届かないラブレター3

入学当初から憧れる彼女と、初めて面識を持ちグループで遊ぶにまで仲良くなっていくことができました。それが前回までの2年生のお話。

前回は触れなかったが、2年時、いろいろあって「大学紹介インタビュー」に僕と彼女は選ばれた。その時初めて、彼女と二人きりで話す機会もでき、憧れの有村架純ではなく普通のご学友として、一人の人間としても好きだなあと感じるようになっていった。

今思えば、このくらいから有村架純のような憧れの気持ちは薄れゆき、その人の魅力のみを好きになっていったと思う。ああ人間としての好きなので誤解しないように!


そして3年生。大学も後半戦が始まり、やれ就活だ大学院だとこれから先の進路が現実的になっていく今日この頃。どうしようかなあとみんながみんな話すようになっていった。僕も例外なく話していたが、まあ恐らく大学院受験だろうしどうにかなるだろうと楽観視していた。また、大学では常に隣にいるような恋人はそういった話が好きではなく、話をしても不機嫌になるのでこちらからもその話はしないようにしていた。

(一つ愚痴を言うと、本当に恋人は大学でもそれ以外でも常に隣にいたんです。僕は他の人ともっと話したかったけど、何度も言うように大学では一度グループだったりを離れるとあまり話しかけにくくなってしまうし、何より恋人の嫉妬がすごかった。だから、恋人といると周りは気をつかって声をかけないようにもなり、孤立していった。恋人と円満でいるよう気遣ってくれたのはありがたいけど、当時僕は檻に入れられた気分だったよ。好きだから恋人といるのに甘んじていたけど、本当は嫌だった。友達と話したかった。)

おっと闇がでてきているね。まあ闇を語らずして3年は語れないけど。ただまあゼミの授業以外は常に恋人が隣にいる、隣に来る。そんな状況だったので僕は将来について具体的に誰かと語ったりすることができず、情報もなくしんどかった。

唯一友達とゆっくり話せるゼミはさながらオアシスだった。そこでは、恋人を気にせず話せたし、好きな心理のことを考えられるし、ゼミの人々の人柄や勉強の姿勢に触れることでもっと勉強したいという向学心がわいた。

そしてそこで、ある友達Kと仲良くなった。彼は、とても気さくながら完璧主義、深く深く心理を掘り下げる研究者体質の人だった。僕はそういう人が大好きだ。そしてあの憧れの彼女とももともとグループが同じで、今も親しくしている人間だった。僕も彼女とは仲良くなってきていたので、お互いがお互い仲がいいのなら、3人で話そうよ!みんなゆっくりお酒飲んだりするのが好きだし!と3人で飲むようになった。恋人には最初秘密で。

この会合はとても居心地がよく、何も言わずとも月1くらいで行われるようになった。それぞれの恋愛や進路、考えを話し合い、互いを真剣に見つめあっていったおかげで、相当仲良くなっていった。多少違いはあれど、互いの価値観を開示し何が違うのかどう違うのか、はてはどうして違いが生まれるのかと、個人を尊重した会話がとても心地よかった。

そのなかで、有村架純こと彼女についても、多くのことを知った。様々な事情があり、そんな過去でも生きている彼女のことを尊敬したし素敵な人間だと思った。写真好きやにんじん好きなど、共通点もたくさんあって嬉しかった。あと、悩みを共有することで心の距離はぐっと近づくよね。

だから、その会合は毎回楽しみで仕方なかった。尊敬できる友達が等身大の自分のことをあけすけに話し互いに見つめあえる。最高で大好きな時間だ。

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