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和訳は、効果的に使うと威力を増す話。

 和訳するのは悪だって言ってたの誰だろうか。


 和訳せずに理解こそ正しいみたいな言い方とかね。

 まあ、そりゃすべての単語逐語でやっていったりしたら大変だし、結局日本語で理解してるだけにしかならないんだけどさ。


 和訳が悪なわけじゃないんじゃない?


 あ、後ろから訳すとかは、ちょっといただけないと思ったりはするけどね。


 だって言葉は、後ろから始まってるんじゃないでしょ日本語だって。


 文頭からやるべきだよ。


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 仕事で図書室にいたら、図書室で英語の授業だったそうで、英語教員の友人が高3の生徒たちを連れてやってきて、授業をしていた。しばらくして聞いているとある和訳をさせているようだ。


 しばらくしたら、友人が私のところに来て、ちょっと来てと言って、生徒たちが授業を受けている側に連れてこられてホワイトボードに書かれた生徒の書いた文章を見させられた、


 生徒が書いたと知らずに、友人が書いたのかと思って全然読めないアルファベットに思わず
「字が読めんな」と呟いてしまったら、目の前の生徒の子が「すいません」と言ったので謝った。やはり口を慎むがまだできていないようだ。ふとした言動にはかなり気をつけなければならない。「いやいや、ごめんね」と謝ったけど受け取った相手がどう受け取るかはわからない。


 和訳させている文章はこれだった。

A.
Few things prepare you for meeting a great ape in the wild.


 いつから英語に触れていないか、いや英語に触れている時は確かにこの程度なら訳すとかならできたし、和訳せずともそのまま英語で理解できていたはずだけれど、全くだった。

 最初普通に訳してよくわからないな、と思ってから


 そもそもこれ、物質が主語になっているから書き換えればいいんじゃない?と思い

It is few things that you prepare meeting a great ape in the wild.に書き換えた。


それから、意味を解くために自分の中で英語を足した。


It is few things that you prepare when you are meeting a great ape in the wild.


太字のところを先に訳しておいた方が楽そうだ。

自然の中で類人猿に遭遇する場合、となりそうだ。


 ここからは、頭の中でいちいち英文法を取り出して考えていたわけじゃないけれど、わかりやすいように英文法解説を入れて書く。

次に、前半を見てみる。


It is few things that you prepare meeting a great ape in the wild.

→fewというのは、ほとんど〜ないという形容詞だ。

ところで、この文、It isがSV(主語述語)に見えるけれど、


この文単体できている場合、It というのが何を指すのかという点を考えると、It is that〜文でthat以下について示しているので、形式主語か強調構文だと考えられる。

形式主語というのは、主語が長すぎる時に、仮としてItを主語として、that以下に本当の主語を持ってくるものである。ネットで調べたら良い文があったのでこのまま引用させていただく。

It is interesting to communicate with people from foreign countries.

https://englishteachaon.com/grammar/keishikisyugo



今回だと
It is interesting なにかが面白い、

そのItを指しているのは、to以下でto以下が本来の主語である。


ただ長いから、仮にItを主語として、長い主語は動詞の後にまわした。


長い主語を後ろに回しただけなので、
It= to communicate with people from foreign countriesとなる、こちらが真主語だ、


.

一方、先の

It is few things that you prepare ☆ meeting a great ape in the wild.


という文のthat you prepare ☆を見た時、prepareの後、☆の部分に言葉が足りない。何を準備する必要があるのかこの文ではわからない。その主張したいこと(☆)はどこにあるかと言えばIt thatの間にあるではないか。


 これこそが、that以下が不完全になっている強調構文の特徴である。


 強調構文というのは、ある文章の中で強調したいところをIt is 〜 that・・・のこの〜にもってくることで、その部分こそが言いたいことであると主張ができる。


 強調したいことを前に持ってきた分、その部分は、後ろの本来のところから抜ける。


 では、この上の文は、It thatに挟まれた
It is few things that you prepare (☆) meeting a great ape in the wild.と


few thingsが主張したいこととなる。


強調したいところを前に持ってきて挟んだということは元の文は、☆にこの太字が入るということ。

つまり、もともとは

You prepare few things meeting a great ape in the wild.という文になる。

さらに言えば、meeting a great apeしたのが誰なのか、その部分に対する主語述語も記載されていないので今回は結構難しい。


ここで、強調構文の他の例を出しておく。


例えば、


It is the fact that I wanted to know.

という文の場合

I wanted to knowの後の目的語が抜けている。
どこに行ったのかといえば前にあるthe factじゃないか。


この文は本来、I wanted to know the fact.だが、


ここでは、その事実、こそが!

