見出し画像

FC東京備忘録 2021.3.3 ルヴァンカップ GS第1節 vs徳島ヴォルティス (H) ○1-0 「課題多き初勝利&新戦力は○」

皆さんこんにちは、太古の森と漆黒の獣です。
今シーズン、東京のリーグ戦の戦いを振り返る記事を残していこうと、下記サイトにて記事を書き始めた訳ですが、ルヴァンカップに関しても簡単ではありますが、選手寸評などをnoteに書き残しておきたいと思います。
それではよろしくお願いします。

リーグ戦の記事はこちら↓

(※基本的にここで書くことは1000%自分の主観を元にしています、読まれる方はその点をご承知おき下さいませ。)


昨年は異例の決勝越年となったYBCルヴァンカップ、見事に2020年大会で王者に輝いた東京、ACLのあった昨年と違い今年はGSからの参加となる。
2020年覇者だが、決勝から約2か月後に予選という不思議で過密なスケジュールである、GS初戦は昨年J2覇者で昇格組の徳島ヴォルティスとの対戦。
奇しくも開幕戦で対戦した浦和レッズリカルド・ロドリゲス監督が昨季まで率いていたチームだ、新監督のダニエル・ポヤトス監督は入国制限の関係で、未だに来日を果たせていないが、リカルド監督のサッカーをどの程度踏襲しているのかも含めて興味深い対戦となった。


両チームのスタメン

画像1

東京徳島ともにスタメンはリーグ開幕戦から全員入れ替え。
ベンチ、ベンチ外だった選手がズラリとメンバーに並ぶ、若手の起用もそうだが、コンディションを上げたい主力選手の起用も睨んだ布陣に、特に徳島はJ2には無かった、シーズン序盤のカップ戦というコンペティションをどう生かしていくのか、この試合に限らず今後のGSも起用法を模索していく形になるだろう。
東京で個人的に注目して観ていたのは開幕戦で奮わなかった3トップと問題のアンカーポジション、あとは蓮川が4バックのCBとしてどれだけ出来るのかも気になった。


前半

①奪いたい東京、保持したい徳島

両チームともこの試合の狙いがハッキリ分かる序盤の攻防、徳島はSBが高い位置を取り、SHは内側に入るような形で、基本的には中央を経由してサイドにボールを送る形でのビルドアップが多かった、あまり長いボールは使わずにショートパスを中心にボールを動かす形。
対する東京は3トップとIHの2枚が前からプレスにいく形、場合によってはアンカーの青木も敵陣深くまで奪いに行く姿勢も見せていたが、徳島の保持がミドルサード(ハーフラインを越えた辺り)まで来ると追うのを止めて、低く構えたセット守備の体制を取るようにしていた。
前半は奪ってから素早く攻撃したい東京、ボールを動かしながらゴールに迫りたい徳島という構図になった。

➁シュートまでいけない両チーム

両者ともに構図はハッキリしていたのだが、狙いが結実したシーンが作れたかというと、正直微妙だった。
東京はプレスの強度は低くはなかったものの、想像以上に上手くボールを動かしてくる徳島に対して想定よりボールが奪えない、また奪った後も各選手がゴール方向に矢印が向いており、動きが単調になりがちなり、各々の距離感も離れていたので単騎突破になる展開が多く徳島の守備陣としては対応し易かったと思う。WGのサポートに入りたいSBは島の両SBが高い位置を取って来る事もあり、上りは自重気味、WGは孤立する事が多く、裏抜けも出来る田川はまだしも、足元で受ける紺野は常に数的に同数か不利な展開で仕掛ける形になり少々不憫だった。保持ではWGとIH、SBを絡めて主に右サイドから崩しにかかるも不発、どこかお互いに信用しきれていないような探り探りの保持が印象的な攻撃が多かった。
対する徳島、序盤こそ京のプレスに戸惑うシーンもあったが、慣れてからは徐々にプレスを剝がしながら前進するシーンも増えた、特に徳島の左SBジエゴと左SH川上が厄介で東京の右SB中村が守備が不得手な部分もあり、ここに起点を作られていた。ただ、東京もアンカーに入った青木が中央部分を上手く消していたので、徳島はFWの河田佐藤を上手く使えず。この2人は縦に深さを作るというよりは横並びの関係が目立った為、徳島としては中央にボールを入れたくともパスコースが無く、最終的にはサイドから中央を入れるなどクロス中心の攻撃になっていた。東京蓮川オマリという初のコンビだったが、2人とも空中戦に強く、徳島としてはかなり分の悪い攻めになってしまっていた。
東京は田川の単騎での仕掛け、徳島は前半終了間際に何故かポジションを入れ替えた東京WGの守備の不手際をついた場面でチャンスは作れたものの、お互い決定機はなかなか作れずに終了した。



