見出し画像

暮らしたい未来のまち もうそこにある今と田舎と都会のはざま

私の故郷は電気、ガス、水道が通った現代的な田舎だ。
台風が来ると電気が止まり、プロパンガスで、下水は整備されていないけれど現代的な暮らしは可能だ。
バス停から徒歩5分の利便性だが肝心のバスは一日に2~3本しか来ない。

行きは行ったきり夕方にならなければ帰ってこれない。
けれど朝夕のバスで出かけることができる。

そのバスを終点まで行くとJRに接続しており人口の多い地域まで行くことができる。

こちらも一時間に1本くるか来ないかの電車を狙いすまして乗る必要はあるが。

都市部と田舎で違う時間の流れ

私が今住む福岡市は九州の中では一番の大都会だろう。
東京の人には恥ずかしくて言えないけど、あくまで九州ナンバーワンの座をゆるぎないものとしている。

その福岡市の西のはずれに住んでいるので、適度に田舎で田畑も目に付くベッドタウンが心地よい。
そこから中心地博多へ通勤した経験は刺激的だった。

私は始発にほど近い位置からバスに乗って博多駅まで行くことになったのだが、停留所のたびに次々と人が乗ってくる。
そうして席が埋まって吊革につかまる人が出てくるころに都市高速に乗って博多までワープする。
渋滞の中よじよじとかき分けて進んだバスが下道に降りると博多駅につながるメイン道路はタクシーや営業車でかならず渋滞していた。
西鉄バスは福岡県下の道路で最強の存在なので渋滞のなかをぐいぐい進むと金融街、オフィス街と停留所を経由するたびにスーツの皆様が下車していく。
かく言う私もスーツを着て終点で大勢の人々とともに降りるのだ。
大抵10分から15分バスは遅延するものなので、いつも早い便に乗って駅ビルのマックでコーヒーを飲むのが日課だったが、プロの皆様はコーヒー片手に足早にオフィスへ向かっているようで、私が出社したころには全員座って仕事が始まっていた。
同じ出勤時間のはずなのに不思議なものだといつも思う。
そうしてきっかり定時で上がらせていただき私はバスか、もしくは地下鉄を使った方が早いかと検討する。
結局停留所をふたつほど手前で降りて買い物して歩いて帰るというのが定番だ。

その生活を1か月ほど続けたある日、唐突にドラマの中の登場人物と同じ行動をとっていることに気づいた。
バスや電車で仕事に行くなど考えもしなかったし、帰りにどこかに寄るなんて自家用車無くして不可能な田舎者にとっては時間の流れが違いすぎるのだ。

理想の都市福岡市の犠牲

私はこの福岡市は理想の都市だと感じている。
適度に都会で適度に自然があり、どこに住んでも利便性が高い都市だ。
福岡市が発展した理由を、長年この地に住む主人がこう分析する。

開発過程で遺跡が出た、土器が出た → 取るだけ取って埋めて開発
交通量が増えて渋滞問題が起きた → 路面電車撤廃、地下鉄掘ろう
都市部に住宅地が足りない、施設が足りない → 埋め立てて土地を作ろう

こうして合理的な県民性に基づいて都市開発が行われ、伝統を重んじる人々の声も最大限取り入れつつ皆が発展する道を選んだ都市が福岡市だ、と。

悪く言うつもりは無いが、私の故郷鹿児島では桜島が見えなくなるという理由でビルの建設中止になったり、路面電車を延伸するかどうかは10年くらいずっと議論してる。

鹿児島の人は鹿児島が大好きだから、愛着ゆえに起きる論争だろうが
では福岡の人に土着意識が低いかというとそんなことはない
福岡人は地元大好きだ。

ただ、大好きだからこのまま愛したい人たちか
大好きだからもっとよくしたいと考えるかの違いだ。

開発が進むかどうかは結局今よりよくしたいと思うかどうかで、そのためには今の状況をある程度犠牲にしなければ得られないのだ。

空き家も空地も国に接収してほしい

私の実家は今空き家で、いろいろあって名義上私は関係なくなっている完全な空き家だ。
数年前に見に行ったら大人の背丈よりたかく伸びた草むらの向こうに苔むした屋根が見えた。
ちなみに隣の家は私が物心ついたときから空き家だし、あそこもここも空き家だらけになっている。
田んぼや畑も作り手が居なくて草原と化していたりする。
あの地に残る若者はだいたい土木従事者か役場職員だと聞く。
それから大学進学率が低くて、特に女性進学率はワーストだ。
大学に行くことに偏見を持つ人が多い印象で、とても贅沢でいつまでも働かないというイメージを持つ大人が私の周りには多かった。
旧帝大あたりにうかったとしてもあまりいい想像は浮かばない。
それも20年くらい前の話だけど、現在も進学率が改善してないってことは大差ないと考える。

親族が集まるたびにそんな田舎の土地問題はもめる。
ほんとうにもめる。
誰も固定資産税払っていないような祖先の土地をどうするかもめる。
そこがあるだけで道路の整備が20年進んでない場所があるけどそんな土地でももめる。
酒の席で土地の「と」の字が聞こえたら喧嘩の合図、女集はそそくさと台所に避難する。

憲法の問題とかいろいろあるのだろうが、10年固定資産税払ってない土地は国に帰属するようにしてほしい。
で、すぐに更地にして今はやりの不動産投資とかで回してほしい。
あんな田舎でも車があれば生活可能なので、福岡の3分の1でマイホームが持てるなら住む人もいないことも無いでしょう。
ようはプロモーション次第でどうにでもなる。
住む人が増えれば生活に必要な施設だってできるかもしれない。

開発の未来を語るのはそれからで結構。

あとは5Gのエリア拡大、もしくは光回線のエリア拡大をして、空気がおいしいと褒めるしかない田舎でもリモートワークできるようにしよう。

ちなみに私の元実家は今でもエリア外です。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?