見出し画像

【ソフビ】未塗装ガチャへの挑戦!

タダシフレンズ、大変好調で嬉しい限りです!
正直に話しますと『オリジナル商品』であるものがガチャとして売れるのかどうか。
もちろん、シルバークロスや太陽仮面など弊社IPとして製作販売の実績があるのである程度の期待はしつつも、タダシの漫画のようなスタイルのもが皆が楽しんでもらえてるのだろうか?
という不安は創作者としてはいつも伴う。
それこそ皆の反応というのはあまりなく、ネットのない時代ならともかくこのSNSの時代に反応がないということは結構不安になります。
とはいえ、実はものすごく応援の書き込みや支援してます!という書き込みのある作家さんとお話しすると、実売数はうちの二桁くらい引いた売上しかない。
などということも相当数あります。
どうしても応援書き込みなどはある程度の知名度を超えた人でないと字数と結びつかない。
少ないファンの中で、さらに声の大きいファンがその上部に存在し、声の小さなオーディエンスを遮ってしまっている。
というような感じもします。

作家としては声がないということはものすごく不安ですが、商業誌で連載をしていた時や今までに手がけたソフビを1万体以上販売実績がある自分としてはこの

『声を上げないオーディエンス』

という方々がいかに大事か!
ということは身に染みてわかっているつもりです。
声を上げない方は『マス』の方々なのでそれこそ

『自分の好きなことで嫌な思いをしたくない』

と少なからず思っているわけです。
声の大きいマイノリティーはやれ君はわかってないとか知識が足りないとか。
そういうことでガーっと言いがかりをつけてくることが多い。
そうすることによって文化が小さくなってしまう、というものもいっぱいあったことかと思います。

今で言えば自分はちいかわのナガノ先生の大のつくファンなのですが(笑)今ではイベントも抽選、ショップ入店も抽選…
グッズ購入は熾烈な争い。
抽選に外れ、商品は買えない。
この状況が続くとその作品に対しての『縁がなかった』と足が遠のいてしまいます。
数字的に良いのかもしれませんが中身が伴わない。
今のイベンターの座組みもどれだけ人が並んだのか?
どれだけグッズが売れたのか?
というところをクライアントに報告するための作業になってしまっている、という気がしてなりません。

もう一つ、ソフビ界の話も絡むので前置きとして書き記します。

ソフビ界は『高額ソフビ』と『デザイナーズソフビ』、そして『従来の版権ソフビ』と大きく3つに分かれてると思います。
その中で高額ソフビは『デザイナーズ高額ソフビ』と『ビンテージ高額ソフビ』に分かれています。

ここがまたお客さんが分かれているという(もちろん両方集めている方もいます)特殊なカテゴリで近年インスタの登場からさらに複雑になってきています。
デザイナーズ高額ソフビはさらに特殊な構造ができ始めていて、特に海外の富豪が入ってきてからのデットヒートがすごく、とにかくメーカーさんにいかに好かれるかというのは非常に大事になってきています。

ここが今回のなぜガチャソフビなのか?の経緯と深く関わってきます。

さて、ここから一体どうしてガチャの話になるのか?
となりますが(笑

元々自分自身はガチャに対して懐疑的な見方をしていました。
理由は

『コンプリートまでにかなりの浪費をする』

これに尽きる。
90年代に起きたガチャブームにおいて自分もかなりハマっていたのですがとにかくコンプリートしないといけない。
そういうアイテムがいっぱい出てきた。
昭和特撮やアニメのフィギュア…
とにかく気持ちが先に走ってしまいどんどん買ってしまう。
そして気がつくとものすごい浪費と後に残る『こんなにお金を使ってしまった』『そんな価値があったのか?』という虚しさ…

さらにはチート行為としてショップでコンプまとめ売りをプレミア価格で販売している。
渦中では気がつかなかったが、時間が経つとあれは一体何だったんだ…
と思うばかり。

自分がメーカーになった時にああの虚しさをお客さんに味合わせるのはどうなのか?
という気持ちがかなりあり、かなりの懐疑的な思いをしていました。

それが昨今、またガチャブームが起きている。
コロナ前には外国人観光客のお土産としても扱われその加熱ぶりは90年代のブーム、もしくはそれ以上となっていたと思われます。
街にはガチャの機械が溢れ、隙間にどんどんガチャマシーンが設置されていく。

そしてコロナ期に一度廃れてきていたが、それでもめげずにケンエレファントさんなど果敢に商品を出し続けた。
そしてコロナ明けにその鬱憤を晴らすかの如くさらに加熱したガチャブームが来た!