後半

③保持に見出した活路

東京は選手交代は無し、徳島は安部に替えて田向佐藤に替えて鈴木輪太郎(ワディ)と交代カードを切ってくる。
徳島は前半と違い後半のスタートは前から圧力をかけ、東京に長いボールを蹴らせてセカンドボールを回収、素早くサイドに展開してチャンスを作ろうとする、後半3分のシーンはそのパスを受けた川上が前半から再三狙っている東京右SB中村との一対一を制して決定機を演出、河田のシュートは東京GK児玉のスーパーセーブに防がれてしまうが、後半は早々にチャンスが出来た徳島
対する東京は奪ってから展開の手段が乏しいこともあり、徐々にボールを保持する時間を長くしていく、お世辞にもこの展開が得意とは言えない東京だが、プレスが嵌らない以上は徳島にボールを保持させると自陣に押し込まれジリ貧になりかねないので、自ら持つ時間を長くして、逆に相手を押し込む時間を長くするのは悪くない選択だと思った。前半は選手間の距離が遠く、またポジション移動も少なかったので徳島の守備陣を動かせなかったが、後半はサポートに入る人数も多くして、距離感を近くしたことによりパスが繋ぎやすくなり、それによって徳島の選手を動かしていく。
後半13分のゴールは相手のミスからゴールを奪ったものだが、直前に右サイドに人数をかけてスペースを作り、そのスペースを田川が上手くつかったので、全くのラッキーという形ではなかった。

画像2

④高萩トップ下というオプション

ゴール直後、東京永井からアダイウトンへ選手交代、更に23分に紺野に替えて高萩を入れる。高萩は昨季の終盤から中盤の低い位置というよりは、トップ下やシャドーの位置で使われるようになったが、今期もそこに関しては変わらないようだ。
更にこのあと渡邊が入り、保持の際のコンビネーションはかなり改善されたように思う、相手の嫌な位置に顔を出してボールを受け、ラストパスを狙える高萩トップ下のオプションに関してはかなり面白いのではないかと感じた、今後に期待。
さて試合の方は東京の得点後、徳島が同点に追いつくべく交代選手を使いながら攻勢に出ようとするが、東京も全体はひきつつブロックを作るので中々攻めあぐねる展開が続く、垣田が入ってからは中央で起点となるポジションが出来て、京のPA内まで攻め入るシーンが出来たがクオリティの問題で決定機は作れず。
結局追加点こそは奪えなかったが1-0で東京が勝利した。


あとがき

東京は試合には勝利したものの、昇格組の徳島、しかもターンオーバーしたを相手に1-0の辛勝はあまり褒められたものではないかもしれないが、何よりシーズン公式戦初勝利という一番大事なものを得られたので、良しとすべきではないだろうか。奪った後の攻撃や新戦力組との連携面などでは課題も多いが、この3月連戦で実戦を行いながら深めていくしかないだろう。
徳島については、ボール保持の設計や個々のスキルなどはJ1でもかなり有効な印象を感じた、ただ後半投入された鈴木輪太郎をどう絡めるのか、彼がどういう意図で投入されたのかは分からなかったが、入ってからのボールの循環が滞っている印象があったので気になるところ、あとは誰がゴールを奪うのか、垣田が入る前の河田佐藤の動き方、特に深さを作る動きが少ないことが気になった。ボールは持てるが…という展開が増えそうに見えた現状だった。


FC東京選手寸評



GK 1 児玉 剛
勝利の立役者その1。後半3分のピンチを決められていたら恐らく勝利は無かった、この日初にして唯一の非決定機を左脚でセーブ。ベンチにいようと腐らず準備出来ているからこそ活躍、頭が下がる。
ビルドアップでピンチを招くシーンもあったがそこは波多野も変わらず、ポジション交代があっても驚かない。コーチングも◎

DF 22 中村 拓海
小川と森重のいないこの日は後方でのビルドアップを担う形に、彼個人のせいでは無いが詰まる場面が多かった。それでも先制点では右サイドで起点に。
守備は苦労した、徳島も彼のポジションを積極的に狙ってきていたが、それは今後対戦するチームも皆狙って来るだろう、常時スタメンを目指すなら対人守備を改善したい。

DF 25 蓮川 壮大
この日出た選手では一番のインパクト、前に出て潰す守備、カバーリング、空中戦と全ての対人戦でほぼパーフェクト、ビルドアップがまだまだ未知数な部分はあるが、今すぐ森重と渡辺の間に割って入れるだけのポテンシャルを見せた。右SBに入れるのも大きい、即戦力に違わぬ実力を見せつけた。

