西日本大会

 選抜騒動があったりしてぐだぐだしていたが、小学生として最後の思い出作り大会に実は出ることになっていた。もっと早く言えよ。ちなみに3年前は優勝した。上の世代だから知らん…とはならない。もうU-15の試合に出てるから。しかしメンバーがかなり落ちているので優勝するのはなかなかタフそうだ。
 予算がないので当日朝5時に出発し、着いたらすぐ試合というよく考えたら無茶苦茶な日程だった。決勝まで勝ち残る前提で泊まりの予定となっていた。
 休憩を挟んで朝9時に着いたが、試合は11時からだった。なんだか嫌な予感がしたが、まあその通りだった。
   うちのチームだけ休憩がねぇ。。
ものすごく嫌がらせされてる感がした。飯も食わずに4試合ぶっ続けなのだ。事前に組み合わせとか連絡されなかったのか?

 予選はほぼ一方的な試合になった。私がかなりの時間のボールを持ち、GKまでかわしてゴールポストに当て、クリアされたボールの最初のパスを自分で走って奪い、また5人抜いてゴールポストに当てるというコントのような状態だった。そもそもが初めての天然芝だったのでどうしてもキックがボール半分くらいズレるのであった。そのかわりボールを持ったら誰にもかすらせる気がしなかった。ずっとゴールを外し続けて奪い返し、なんとか1-0で勝ち続けるというつまらない展開で監督にはだいぶ呆れられた。その辺がプレイヤーとしての自分の限界だったように思える。

 決勝トーナメントに慌ただしくうつると、また急に土のグラウンドにうつった。これがチームにとっては大問題となるのだが、私には関係のないことだった。
 相手は3年前の決勝の相手で、我々が出ていない間もずっと勝ち続けていたが、いきなり因縁の対戦をすることになったのである。
…ともったいぶったが、私のやることは中央からぶち抜いて点を取るだけだった。しかしここで相手は驚く行動に出た。私にボールが出ないように徹底してきたのだ。いかに3年前の悔しさが(監督に)あったかが分かる。カットしに行こうにも遠いところでボールを回されるのである。まさか地元以外でこのシフトをされるとは思わなかったが、相手は1試合ごとに休憩だったのでこちらの試合を見ていたのだろう。
 もちろん、我々も私1人で試合しているわけではないのでしっかり守って譲らない。相手は極端なシフトをしてきているため、どうしてもバランスが悪いのだ。
 勝負がどこまでもつれるか、と思われたところで皆の足が止まった。そりゃ、4時間移動して開会式にも間に合わず、少し休んだら炎天下で連続4試合である。スケジュールがどうかしている。下級生が不用意にファールをして相手のフリーキックとなった。相手はロングボールを放り込んで、しかし誰も合わせられずGKの手前にボールが落ちた。その時、ボールのバウンドが大きくかわり、GKが後ろにそらしてそれが決勝点となった。
 相手が3年前の屈辱を晴らしたのであった。
 決勝のための宿泊であったがこれはもはやキャンセルするわけにはいかないのでそのまま泊まってせめてお風呂に入ってのんびりしようということになった。しかし、1人だけくつろぐ気にならなかったのは私であった。
 熱が40℃あって踏んだり蹴ったりだった。帰りも死にそうだし、なかなか熱が下がらず寝込んでえらい目にあった。

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