一番好きな人のこと。かきなぐり。

今日、会社の用で五反田に来た。五反田というのは僕が4年間通った大学のあるなじみ深い土地でありめちゃくちゃ思い出深い土地である。

ここに着くまでも、4年間通った日々を思い出しながら電車に乗っていた。新宿はよく買い物に行ったし、原宿行けばおしゃれになれるかもと髪を切りに行ったし、恵比寿もよくふらふらと彼女と散歩をしていた。

だから五反田についたとき、その思い出はひとしおだった。4年間毎日通った街だ。よく通ったラーメン屋に友達と行った安いステーキ屋さんはまだあれば、逆に毎日大学帰りに立ち寄った本屋や大好きだったカフェはなくなっていた。

僕のアルバイトしていたカフェもないし、目印になりやすいゆうポートなんかも跡形もない。大学に通っていた当時は、なくなってもこんなに思いは留めなかったけれど、今はぐっと心が痛かった。なぜかって、もうかえってこない思い出がどこにも詰まっていたから。友達とのも。彼女とのも。

 大学のころ、ずっと付き合っていた彼女がいた。入学してからすぐ仲良くなり、ずっと一緒になって、大好きで仕方なくて、今も好きだなあと思ってしまう人。でもそんな彼女とは、大学卒業くらいには別れて今は別々の道を歩んでいる。彼女のことをふったのは僕だけど、彼女のことは今でも好きだ。

大好きなのになぜ別れたのかというと、僕には自信がなかった。大学4年になり、進路が決まっておらず、貯金もなく、自分一人で手一杯になっていた。その頃は院進学も考えていたので将来は不安定なのもあった。

その中で彼女を幸せにできると思えなかったのだ。将来の自分に期待が持てないなかで彼女を幸せにできるような将来は考えられなかった。さらには彼女に対する”好き”の気持ちも疑ってしまい、本当に好きなのかよくわからなくなって、別れを切り出した。


 それから2年がたち、その彼女以来恋人はできないながらも、今は普通に会社員になり不安だった進路も貯金もできた。自分にもやっと余裕ができてきて、改めてまたこの先の将来を考え始めている。

思い出すのは彼女だった。かわいくて仕方がなくて、手がかかるような面もあったけどお互いさまやし軽く結婚出来たらねえなんても話したような彼女。今日も思い出していたのは、もっぱら彼女とこんなことがあったなあ、ここで軽く喧嘩したり一緒に頑張ろうと鼓舞しあったりもしたなあということだった。

 実は昨日、大学の友達に会った時に彼女の現在も少し聞いた。今はあちらも働き出して、彼氏もできているらしい。 そっか。 今でも僕のことを気にかけてくれていてその友達経由でTwitterのつぶやき確認して安心していたらしい。 そっか。

彼氏できたんだ。彼女も順調に前に進んでいるんだ。


余計に目の前の景色への想いは強かった。正直、今もう一度やり直そうといえないかなとか思っていたけどそんなことはきっともう無理で、目の前の景色にすがっているのは僕だけで。

彼女が幸せなんならそれでいい。でも。

彼女が今の彼氏と幸せで、結婚して幸せになってくれるならそれでいい。でも。


ところで、会社の用で五反田に来たといったけれど、それは社内試験の面接のためであった。その面接はいろいろと話し合ったけれど、なにより心に響いたのは、”覚悟が足りない”とのお話。

僕に足りないのは、覚悟。何か変化を起こす覚悟。責任を取る覚悟。それらを受け入れる覚悟。だった。

僕、きっとずっと覚悟が足りなかったんだろうな。覚悟があればきっと、彼女とまだいたかもしれない。なんてね。

だからまず、一つ僕は覚悟する。それは僕も前に進む覚悟だ。僕なりにこれからも頑張っていこう。仕事もプライベートも僕なりに前にどんどん進んでいこう。


ありがとう。さようなら。

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