DF 32 ジョアン オマリ
コンディションも良くないだろうが、攻撃と守備に不安な部分を覗かせた。ビルドアップでは左側を切られるとほぼやれる事がなくなってしまう、更には昨年も見せた地上戦の軽さは気になるところ…蓮川にカバーしてもらう様では困る。ただ空中戦はさすがなので、何とかコンディションを上げて昨季終盤の様な活躍を期待したい。

DF 49 バングーナガンデ 佳史扶→81'
良くも悪くも目立たず、しかしそれはこの日彼が与えられたであろうミッションを考えると、充分に及第点だと思う、横がオマリ、逆サイドが中村拓海という布陣では基本的にバランスをとりながら守備優先で動くしか無かった。良く周りと連携も出来ていたし、成長は感じた。

MF 7 三田 啓貴
YouTuberはコンディションが良いようだ、この日はキャプテン、更には中盤で溜めを作れる存在とあってピッチを奔走した。恐らく今の三田に求められているのはハードワーク、この日の働きがフルシーズン出来るのであれば、セットプレイのキッカーというスペシャルな武器を持っている分、一歩抜きん出る条件は揃っている。

MF 21 青木 拓矢
忘れかけていた中盤の底に選手がいる安心感を思い出させてくれた選手、攻守に良いポジション取りでバランスをとってくれて、穴が開かない様に振る舞う姿は期待通りのものだった。対人守備に一抹の不安も感じたし、攻撃では彼の良さをチームメイトが使えない場面も見受けられたが、スタメンに入っておかしくない出来を見せてくれたと思う。安心って大事。

MF 14 内田 宅哉
黒子としての働きに磨きがかかっている、オフ・ザ・ボールでのスペースメイク、味方へのフォロー、危機察知して素早く寄せるディフェンス、確かに攻撃での関与にはまだ課題はあるが、それを差し引いてもチームの潤滑油として、この日は欠かせない選手だった。後半のシステム変更も複数ポジションをこなせる彼がいてこそ、点に絡む部分で仕事が出来る様になれば、間違い無くレギュラーになれるだろう。目立たないが良かった。

FW 38 紺野 和也→68'
この試合はちょっと不憫だった、単騎で仕掛けなければならないシーンが多く、いくら彼がドリブル突破に優れていても、それしか無いと分かって待ち構えているDFをぶち抜いていくタイプでは無い、彼はレアンドロでもディエゴでもアダイウトンでも無い、左よりも右の方がやりやすそうだが、前半終了間際の守備の遅れは減点、健太監督はあの手のミスが大嫌いなだけに気をつけたい。

FW 27 田川 亨介→81'
この日一番気合いが入っていたであろう選手、チェイシング、裏抜け、ポストとサボらず顔を出していた。ゴールはそのサボらない動きに対するご褒美だろう、コンディションは良い感じなので、セレッソ戦のスタメンも充分にある。

FW 11 永井 謙佑→61
まだまだ試運転中、それでもこの日出た選手の中では一番経験のある選手らしく、自身はあまり動かずに周りに声をかけながらのサポート重視の動き方、東京の場合は彼がいてこそのプレッシングスタイルなので、復調を待ちたい。

GK 41 野澤 大志ブランドン
出場無し。

DF 29 岡崎 慎
出場無し。(蓮川の活躍で厳しい立場に、奮起して欲しい)

DF 34 大森 理生
出場無し。

DF 6 小川 諒也←81'
見せ場は少なかったが、オフサイドになったとは言え、抜け出した相手についていって決定機になりそうなクロスを封じた。3度目の坂元封じにコンディションは万全。

MF 8 髙萩 洋次郎←68'
投入後はチームのボール循環が見違えるようだった。コンディションなどを考えても、起用法は今後こういう形が多くなるのだろう。特に点が是が非でも欲しい場面の切り札として期待したい。


FW 15 アダイウトン←61'
開幕戦に引き続きの登場、外国人選手の中では一番コンディションが良さそうな動き、ただまだまだ100%では無い。川崎戦を見る限り、セレッソの最終ラインには「テクニック」より「パワー」の方が効きそうなので、彼にも期待したい。

FW 23 渡邊 凌磨←81'
やはり周りと連携するプレイは見ていてワクワクする、彼がボールを持ったらサポートに付きたいところ、色んな選手と化学反応を起こしてくれそうで楽しみである、守備意識はこの試合も◎。


終わり!
結局長くなってるやんけ!もっと短くしないと続けられないような気がするので、今後は箇条書きスタイルなどにも挑戦してみます。
ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?