたりしてな。
 苦:自分の願望じゃねえのか、コラ! しかも昭和の匂い全開だし。
 微:名付けて「生まれ変わってエジプトだ! 明るいダンジョン交際」!!
 苦:まだやってたのかよ! もうつまらないダジャレも、ピラミッドも、ダンジョンもいいよ。
 微:最後はナイル川への急流下りで、しかも驚く様子が勝手に写真に撮られて売りつけられる。
 苦:それはUSJのジュラシックパーク・ライドだよ!! やめろ! もうコンビ解散! 強制終了して話を戻します。ミイラですが、庶民も含めて多くの人がミイラを作りました。
 微:失敗作が綾波レイだったそうです。
 苦:違う意味で失敗作がたくさん浮かんでいるから怖いよ! 人間以外に、富のシンボルの猫ミイラ、変わったところではウナギのミイラまで出土しています。
 微:縄文時代の土器や土偶の方が創造的だな。ミイラ以外に作るものがなかったんかねえ。それとも、その頃から『包帯クラブ』がベストセラーだったのか?
 苦:それ生き物以外も対象ですから。でもエジプトで掘り出されたミイラって魔法の薬として、オランダが西欧諸国に大量に輸出していたんだよな。
 微:船が難破したら食糧になるし、まさに医食同源だな。
 苦:意味は違うけど、江戸時代の日本にもオランダが薬として紹介し、将軍も服用しています。
 微:そのミイラパワーで徳川家斉は50人以上の子どもを作ったわけだな。
 苦:スポーツ新聞のオッサン向け広告じゃねえよっ!! お前、ミイラをハブと間違えてねえか?
 微:「ギザの職人が一本一本丹精を込めて巻き、4000年以上熟成させた逸品です」というキャッチコピーまで用意していたのに・・・
 苦:本題に戻りますと、エジプト文明の起源ですが、どうやらメソポタミア地方から灌漑農業を知っていた部族が移住してきたことにあるようです。ナイル川沿いに多数の集落ができます。
 微:淀川河川敷のブルーシート小屋群だな。「こども110番の家」シールまで貼ってある小屋があったぞ、十三近くに。
 苦:意味が全く違うよ!! それらが統合され、ノモス(集落国家)が形成されます。
 微:これも黄河流域の邑みたいというか、十三の小便横町というか。
 苦:前3000年頃には上エジプトに22、下エジプトに20のノモスがあったんですが、それを統一したのが上エジプトのメネス王です。
 微:アントニオ猪木のコブラツイストはメネス王直伝だそうです。
 苦:猪木は縄文杉並みの生命力があるんかよ!!
 微:卍固めは、期待に反してナチスではなく谷崎潤一郎との合作です。
 苦:よくもまあ、そこまでないことないこと断定的に言えるな。
 微:これはアベちゃん直伝です。
 苦:実はメネス王以前にエジプトを統一した王としてナルメル王が記録されているんですがね。
 微:それは赤木ファイルに記載されているので確かでしょう。
 苦:エジプトを近畿財務局が管理しているのかよ!! 時代も空間も違い過ぎだよ。
 微:あ、「ファラオ補完計画」にだったわ。
 苦:庵野から離れろ!! 遅れましたが、エジプトに関する情報源は古代ギリシアの歴史家ヘロドトスです。「エジプトはナイルのたまもの」も彼の『歴史』に出てくる言葉です。
 微:「森友はアキエのたまもの」は佐川の作です。
 苦:もういいよ!! 『歴史』はペルシア戦争の原因「探求」を目的に書かれたんですが、話は横道に逸れ、信憑性の薄い話をたくさん収録し、「酔っぱらいの話」とまで酷評する学者もいます。
 微:わて、もうヘロヘロどすえ。
 苦:なにを急に京都の舞妓さんになって、その上無理矢理酔っぱらってんだよ! 話を戻すとヘロドトス頼みのエジプト研究の画期となったのが、あの難解なヒエログリフの解読です。
 微:「ピープス氏の日記」以上に難しかったそうです。
 苦:学術的重みが違いすぎだよ!! 解読に成功したのが19世紀フランスのシャンポリオン、そのスポンサーは皇帝ナポレオンでした。
 微:有能だが使いにくいので、どうでもいい仕事を押しつけたんだな。
 苦:市長選挙後の市史編纂室じゃねえよ!! ナポレオンの命で解読に取り組むんですが、ロゼッタ・ストーン現物は戦利品としてイギリスが奪いましたから、拓本で必死に解読に取り組んだんです。
 微:なるほど。オタク同様に三次元の本物以上に二次元の世界に耽溺しで頑張った訳だな。
 苦:・・・まあ、本物もほとんど二次元ですけどね。
 微:解読が正しいかどうか、4000年前のパピルスで試したら「最近の若い連中は、困ったもんだ」って書いてあったんで、シャンポリオンも「ほんとだよね」って4000年を隔てた会話したんだろ。
 苦:また勝手に話を作るんじゃないよ!
 微:で、次のパピルスには「近頃の若い娘は、顔を黒く塗ってアイラインの描き込みがコテコテで、睫毛伸ばしまくるわ、胸元ははだけているわ、もう何考えてるのかわからん」って書いてあって。
 苦:それは当時の普通の化粧だよ!
 微:えっ!? じゃ21世紀の日本の繁華街のネエチャンたちは先祖帰りしているのか? まさにファラオの呪いじゃねえかよ!
 苦:ファラオの呪いは、カーナヴォン卿と助手カーターによるツタンカーメン王の墓の発見にまつわるヨタ話だろ。そのツタンカーメン王の父がテル=エル=アマルナ遷都やアトン一神教を行ったアメンホテプ4世です。
 微:妙に写実的な芸術を発達させたオヤジだな。
 苦:教科書や図説に登場するアマルナ美術ですが、代表作が「太陽神アトンを礼拝するイクナトンとネフェルティティのレリーフ」です。

