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蜉蝣

(注)俳句は物語の下にあります。俳句のみの方は下はお進みください^ ^ 

いつまで続くのか
このご時世60歳で定年したところで
生活が出来るわけがない
少子化というのに、平均寿命は上がるばかり
本当にいつまで続くのだろう

仕事をこなし
休日は趣味に費やし
充実した日々と言われても
心が否定をしている

夕焼けが綺麗な日
月が綺麗な夜
大きな虚無に襲われる
この虚無に立ち向かうために
いや虚無に気付かないように
見せかけの充実した日々を
過ごしているのかもしれない

笑顔で話をしているのに
ふと鏡を覗くと
鏡の中の自分は笑っていない
どちらが本当の自分なのか

蜉蝣のように一生が一日なら
こんなことを考える暇もなかろう
蜉蝣の気持ちを考える
人間のような長い寿命
苦悩することが出来ることを
羨むことはあるのだろうか
自分より余程蜉蝣のほうが
懸命に輝いて生きている気がしてしまう

平和な国に生まれ
明日があることを疑わぬ人生
自己で選べる人生
なんと恵まれていることか
知りつつ子供のよう駄々をこね
蜉蝣の想いも分からぬくせに羨むとは
なんて愚かなことか

流れ星が流れる
償いにはならぬが
愚かさを恥じ
せめて流れ星に蜉蝣の幸いを願おう

空を見上げれば天の川が見える
もう、良いじゃないか
充実した日々のふりだろうが
自分が偽物だろうが
この景色は本物なのだから

蜉蝣や儚き命嘆くのか 
流れ星瞬の輝きと同じ

永遠とこしえに見えぬともあり天の川

【解説】
珍しく解説します。二句目だけ(笑)
「彼」は上を読むと蜉蝣を指してますが、私の中では全てに当てはまると思って詠みました。人間の一生も宇宙規模で考えれば瞬ですし、生がないもの、記憶や感情などのあやふやなものも全て。人それぞれ「彼」で何を思い浮かべるだろうとワクワクして詠みました。瞬だろうと輝きは心に刻まれるというところまで辿り着けるようにしたかったのですが、難しい🌀


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【あとがき】
 去年月縛りにしたので、今年は月は使えず、この季語使いたいな、と候補があるも三つをストーリーでとなると全く進まず、以前書いた「カゲロウの気持ち」で瑠璃星さんに俳句を勧められて初めて俳句を詠んだことを思い出し、大会に出すことにしました。瑠璃星さんがお声かけしてくれなければ、俳句を詠むこともみん杯にも参加することもなかったんだなぁ、と感慨深く、良句ではありませんが、初めて詠んだ俳句がコメントの中で埋もれていたので、こちらに出せて良かったと思います。
問題はストーリー。カゲロウの気持ちはあまりに中途半端で、そのまま出す気にはなれず、いじればいじるほど、いろんな方向に進み、ダーウィンまで辿り着いたりしましたが(笑)、散らばりすぎと別の話でかくことにし、きちんとストーリーにするかなど試行錯誤しましたが、まとまらず、ただの愚痴をダラダラ書いたようなものに。時間もないので妥協します…情けない…

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