バッファ酸リンス

リンスとコンディショナー、トリートメントの違いって?

話していくととても長くなるお話し。
でもとても多い質問なのであえて取り上げてみました。

この3つ、特に定義などはないんだけど消費者の皆さんや髪のプロである美容師さん、または僕たち製品開発者がどんなことを思っているのか?お客様から聞く話、美容師として感じること、そして商品を作る立場からも、私の所見も含め記事にしていこうと思います。

花王さんのHPから引用すると

<<(出典:花王株式会社)
一般に、リンスとコンディショナーはどちらも、主に髪の表面をなめらかにするものです。髪のすべりをよくすることで、キューティクルの傷みを防ぎ、パサつきにくくします。最近では、髪の表面層(内部)に浸透し、髪の傷みを補修するトリートメント効果を併せ持つタイプもあります。一方、トリートメントは髪の内部に成分を浸透させて、髪の状態を整えるもの。髪の傷みをケア・補修したり、髪の質感をコントロールしたりするものなどがあります。リンス・コンディショナーの機能を併せ持つタイプがほとんどなので、シャンプーの後はトリートメントだけでも充分な仕上がりが得られます。髪の傷みが気になる場合は、トリートメント、または髪の傷みを補修する効果のあるリンス・コンディショナーのご使用をおすすめします。また、リンス・コンディショナーとトリートメントの定義については、メーカー間で統一されているわけではありません。表示でその製品の特徴を確かめてからお選びください。

要するにその人が個人的に感じてることなのでリンスだから効き目がない、トリートメントだから良いだろう。
そんな感覚で使われているのだと思う。

私が良くセミナーなどでお話しさせていただく際に、美容師さんに投げかける質問。

「トリートメントって何ですか?」


そうすると美容師の皆さん、面食らった顔をする(笑)

三省堂など手元に辞書があったら引いてみてください。少し前までは

「治療する」
「手当てする」

いわゆる医療用語だったのですが。最近の改訂版では
「傷んだ髪の手当て」と追加されてるんですね^^
僕も最近気づきました(笑)

美容師さんの答えとしては
カラーやパーマをすると髪が傷むので、それを解消するようケアするのがトリートメントで、櫛通りを良くしたり、手触りを向上させる。

どれも間違いではないんですけど、個人的な意見としては美容師が行う髪に対してのすべての行為がトリートメント(手当て)じゃないかと思います。シャンプーの後に付けるクリーム状のものではない(笑)

例えば、美容師さんが施術の中で絡んだ髪をコームでやさしくほどく行為、これすらまさしくトリートメントで、カラーの前にケラチンはじめタンパク質の補給をして、傷みを抑制し保護剤として使用するPPTもまたトリートメント。

パーマやカラーの後にヘマチン処理してパーマ臭を消したり、もちろん最終的にクリームを付けて、お流しして仕上げるものもトリートメントにあたる。美容師がお客様の髪を担当するすべての行為を総称してトリートメント(手当て)なのだと私は思う。

一方、リンスはというと少し古い言葉のような気がしています。
昭和の時代はアルカリ石鹸で髪を洗うのが日常で、それゆえ髪がごわごわになる。これはpH値の問題で4.5に調整した薄いクリーム状のリンスを後に付ければ櫛通りが良くなる。

私自身も今から50年近く前の幼少期に、銭湯にておばあちゃんが使う怪しいピンクのリンスなるものをはっきりと記憶しています。下町育ちのわたしは、綺麗な女性が銭湯で”カロヤン”の桶にリンスをキャップに1杯、10倍ほどの水で薄めて洗髪後の髪に頭から被り、最後に洗い流すと、あら不思議(笑)

サラサラ髪に!

パティエンスでもバッファ(緩衝)作用をもたらす酸リンスがあります。
同じような使い道で、カラーを施した髪が、道水に含まれるカルシウムなどが吸着してごわつきやパサツキの原因になってしまいます。それを等電点(pH4.5)に調整したパティエンスバッファ酸リンスは酸で剥がしとり、蓄積するのを防いでくれます。

もちろん不純物が取れていくので素髪に戻れる気がするって愛用してくださるお客様も多くいらっしゃいます。

という事で結論ですが、リンス、コンディショナーは軽いものでトリートメントは濃厚である。


というのは何の根拠もありません。
各メーカーによっても違い、考え方も違う。

リンスと言っても美容師が施術する上でなくてはならないものであり、ホームケアで酸濃度の強い酸リンスを用いれば、カラーリング時に残留してしまった過酸化水素を中和する、という点では大いに活躍しているのである。


トリートメントだから効き目が高い、リンスは気休め程度、などという事をよく聞くがこの認識は当てはまらない。

いいなと思ったら応援しよう!