散文詩📖「試し塚」

いわば、煩悩や執着を、出来事の経過と共に書いてみようと試みた詩です。
逃れたいものの断ち切れない悔しさを持ち寄って書き進めてみたところ、
向き合いたい味わいの体験に代わりました。

失ったわけでもないのに
もっと得られそうな期待に
自ら沿わずにいただけなのに
失われた袋小路を催し始める束の間

自業自得の試しに
迷路の中に連れ込まれれば
迷子と嘆かず退路を断ち
正解の通路に行き着くべく
あの手この手を幅広く冒すだろう
靴占いに占う歩幅のごとく

探すも逃した確率交じりに見出す 因果律を持ち寄ってみる
逃れたいのに断ち切れない 迷いに惑う問いが答えに鎮まる

自由自在の現実の
原野の広がりに立つ方が
迷子のうちに出入口もない
地図ごと乗り換えてしまうから
あの手この手で幅を狭め
閉ざす未来と見せ 道のりを造り上げてくれている
お試しの存在がいる

失意の底と得意げな有頂天が 応え合い新たな問いがはためく 
白くのぼせた幟(はたじるし)の塚 

そうか
試しにかかった思い上がりに
罠にかかったごとく 試されているのだなあ
決して邪魔者のせいではない
邪念と思い詰めていたものの

そうだな
命運に導かれた道行きに
己を果たしてどうにか導けるか 
験(ため)そうとしてもらっているのか
我が操縦の思うがままの行方を

相方として見出せない
突き放す微笑みすら聞こえない彼を
味方と呼び進ぜたい
占われる表 その報いの正体は報せの雨
紫雲から降る試練に浮かぶ
少しだけ 少しずつ 持ち直す
一世一代に晴れる夢路の追試

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