私が知りたかったことだ、太字部分を強調したかったので

It is〜that…で挟んで


It is the fact that I wanted to know.

としているし、

It is the quality that is really important, not the quantity.

という例文があった場合


Not the quantity but the quality is really important.
という文の、but the quality質こそが!大事だと主張したいのでthe qualityを前に持ってきて挟んで

It is the quality とし、that is really important,という文にしているのである。

not the quantity(quantityじゃ、なくってね!)

といった感じである。


 そういうわけで

You prepare few things meeting a great ape in the wild.

という文の few thingsを強調しようとして、

It is few things that you prepare meeting a great ape in the wild.とし、

さらにここに省略を加えたものということになる。

 従属節(文章全体の主語と述語は主節として、文章全体の中で、主たるところではなく追随している文章のことを従属節といいます。詳細は省きます。 ここではmeeting以下)の主語と述語が、主節と同じ場合省略できるということにより書かれていない。


英語というのはとにかく繰り返しを嫌うものである。


 つまり、このmeeting a great apeするのはYou なので、


 そうなると、本来この文は

You prepare few things (when you are)meeting a great ape in the wild.

となり、この従属節を訳すと

あなたが、自然の中で類人猿に出会うとき、

となる。

では、次に主節(You prepare few things)は、どうなるか。


このまま訳すと、まず

few という単語に気をつけなければならない。


a few もfewも形容詞だが、

a fewは、「少し〜ある」と訳すのに対し、

fewになると「ほとんど〜ない」とほぼ真逆の意味になる。


では今回の文にあてはめると、


You prepare(あなたが準備する)こと(things)は、

few(ほとんどない)なのである。

You prepare few things
あなたが準備することはほとんどない


何がthings(こと)だったかを考えるとその後に続く文when you are meeting a great ape in the wild.である。


つまり、


あなたが自然の中で類人猿に遭遇した時、に、


あなたが準備することはほとんどない


のである。


ここまで訳せたらここからは日本語力の問題、理解の問題である。


類人猿に遭遇した時(あなたが)準備することはほぼない、つまり、準備する必要はないということだ、なぜ?


あなたは、自然の中を歩いていて、類人猿(オランウータンやゴリラ、チンパンジーなど)に遭遇する機会はどのくらいあろうか。


もしかしたら、どこかのジャングルに暮らしていて、オランウータンと生活を共にしているなどの種族の方はいるかもしれないけれど、まあ、一般的に考えれば、特にこのように英語を含めた言語をもとに"文化的生活"(文化的生活というのは、我々人間の側から見た偏見的言い方でもあるのであえて" "をつけます)を送り街に暮らしている私たちが、野生の野ざるに出会うことはそうそうないと考えられる。そんな可能性はほぼほぼないのだから、別に準備することはほぼ何もない、わけである。だって出会わないんだから。


だから

You prepare few things (when you are)meeting a great ape in the wild.

もとい、

Few things prepare you for meeting a great ape in the wild.は

あなたが野ざるに出会うことなど滅多にない


という意味だと捉えられる。


これは、和訳だけの問題でもないし、英語力だけの問題でもなくて、どちらかというと


理解力の問題、書いてある英語の文一つひとつを理解した上で、


つまりそれは、どういうことか、何を言いたいのか、を考えていかねばならなくなる。


今回はあえて(生徒や私など第一言語や主言語を)日本語として、生きている日本語話者の私たちが、理解できているか、どのくらい文意を読み取って筆者の主張をとれるか、というために、あえて日本語訳をさせたのだと思う。

日本語訳をさせる授業というのは、こういう時に効果を発揮する。また、

英語力というのは、こういう文をきちんと構造的に理解でき、読み取れるか、また英語話者の思考でこのようになることを考えられるかにもかかっているのかもしれない。



あまり詳しいわけではないが、個人的に大学受験問題で、このように和訳や意味を理解できているかを問うている良問を出すのは



慶應義塾大学文学部の英語問題の下線部和訳と

東大の英語の要約せよ、だと思っている。



まさに、抽象度の高い文を読んで、単語一つ一つの意味が分かっても文意や文章全体を把握できていないと和訳や要約ができず、そのための英語力と、そして訳や要約する際の日本語力も試されている。




今回の例文も日本語力がないと英語をやっていけないというのをよくよく思い知らされる良問だ。


英語力の差って、こういう時に現れるんだよなあと思う。

 和訳はダメ!と全面否定の方も時折見かけるけれど、逐語訳させて理解させていくだけの授業とか、和訳させて終わり、みたいなものが結果英語を英語として理解することができなくて、英文を読むのにいちいち全部辞書引いて、とか日本語にして、となるから英語での理解にならなかったり、結果理解が遅いだけであって、