アメンホテプ4世

 苦:これは彼らファラオ夫婦とその子供に太陽光線が降り注ぐ姿が描かれたレリーフなんですが、この太陽がアトン神を表し、「子供」がツタンカーメンの后となるネフェルティティです。
 微:これって「エヴァ」のリリカのパクリ元じゃねえのか?
 苦:そっちにボケるんじゃなくて、女性が王位継承権を持っていることに気付けよ!
 微:左のやつ、こどもを食べてないか?(※画像がある前提で)
 苦:可愛がってるんです!! 古代エジプトの王位継承権はファラオの娘が持っており、王子はファラオの娘(要は自分の姉か妹)と結婚することによって、ファラオ位を継承できるのです。
 微:それってウラン濃縮というか、近親婚だろ。IAEAの査察が必要だな。
 苦:イランじゃねえよ!! ファラオは神の化身ですから不純物はダメなんです。ですが王位継承権を持つ女性は王名表には出てきません。前17世紀末のハトシェプスト女王はその典型です。
 微:なんとなく予想できる。推古天皇みたいなもんだろ?
 苦:はい、ハトシェプストはトトメス1世の娘で、トトメス2世の妻で、トトメス3世の義母です。
 微:昭和なら絶対に横溝正史が小説化してるな、『生き神家の一族』ってタイトルで。
 苦:久々に良いボケです。前1505年頃、当時6歳だったトトメス3世がファラオに即位し、その後見人として台頭したのがハトシェプストだったんです。
 苦:「女王」と彼女を表現しましたが、ファラオとして君臨したんではないのです。女王として存在が認めらたのは、ヒエログリフ解読の結果です。
 微:「ナイルなトトメス」は実在しなかったのか。そっちの方が残念だな。※
 苦:次に有名なファラオとくればラムセス2世というかラメス2世。彼は前1270年頃即位し、以後67年間在位します。
 微:昭和天皇、エリザベス2世超えとは凄いな。
 苦:彼は建築王とも言われ、アブ・シンベル神殿、カルナク神殿(第12王朝以降の歴代王が、アモン神に捧げる神殿として増築)、ルクソール神殿の増築もしました。
 微:淡路島に友好の印として巨大物も作ったそうです。
 苦:それは迷惑施設です。王妃ネフェルタリのためにアブ・シンベルに小神殿も建設しています。
 微:エジプトの狂王ルートヴィヒと呼ばせてもらおう。
 苦:ラムセス2世とヒッタイト王国との間のカデシュの戦いも世界史上でも有名です。エジプト側の記述では「不意をつかれるが逆転勝利」、ヒッタイト側では「全面勝利」と記述されています。
 微:ところで、どっちが正しいんだ、ラムセスとラメス。
 苦:どっちでもいいと個人的には思ってます。古代言語には母音がないものも多いし、隠れ子音もあったりと、皆さん苦労してるんです。アトン神も最近ではアテン神と表記されたり。
 微:受験生は困るというか、混乱するぞ。
 苦:いや、昭和のカタカナ表記の方がひどかったよ。トゥキディデスが「ツキジデス」だったし。
 微:はとバスの停留所アナウンスかよ、「次は築地です」って。
 苦:私が心配しているのは映画『ウォッチメン』でストーリーの要となるデータにアクセスするパスワードが「ラムセス」なんですよ。「ラメス」が正しいとなると映画ぶち壊しになるんで。
 微:そんなこと心配してもしかたないよ!! ってなんでオレがツッコミを入れるんだよ。
 苦:そうだな。ゴジラも1950年代当時の直立歩行していたティラノサウルス復元想像図がモデルだけど、訂正してないもんな。
 微:いや、古生物学的に手直しすると初代ハリウッド版”GODZILLA”で走り回って卵産みまくるトカゲになってしまう。
 苦:って言うか、オレたち何の話をしていたっけ?
 微:エリザベス・テイラー主演のクソ映画『クレオパトラ』の話だよ。
 苦:そうか、それで途中から意識を失ったのか、って納得するわけねえだろ!! それにクレオパトラはプトレマイオス朝でギリシア人だよ。
 微:まあ、ミニチュアピラミッドを撤退後にやたら建造したメロエ王朝よりは近いということで。
 苦:それを言うなら、おのごろアイランドや迷惑巨大仏の淡路島でボケろ! (♪チャンチャン)

 ※noteの古代エジプト編冒頭に飾ってある写真を御覧ください。
 ※※『不思議少女 ナイルなトトメス』(1991年1月6日~12月29日、フジテレビ系列、全51話)は、東映不思議コメディーシリーズ第12作の特撮テレビ番組で、次の第13作『うたう!大龍宮城』(1992年1月~12月)のあまりのバカバカしさ(誉め言葉としての)の前に霞んでしっているが、2017年にDVD化された。バカバカしい脚本を書かせたら日本一の浦沢義雄がメインライターだけあって、世界史担当者のツボに入る歴史用語のバカバカしさは悶絶モノ。

 「イブンバットゥータ・スカラベルージュ」(変身呪文)
 「美しく戦いたい。空に、太陽がある限り。不思議少女 ナイルな トトメス!」(変身後の決めセリフ)

・・・しかし、なぜ日本にピラミッド型墓地があるんだ?

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