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良問で学ぶ高校数学part2(多項式の割り算:難易度B)~2019東北大-理系第4問より~


前回の記事:良問で学ぶ高校数学①(3次方程式の実数解:難易度A)~2019筑波大学医学部推薦入試より~ https://note.com/pata0106/n/n7d11912626fc


こんにちは。

筆者がテスト期間で、大学数学に忙殺されているため投稿頻度が落ちています、、、


2月中旬からはまた本腰入れて頑張りたいと思います。


今回は、私が在学している東北大学の問題を取り上げます。


難関大学の中でも、難問・奇問が少なく取り組みやすい良問が揃っている東北大数学。


そんな東北大の2019年度-理系の中で最も取り組みやすい問題です。



範囲は数Ⅱ「多項式の割り算」ですね。

目安は20~25分です。


数Ⅱを履修したての高2生ならば(1)、

地方国公立を目指す受験生ならば(3)、

東北大学を受ける受験生ならば完答しておきたい問題です。


この問題、ただのゴリ押し計算問題に見えますが、東北大学がそんな脳死問題を出すわけはなく、


しっかりと数学的背景も、小問の伏線回収も行われている良問です。


特に(4)をどう解いたか、によってその人のセンスが問われます。



それでは解答↓↓↓


以上です。


(4)はこの他に、(3)を使うために三角関数の形に直してから計算する解法がありますので、是非考えてみてください(解答が欲しい場合はコメント等でお知らせください!)

(その解法で解いた受験生はかなりハイレベルでしょう。)



(2)の最初にあるように、整式の割り算という分野では、


「商を文字式で置いて(Q(x)でよく置かれる)表す」


ことが最重要です。

何も思いつかなかったら、まずは脳死でその整式を商と余りを使って表してみましょう。



ここでこの問題の数学的背景を見てみましょう。


大学2年レベルの代数学の話になるので、高校生の方はここでこの記事を閉じて貰っても構いません。



この問題で扱う実数係数多項式A(x)∈R[x]をx^2+1で割った余りの集合というのは、R[x]をイデアル(x^2+1)で割った剰余環:

R[x]/(x^2+1)に他ならない事が分かります。


実はこの剰余環は複素数体Cと同型なのです。


以下にその証明の概要を載せておきます↓↓↓



環の準同型定理より容易に示せます。


なんでもない大学入試問題の背景に、複素数体が潜んでいるというのはなかなか面白いですよね。


今回はここまで。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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