 そして、そうした逐語的な訳のとき、英語話者の思考の仕方(文章構造)を理解できないままになるというだけであって、和訳完全拒否!というのもまた違うんだなあと、友人の授業を見ていて改めて思った。


 似たような、日本語力、読解力が試される文がないかなーとネットを探していたら大阪大学で出題されたと記載のある文を見つけた。先の例と比較すると非常に文章の意図は明快だが、この文章を日本語で理解してみよう。


B.
There are some good reasons for speaking freely about the possibility of dying to those with fatal conditions. An ill person who strongly suspects approaching death, but is denied the least opportunity to question or discuss this, can feel cruelly isolated if the people around the patient remain silent. The patient may be surrounded by people whose every apparent word or action is designed to deny or avoid the fact that death is approaching , and therefore the patient has an awareness of being deceived.


 さあ、どう訳せるだろうか。


ちょっと長いのですこしずつ間を空けてみよう。


There are some good reasons for speaking freely about the possibility of dying to those with fatal conditions.


An ill person who strongly suspects approaching death, but is denied the least opportunity to question or discuss this, can feel cruelly isolated if the people around the patient remain silent.



The patient may be surrounded by people whose every apparent word or action is designed to deny or avoid the fact that death is approaching , and therefore the patient has an awareness of being deceived.

三分割してみた。


There are some good reasons for speaking freely about the possibility of dying to those with fatal conditions.

ここから見ていこう。
まずThere are some good reasons for
=何かについて幾つか良い理由がある

何について?それがfor以下にある
for speaking freely about
=〜について自由に話す(率直に話す)


何について?
the possibility of dying to those with fatal conditions

the possibility of=何かの可能性について、
何の可能性かというと、

dying 死の可能性


どんな(誰の)死かというと

to those with fatal conditions
致命的な状態にいる人々=
死を避けられない人々の

ここまでを見ると、

(=死を避けられない人々の死の可能性について自由に話すことにはいくつか良い点がある。)



An ill person who strongly suspects approaching death, but is denied the least opportunity to question or discuss this, can feel cruelly isolated if the people around the patient remain silent.

An ill person 病気の人、

どんな病気の人かはwho以下。

who strongly suspects approaching death,
つまり、死が近づいていることに関してひどく懐疑的な人(疑問を持つ人)

but ( who )is denied the least opportunity to question or discuss this
しかし、このこと(死を避けられない人々の死の可能性)について質問したり話し合ったりする機会は少しもない人

は、

can feel cruelly isolated

=ひどく孤立していると感じられる(感じる可能性がある。)

どんな場合に?

if the people around the patient remain silent.
= もし、患者の周りの人々が黙ったままでいると(場合だと)

→つまり、もし、患者の周りの人が、何も話さずにいると、死が近づいていることに対して懐疑的なまま誰かと話す機会がない患者は孤立していると感じてしまうかもしれない。


だから、筆者の主張として



There are some good reasons for speaking freely about the possibility of dying to those with fatal conditions.
(死を避けられない人々の死の可能性について自由に話すことにはいくつか良い点がある。)

と主張したいようだ。


さあ、続きだ。



The patient may be surrounded by people whose every apparent word or action is designed to deny or avoid the fact that death is approaching , and therefore the patient has an awareness of being deceived.


The patient may be surrounded
患者は囲まれているかもしれない。

誰に?by以下

by people

人々に囲まれているかもしれない。


どんな人々?


whose every apparent word or action is designed to deny or avoid the fact that death is approaching,

apparentとは見かけ上、一見という意味だ。

apparent word or action見かけ上の言葉や行動

everyもword or actionにかかっているので


every(いずれの、どの、) も合わせて

表向きの言葉や行動の一つ一つに、

となる。

その人のevery apparent word or action がis designed to deny or avoid the fact

事実を否定したり避けたりするように、is designed〜(=〜するように作られている、仕向けられている。)

つまり、表向きの言葉や行動の一つ一つが、事実を否定したり避けたりするように仕向けられている人々。

ここまでをまとめると、


The patient may be surrounded by people whose every apparent word or action is designed to deny or avoid the fact
= 表向きの言葉や行動の一つ一つが、事実を否定したり避けたりするように仕向けられている人々に患者は囲まれているかもしれない。

じゃあ、どんな事実を否定しているのか、それが

the fact that death is approaching,

である。

このthatは、

the factの中身を説明しているということは
thatの前と後は同じ、でthatの後が完全文(主語述語補語などに不足がない)同格のthat(thatの前と後は同じ、直前の名詞の内容を説明する)である。

事実=死が近づいている

つまり、この部分をまとめると、


死が近づいているという事実を否定しているということだ。



患者は、死が近づいているという事実を、否定したり避けようと表向きの言葉や行動を取り繕う人々に、囲まれているのかもしれない、

となる。続きを見よう。

and therefore the patient has an awareness of being deceived.


