コンサル弁理士による知財コンサルへの誘い3(稼げる弁理士になろう)
弁理士(時には弁護士さんにも)さんに、知財コンサルのノウハウを講演だったり実地だったりで教えることがたくさんあります。従来のビジネスモデルだけでは仕事が十分量とならない今の時代。知財コンサルによりビジネス拡大を狙いたい弁理士さんはたくさんいます。このため、教える際に「仕事の取り方」、「お金の取り方(マネタイズ)」のコツを聞かれます
そんな時に、コンサルに向いている人と向いてない人を感じることがあります。上の図は、コンサルに必要なスキルを私なりにまとめたもの。前回はこの「妄想力」の重要性を説明しました。私はこの妄想力が一番大事と思います(これを鍛える方法などは次回以降に(笑い))。洞察力、提案力、妥協力、などに加えて、論理力やコミュニケーション力。弁理士さんは、仕事柄論理力などは高いはずなのですが、どうもルーティーンや法理論、あるいは技術詳細に自分の頭をはめ込むのは得意ですが、ビジネス、政治経済、地政学、人間の感情との折り合い、ストーリーを作る力には、やや劣るところがあるように見えます。
私なりにまとめると、コンサルに向く人(弁理士に限らないでしょうが)は、上のようになると思います。つまり、仕事机に張り付くばかりで専門書だけを読んでる人は向きにくいかな(弁理士さんには多いですけど)。また、やけにハウツー本(こうしてコンサルタントになれ、みたいな)を読みまくるばかりの頭だけで行動が伴わない人も向かないでしょうね。
やはり、「足を動かし手を動かす。脳みそは24時間動かす。」という人が向きます。なによりも、いい意味での批判精神をもって常に疑問を持って、日々の生活の中でも何かを考えたりストーリー作りをしたりする人が向きますね。更に、自分の属する組織(会社、弁理士会、地域の業界団体)の中で、上の人にすり寄って忖度することで出世を図る人間はダメですね。むしろ、上や周りに煙たがられるくらいの直言ができる人が向きます。勿論、クライアントに歯向かえというのではなく、根本にそういう覚悟や強さがあることが求められます。おしゃれなオフィスよりも、工場や建築現場に行く方が好き、という資質は大事でしょうね(笑い)。
おしゃれで思い出しましたが、俗にいう「キラキラSNS起業」のようなコンサル風も向かないでしょうね。実際のコンサルやクライアントは泥臭いものですし、泥臭いことをする覚悟が無ければ一般人からの「いいね」はたくさんもらえても、「お金になるお仕事」は貰えません(笑い)。自分のやっていることを伝えるためのキラキラは良いですが、キラキラが手段&目的になっているコンサルで、バイト代以上を稼げている人に出会ったことはありませんね(笑い)。
向きにくい人ってこんな感じでしょうか。特に、傷つくことや傷つけることが嫌いっていう人には向きにくいでしょうかね。クライアントに対して、何かを提言するときには軋轢も出ますから、それを受け止めないと。私も、小さな対応を含めれば、400社くらいは面倒を見てきましたし、今でも年間に30社くらいの対応をしています。どれもが綺麗なコンサルではなく、「親子喧嘩(社長と後継ぎ)の仲裁」だったり、「事務職員のふぉろーだったり」と、そんなことの方が多いかも知れません。そういったことを引き受ける覚悟や度量が大切です。
また、企業感覚が絶対条件です。弁理士さんには、これが大きく欠けています。誤解を恐れずに言えば、「企業の現場経験(開発・設計・製造・営業など)の無い弁理士は、事実上使える範囲はとても小さい。発明整理や明細書という代理業務でも、技術開発や技術者の思考を持てないままで終わってダメなものになることも多い」と、思っています。また、企業に居たとしても「知財部」しか知らない弁理士さんも同じような感じがします。どうしても、自分でものを開発して世に送り出すという泥臭いしんどい経験がない「知財専門家」は、「評論家」になってしまうんですよね。で、その評論家のままにコンサルになってしまい、「言ってることやプレゼン資料は綺麗だけど、企業の活動に何も響かないコンサル」に終わってしまいます。ある意味、まさしく「キラキラSNSコンサル」みたいなものでしょうか。
最後は辛口になりましたが、過去に経験がないなら、日々の活動で自分をスキルアップすればいいのです。企業での開発経験がないなら、クライアント企業の工場の中にどっぷり浸かるくらいのことをすればいいので。毎日のニュース、毎日見るものを、自分なりに観察していけば、見えてくる何かが増えてきます。それこそ、知財コンサルへの第一歩です。そうするうちに、お金に変えることもできるようになり「稼げる弁理士」に近づいていけます。
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