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死にたさをゆるやかに許容する(数行日記)


 7月1日

 CHANELに行った。ネイルのコース予約してたんだ。セルフで綺麗になれる方法を知りたくてね。ネイル持ってるんだけどどうしてもうまく塗れなくて、特に左手がうまく動かないから右手は全く塗れなくて、だから、上手に塗るコツでも知っておきたいなと思って。

 土曜日だったから、仕事の関係上土曜日の午後と日曜日まで楽しんだら落とすかな、と思いながら、N°5の色、ゴールドの指になった。


 不器用オブ不器用、かつ、指がうまく動かなくて、おまけに左に関しては左手全体が(というか正確にいえば左上下肢が麻痺だから手足なんだけど)そもそもうまく動かない私にしては上出来。時間があればもう少し丁寧にぬれたんだけど、周りのペースについていけなくてちょっと失敗しちゃったかな。


 福島帰ってきた後くらいから、ちょっと手が荒れてて、ささくれとか腕とか手首も発疹が出ているんだ。早くに、綺麗に治ることを祈る。


 この後、新宿に行って3月に頼んだYSLの品を取りに行ったり、伊勢丹のクラランス×星の王子さまも見に行って結局買っちゃったりしたんだけど、そうしたら、新宿のマルイのテニプリ見てくるの忘れて帰ってきちゃった。 


 7月2日

 起きたら、本当は新宿行こうかなと思っていたけれど、ぐったりしていて全然起き上がれなかったから諦めた。一日中家にいた。写真の整理するはずだったんだけど、それもできず。ただただ家にいた。ああ、もう、日曜日か、と思いながら。だが、情熱はあるの最終回を観て、本当に良い作品だったなと思った。今期のドラマ全部観ているわけじゃないけれど、1番よかったと思っている。

 だが、情熱はある
 ソロ活女子のススメ3
 王様に捧ぐ薬指

 この3つは特によかった。    



 借りてきた梶井基次郎を読んでいなかったから、読むか、と思って、だが、以外の時間で読んでいたけれど、梶井基次郎は、檸檬と桜の木の下には、が好きなだけで他の作品は、わりと鬱っぽくというか、読みづらく感じてなかなか読み進められない。

 城のある町にては、結構文章が軽快で、むしろその、目に見える風景を切り取った感じで、檸檬のように重くはなくまた、心のうちを記した物語ではない。
 恐らく、わたしは、梶井基次郎は、たぶん、会話があったりするよりも、見える風景とかそこと心情とが交錯するような文章の方が好きなんだと思う。檸檬とか蒼穹とか。


 7月3日

 深夜1時頃、お風呂から上がってベッドに腰掛けて、いつも通りメガネをぽんとベッドに置いたまま、パック、化粧水、美容液・・・と手入れするために、いや、パックはいつもそんなきっちりやれているわけじゃないけれど、まあとにかく眼鏡をぽんとベッドに置いた。

 気が向いた時だけやるフェイスマスクをしばらくして、はずしてそのまま洗面所のゴミへ捨てに行って、視力のないまま部屋に戻ってきて座った瞬間、ぐにゃんと音が聞こえた。いや、物理的に音が聞こえたわけじゃ、ないのだけれど、あ、と思った時には遅かった。眼鏡のつるが、不自然に捻りあげられた。この間、ちょっと見えづらくて眼鏡を綺麗にしにもらいに行った時、この眼鏡廃盤になったってきいた。限定品だったんだよねそういえば。明日、朝から仕事なのだけれど、コンタクトで行かなくちゃ。

この曲がり方のひどさわかります?



 しんどい。何もかもがこういうちょっとしたことでもう心が折れてしんどくて死んでしまいたくなる。すぐに死んでしまいたくなる。


 そういえば、少し前に、すぐに死にたいなどという人は心が弱いんだと思います、と、小学生の女の子が投稿していた何かを読んだ。


 そうだね、弱いんだよ。認めるよ、弱いんだけどさ、認めるんだけどさ、


 レジリエンスは、今の時代必要だからね、心力鍛えなきゃならんのだけれどさ、いろんな事情やその人それぞれの性格とか、状態とかで、自分では頑張ってもなかなか強くなりづらい環境の人もいるんだよ。だから、否定はしないでほしいなって思ったりする真夜中。眼鏡が無事になおることを祈る。

