論文試験対策 国際出願を得意分野にしよう(弁理士試験)

論文の答練などで、

国際出願
(特許法184条の3以降の特許協力条約に基づく国際出願)

が出題されたら、どう思うでしょうか。

おそらく、初学者~中級者の多くの人は、苦手意識があったり、嫌な問題が出たなと思うのではないでしょうか。
そうであれば、国際出願は実は得意分野になりやすいので、まずは国際出願の論文対策を重点的にするこをすすめします。

国際出願の論文対策をすすめる理由は3つあります

1.条文だけで解答できる問題がほとんど

2.みんな好きな分野じゃないので、他人とも差がつけられる

3.短答対策にもなる。

以上の3つについて順に説明させていただきます。

1.条文だけで解答できる問題がほとんど

論文試験は、法文集を見ながら解答できる問題です。しかし論文試験の問題では、趣旨問題といわれる立法趣旨などを答えさせる問題があり趣旨問題は、法文集からは解答できません。趣旨問題は基本的に青本の内容を答えさせる問題なので、青本の内容を記憶していない初学者~中級者にとっては、答練で趣旨問題がだされても勘で答えるしかなく、答練をやる意味が薄れます。

また、論文試験の問題では、判例が論点となっている問題があります。判例の問題も、判例を暗記している必要があり、法文集からは解答は難しい場合が多いです。特に判例を暗記していない初学者~中級者にとって、判例が論点の論文の答練は、知らない事を論述することになりあまり答練を受ける意味が薄れます。

一方、国際出願がテーマの場合、趣旨問題が出題されることは少なく、また、判例が論点になることはほぼ無いです。

国際出願がテーマの場合、条文を探して答えさせるような問題が多いので、法文集があれば、時間さえかければ解答できる問題が多いと思います。

このため、青本や判例を暗記していない初学者~中級者でも、国際出願がテーマの論文の答練であれは、法文集を使って関係する条文を探して答案構成をして、問題文を条文にあてはめて解答する というような、上級者を同じような解答をする練習することができます。

2.みんな好きな分野じゃないので、他人とも差がつけられる

これは統計があるわけではないのですが、一般的に条約とかも嫌われる分野であることを考えると、国際出願も苦手意識がある人が多いので、他人と差がつけられると思います。

3.短答対策にもなる。

国際出願がテーマの論文の答練を解く場合、条文を探して答えさせるような問題が多いです。このため、該当する条文を探すために、特に184条周辺の条文を読んで関係しそうな条文を探すことになると思います。

このため、国際出願がテーマの論文の答練を解くことによって、法文集をつかって条文を読む訓練となり、意外と短答対策では気にしていなかった条文も読むきっかけにもなります。
(自分も、短答を合格した後の論文対策で184条の11のように特許管理人の特例があることを知った気がします)

また、国際出願がテーマの論文問題をたくさん解くことで、法文集を使って論述する訓練にもなります。


さらに4つめの理由を加えるとすれば、
国際出願に関わる論文の問題のパターンは多くないということです。
このため国際出願がテーマの練習問題を数問、答練などで問いてみることで、大体の出題パターンを網羅できることになります。このため国際出願が論文の問題として出題されたらラッキーと思うようなると思います。

また、近年、国際的な出願が重視されていることもあり、条約、国際出願など、国際系の問題が出題されやすいことも対策をすすめる理由です。

弁理士試験の論文試験過去問

また論文対策の問題集は、市販のものは過去問しかありませんので、
過去問以外の練習問題を解くには、予備校の論文の答練に申し込むしかなさそうです。


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