それにちなんで、友人などと出かけたりするとガチャを回したりする友人もいたりしていました。
それで、良い商品が出ないと悲しそうにするので、じゃーオレも…と友人のために回したり。
商品としてそれで良いのかな?
と思ったりもしたが、実は今の時代は少しガチャに対しての思惑が変わってきたと思います。

まず、90年代と大きく変わってきたのはそれこそケンエレファントさんの昭和の雑貨やいろいろなメーカーとのコラボ。
それが大きく貢献したのか『マニア』から『マス』への大きな変化を生んだということだと思います。

何が違うの?と思われるかもしれませんが、自分が懐疑的だった

『コンプリートしないといけない症候群』

が実はマスにはない、ということ。

あーこのガチャいいなあ〜と思って数回ほど回す。

『何が出た〜』

というのを楽しんでいる。
つまり商品はその回して楽しむというゲーム感覚で時間を買っているということ。
『物消費』ではなく『コト消費』なんですね。
確かに、仲間と面白そうなガチャを見つけて回してみる。
そして何が出たかな〜っていうことはすごく楽しい。

それは以前も書いたかもしれないが、配信などで投げ銭をしたりする文化と非常に似ているんおかもしれない。

死んでもコンプしたい→その時間を楽しみたいという変化。

なるほどな〜と思ってからすぐに、ハリウッドザコシショウさんの商品化のお話があって『ガチャやりませんか?』と企画案を出してみた。



生産まで色々あったが、確かに販売してみるとものすごい勢いで売れた。

この勢いで都市伝説展でもガチャをやろうと。
人気youtuberでもある都市ボーイズさんや田中俊行さん、また世界を震撼させたmomoチャレンジなどの商品化のお話をいただき、その他にも通常の都市伝説をガチャ化。


こちらも大好評でした。
ワンフェスなどで展示たところとにかく若い人の反応がものすごく良い。

ただ、1番の不安は『未塗装』というところ。
今のガチャは精密で塗装もすごい。
レベルが上がりすぎて後に引けない状態である、と言えばそうなのかも。
その中で未塗装の緩い造形のものが同じ価格で戦えるのか?

それはすごい不安だった。

ただ、自分自身には確証に勝算がありました。
それを証明するだけだったが、ザコシ師匠という強いアイテムがあったおかげで最初からハイペースで回してもらえたのです。

勝算とはなに?
と言われると、ネイティブなおもちゃへの想いはいつの時代も変わらない。
という気持ち。
どれだけ技術が進んでもカラフルでプリミティブなおもちゃは普遍である。
そういう考えは確固として持っているのでソフビやができてるのだが(笑

つまり『すごい』ではなくて『かわいい』を目指す。
ソフビというのはそもそもそういうものでもあるのです。

そんな思いで、友人といずれはお仕事を一緒にやろう!と誓い合った(笑)酒場のパチモンウォーズの店長さんに『ガチャやりましょう!』と言ったところとても快く承諾いただき、こちらもとてもよく回っているようです。


…さて…

ここで自分のオリジナルのタダシフレンズ…
ぶっちゃけますと漫画の反応も良くわからず本当にグッズ化しても良いのか?
しかし戦略的にはどんどん作ったほうが良い。
何より自分が欲しいし、この楽しい遊びを皆にも分けてあげたい。

そんな気持ちで作りました…


こちらも上々!
本当に感謝の気持ちしかありません…

この500円という低価格のソフビ。
1パーツで指人形となってますが、食玩などではもっと低価格で出来の良いものもある。
しかしここは500円でも満足できるような可愛いものにしようと。
そして、『何が出たかなあ〜』と楽しんでいただけると500円の価値は十分あるのではないか?
と信じて今日も発送しております。

そういう意味でも低価格の商品、しかも遊べるものはやってみて大変こちらも楽しかったです。

で、ちょっと忘れそうくらい飛んでしまいましたが…

高額ソフビのお話。
ガチャとは全く正反対になる商品というのいうまでもありません。

この『高額ソフビ』はやはりコンプしたりその価値にお金を出すいわば 美術品を買う層といえます。
もちろん、そう言ったお客さんも多数うちの商品を買っていただいてます。
そこでショックだったのが…

先にも述べた通り、どれだけ作者にと近づくかで取引されている世界をガチャの世界に持ってくるような。
そういうこともあり、なかなか気持ちが萎えてしまう…ということもありました。
コンプしたいから揃えて販売してくれ。
というようなそんなこともしばしあります。

しかし、自分にしてみれば全てが大切なお客さんだし『何が出るかな〜』という時間を愉しんでもらいたくて低価格にしている。
正直、そこまでしてコンプしたいと思っているのはファンだからなのか自分のためだからなのか…
そういう90年代の嫌な気持ちになったことを思い出してしまい悲しくなりました…
高額ソフビにはそれなりのルールがあるように皆が平等に買えるソフビにはそれなりのルールがある。
そういうことが破綻してしまっている人も中に入るということなのでしょう。

こういうことがあるとやはり『楽しめなければおもちゃでない!』という気持ちがどんどん固まっていきます。
ガチャをやってみてわかることはソフビは小さいとご飯と一緒に写真を撮ってインスタにあげてくれる、という謎のループがあったのですが(笑)ちょっとその先に行きたいなあ…と。
現在ぬいぐるみが流行ってますが、そのように色々と小物と一緒にソフビを演出して楽しむ。
とかもう少しドラマチックに楽しめるようなことができないかなあ…
と色々提案できればと思います!

そんないろいろな気持ちが交差しましたが、とにかくガチャをやってみて本当におもちゃって楽しいなあ…
と思うことができ、そのことが伝わると尚嬉しいです!
ソフビはみなさんが生活の一部として愉しんでもらって初めて完成します!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?