 仕方がないけどとりあえず寝る。もうここ数年、まともな時間に寝れていない。2時。


 眼鏡はぽきっと折れなかったけれど、心のどこかで何かがぽきっと折れる音がした。


 目が良かったら、こんな悩みや失敗もないのにねえ。


 土曜日にした金色の爪を、仕事前に落とすか悩んだけれど、とりあえずこのまま出勤することにした。爪に視線がいったらどうしようって、今のうちからちょっと爪を隠すように猫の手気味になってたのに、眼鏡壊してしまったから、コンタクトで行かなくちゃいけなくなって、普段眼鏡で勤務している私がコンタクトできた場合、


まあ、わたしごときが眼鏡だろうがコンタクトだろうが、爪が自爪だろうが金だろうがだーれも見ちゃいないと理解はしているはずなんだけれど、


「コンタクトつけてる方に視線が行くから爪は指摘されないかな」


なんてね、前に爪やった時は、土日で爪を楽しんで日曜夜に落としたんだよ。



 眼鏡のツルを曲げてしまっただけで、しかも、自分の不注意なのにね、それだけで、ちょっと死にたくなっちゃうような弱い人間だから、気に入った眼鏡とかシャンプーとか歌を愛用し続けたい気持ちにすごく執着があって、


それは特性なんだろうけれど


 例えば、夜神くんの家で使ったシャンプーだから、未だにLUX luminique midnight aromaを手放せなくて、廃盤?出荷しなくなってから、無くなるのが嫌で使わないで置いていたら、暑すぎたのかこの間部屋の床に噴き出していた。それを見つけてショックで、死にたくなった。


 もうね、ただ、息吸って吐いて、とりあえず仕事にはまだいけているけど、それもとりあえず出勤してるだけ、予定入れちゃったから、なんとなく予定こなしてるだけ、ドラマとか何かを観ている時間は、そんなに何も考えてないから、無思考に時間が過ぎているだけ、


 ひょっとすると、Spotifyで歌を流してぼーっとしていたら5時間とか、そんなのでも精一杯でなんだか心がいっぱいで苦しくてね、


 わたしは、弱い人間なんだって突きつけられる。


 7月1日と2日と、3日の深夜、


 たった2日ちょっとは、死にたくなるのには十分で、


 けれど、「だが、情熱はある」が、最高の出来で、すごく良かったっていうその感想だけで、あと1週間くらいは生きてもいいかなという気持ちともうこのドラマが終わってしまった絶望を抱いていて、


 とりあえず今は、梶井基次郎を鬱々と読んでいるし他にも積読しすぎているから、無理だけれど、山里さんと若林さんの著書、読んでみようかなって気にはなった。



 そうそう、7/1のことなのだけれど、
もう星の王子さまに課金することはないと、ミュージアムを後にした時思っていたのに、クラランスが星の王子さまコラボ出してくるからさ、伊勢丹に観に行って、観に行ったらどうしても欲しくなって、絵柄も3つとも良かったけれどさすがに3つも買えないけど、でも、欲しくて手に入れちゃったんだよね。罠すぎるね。




 金の爪

 星の王子さま

 だが、情熱はある


 愛する眼鏡

 死にたさ


 混沌すぎてわけがわからないまま、7月が雪崩の如く終わっていっていた。


 死にたさをゆるやかに許容したい。


 そうやって強くなりたい。


 死にたいがわからないで強くなるんじゃなくて。


 ちょっとしたことで死にたくなるのは、死にたいんじゃなくて消えたいんだろうね。


 なんというか、ちょっとしたずれが、我慢ならないくらい、ちょっとしたボタンの掛け違えで、何もかもがうまくいかなくなることを、知っているから。


 みんな、上手に生きてるんだね、わたしだけかなあ、こんなに生きるのが下手なのは、


自立しなきゃいけないのに、気付けば父との約束の期日まで2ヶ月を切っていて、けれど仕事はやっぱり減らされる一方だった。誰かにこの命、あげられたらいいのにな、なんて思いながら、梶井基次郎を読んでいたら、私は案外、太宰の方が好きかも知れぬと思ったり。


 あらま、文豪は、梶井基次郎が1番好きだと思い込んでいたのね。



 今のわたしは、生きていたくないというよりは、死にたいんだ、でも、生きていたい気持ちもあるのは、死んだら生き返ったりしないってわかっているからなのかもしれない。


 せっかく、爪を金色にしたのに、何かにかぶれて手が痒くて血も出ていて、ささくれもしてもう嫌になっちゃうわ、と思いながらやっぱり私はまだ生きていた。明日も出勤なのに、今は2:18。


 この間、会いにいった友人に、別れた後メッセージで言われた言葉が、リフレインした。


 大切にしたいから、記載しないけど、弱い心を見透かされていた。

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