そして、therefore(=それゆえに)the patient has an awareness of (患者はof以下のことに気づいている)


being deceived.

be deceived by〜 =〜に騙されるという意味である。

今回は、ofの後についているのだが、受動態になっていて非常にわかりづらい。


by以下が省略されている場合、患者を騙した相手は一般的に人々(people)なので元の文は

people deceive the patient.となる。
これが受動態になるので
患者は騙される、となる。

先のところにあてはめると、

and therefore the patient has an awareness of being deceived.

したがって、患者は(自分は)騙されているということに気づいている

となる。

③をまとめると、

The patient may be surrounded by people whose every apparent word or action is designed to deny or avoid the fact that death is approaching , and therefore the patient has an awareness of being deceived.

患者は、死が近づいているという事実を否定したり避けるために、表向きの言葉や行動を取り繕う人々に囲まれているのかもしれない、それで患者は騙されるということに気づく。


ここまでをすべてまとめると、


There are some good reasons for speaking freely about the possibility of dying to those with fatal conditions. An ill person who strongly suspects approaching death, but is denied the least opportunity to question or discuss this, can feel cruelly isolated if the people around the patient remain silent. The patient may be surrounded by people whose every apparent word or action is designed to deny or avoid the fact that death is approaching , and therefore the patient has an awareness of being deceived.

死を避けられない人々の死の可能性について自由に話すことにはいくつか良い点がある。
もし、患者の周りの人が、そのこと(死の可能性)について何も話さずにいると、死が近づいていることを考えている患者は、死の可能性に関して誰かと話す機会がないまま自分は孤立していると感じてしまうかもしれない。そして患者は、患者を取り囲む人々は、死が近づいているという事実を否定したり避けるための表向きの言葉や行動を取り繕っていて、自分は彼らに騙されているということに気づくのだ。



これを、もう少し、わかりやすく噛み砕くと、

死を避けられない状況にある人と、死の可能性について自由に話すことには、いくつか良い点がある。自分に死が近づいていると強く感じている患者は、そのことに関して誰かに疑問をぶつけることができなかったり、周囲の人が話さないでいると、ひどく孤立を感じるかもしれない。患者は、周りの人が、自分に死が近づいているという事実を否定したり避けようとしてうわべの言葉や行動を並べていることに気づいて騙されている(隠されている)と認識してしまっているかもしれない。


これをさらに言い換えると、

(終末期患者や死の可能性のある危機にある患者など)死の可能性のある患者と、死について話すことは良い点がある。死が近づいていると強く感じている患者はその状況に関して疑問をぶつけたり誰かと話せないままでいると孤独感を感じるかもしれない。そして患者は、周囲の人が、自分の死の可能性を否定したりその話題を避けようとしていると気づいてむしろ、周りの人は死ぬ可能性のことに関して本当のことを隠している、と気づくかもしれない。(だから、死の可能性のある患者と、死について話すのは良い点がある。)

さらに言い換えれば、


重篤な状態にある人に対して、死の可能性について自由に話すことにはいくつか利点がある。自身に死が近づいていることを強く感じている病人が、その状況について誰かに質問したり話し合ったりする機会を限りなく制限されると、周囲の人々が自分の死の可能性について黙っていることでむしろひどい孤立感を抱くかもしれない。病人は、死が近づいているという事実を否定したり回避したりするために上部だけの言葉や行動を並べる周りの人々から、自身が欺かれていると思ってしまい、より孤独感を抱くかもしれない。(だから、死の可能性のある患者と、死について話すのは良い点がある。)


まあこんなところだろう。もう少しうまい日本語にできる気もするけれど。



 単語の意味というのは確かに最終的には一つ一つを理解していないと理解にはいきつかない。しかし、逐語的に訳すのではなくて、文章全体を見て、前から前から、理解していく、それが英文解釈になるだろう。


今回、先に友人が挙げた例を渡されてからこの記事を書くまでおよそ2〜3時間の間に、残念ながら、友人が授業で扱った例ほどの良い文意を汲み取って考えて訳す例は思いつかなかったし探しつかなかった。

英文解釈、特に和訳を求める問題がきた場合、英語力はもちろんのこと、英文全体を理解した上で、その英文がつまりどのようなことを指しているのか、という日本語力、国語力が試されている。


B.のような文章をこのくらいまで精読できるようになると、A.のような文について、詳しく詳しく見ていける気がする。


さらに強調構文。全然例文が思いつかなかったので引っ張ってきた。


Her charming smile that has given her an advantage over the other actresses who tried to win the role.


→ that has givenと主語になるだろうと考えられるHer charming smileの部分に注目したい。thatが省略されても通じる。
Her charming smile has given her 〜
となるのだが彼女の魅力的な笑顔こそが、彼女に何かを与えたらしい。

ここを強調したいからこの文にしたのであろうというのは推測できる。

そこで強調構文だろうとふんで、It is 〜thatを挿入してみよう。


It is her charming smile that has given her advantage 〜  その魅力的な笑顔こそが、彼女に長所を与えた、と意味を汲める。


全文

It is her charming smile that has given her an advantage over the other actresses who tried to win the role.

つまり

It is 〜that・・・の間に挟んでher charming smileこそが、その役を勝ち取ろうとしていた他の女優たちと比べて優れている点(advantage over〜 =〜に比べて優れている点)だった、と言える。


さらに、強調したい部分を挟むのが強調構文ということなので、


例えば


It was the first mammal that Dolly was to have been successfully cloned from an adult cell.

という強調構文を作った場合、

最初の哺乳類だったのだ!!
ということを強調した
いので前に持ってきたわけで、

これの元文は
Dolly was the first mammal to have been successfully cloned from an adult cell.

ドリーは、体細胞からクローン化され成功した最初の哺乳類だった。(英文は、リンがメタリカp.219より)となる。

逆にこの文の中でまさに、他でもなく、ドリーだったのだ!!ということを強調したい場合


It was Dolly that the first mammal to have been successfully cloned from an adult cell.

となる。


そして、この文も、最初に出した例と同様に、省略できる部分がある。

Dollyを前に持ってきて、to have been を省略すると

Dolly was the first mammal successfully cloned from an adult cell."
とも言える。


もし、the first mammal を強調したいとなると

It was the first mammal that Dolly successfully cloned from an adult cell.となる。

これでドリーは、成体細胞からクローン化した最初の哺乳類であることを強調した文になった。この文を省略する場合、文全体の主語Dollyが主動詞clonedの直接目的語になっているので

The first mammal was Dolly successfully cloned from an adult cell.

ともいえる。


 こうやって考えていくと、

おそらく、というよりほぼ確実に、

ある英語をどれだけパラフレーズできるか、
他の言葉や表現に置き換えられるか、が英語解釈においてかなり大きなポイントなのだ。


特に、最初の例文のように、英語では無生物主語が多かったり、言いたいことを最初に言って後から後から付け足していくという性質がある。英語と日本語の特性の違いを踏まえれば、英語らしい言い回しをそのまま、日本語にしたらややおかしい感じにもなる。


最後に、一番最初の例文、

Few things prepare you for meeting a great ape in the wild.を別の強調構文に言い換え、パラフレーズしてみよう。


"Never could you have imagined being prepared for meeting a great ape in the wild." (野生の類人猿に出会うことに備えることなど、あなたは決して想像することができませんでした)
つまり、野生の類人猿に出会うために備えることは想像できない=だってそんなことないんだから、

=あなたが野ざるに出会うことなど滅多にないとなるし、


Little did you know that you would encounter such a great ape in the wild."
とも言える。
(野生の類人猿に出会うことになるとは、ほんの少しも知らなかった、考えなかったろう)
つまり、

あなたが野ざるに出会うことなど滅多にない
となるし、

→ちなみにこれらは、倒置文なので通常の文体にもどすと、

You never could have imagined being prepared for meeting a great ape in the wild."

You knew little that I would encounter such a magnificent creature in the wild.

(あなたは野生の類人猿に出会うことになるなんて一度も想像したことすらない、そんなことないんだから、)


などあたりになるだろうか。


うーむ、実のところ、ここまで書いておいて、
すごく不安だ。英語苦手なので。


不安すぎてchat GPTに、自分のパラフレーズ、リフレーズした文章を入力したくらいに不安だ。間違えていたらご指摘願いたい。英米修士卒のくせに5年まるっきり英語を使っていないとこうなるんだ。


私、今、強調構文とか、出されても解けないかも…

#英文法

#強調構文

#英文精読

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