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ビジネスモデルキャンバス実践編#1  ベルフェイス

みなさんこんにちは、となりのサトウくん(@tonarinosugar)です。

実践編、最初に分析する企業さんは、「ベルフェイス」さんです。

どこだよっていう方、このCMはご存じですかね。

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(出典:https://corp.bell-face.com/news/110 )

ショウエイさんが出ているCMの「ヒラメ筋」が話題になりましたよね。

(ちなみに、こちらのnoteで代表の中島さんが、CMの裏側について語ってくれています。ぜひ読んでみてください!)

テレワーク推進に伴い、web会議の認知が広まってきていますが、ベルフェイスさんはzoomやgooglemeetとは違う戦略を打ち出しているように見受けたので、今回分析してみることにしました!

まず、ベルフェイスの企業について紹介しつつ、BMCを示していきたいと思います。つづいて、比較対象としてzoomのBMCについても紹介し、ベルフェイスさんの優位点について考察していきたいと思います。

ビジネスモデルキャンバス(通称BMC)とは何ぞや!という方は、こちらで簡単に概要を説明していますので、ぜひご一読していただけたらと思います。

それでは早速やっていきましょう!

(この分析はあくまで僕個人の考察であり、もし間違いやご指摘などありましたら、遠慮なく言っていただきたいと思います。自分自身の成長につながると信じているので、ご意見大歓迎です!)

株式会社ベルフェイスとは

まずは企業の概要です。(2020年9月22日時点)

会社名:ベルフェイス株式会社
所在地:東京都
従業員数:232人
拠点:渋谷区、港区の2か所
設立年:2015年
資本金:5,659百万円
事業内容:
・チームで売上を最大化する国内No.1のオンライン営業システム「bellFace」の開発・販売
・インサイドセールス コンサルティング
・ビックデータ解析及びコンサルティング
ビジョン:世界数十ヵ国で新たなビジネスを生み出すセールスプラットフォームをつくる。
ミッション:勘と根性の営業をテクノロジーで解放し、企業に新たなビジネス機会をもたらす。

特徴的な点としては、2015年の設立にもかかわらず国内No.1のオンライン営業システムになったこと、そして、ミッションですね。特に後者については、後述しますが、この思いが実際のサービスに強く反映していることが見受けられます。

ベルフェイスのビジネスモデルキャンバス

つづいて、ベルフェイスさんのBMCについて図で示してみました。

BMC _ベルフェイス

各項目について、簡単に補足説明していきたいと思います。

①顧客セグメント

ベルフェイスは、事業内容にもあるようにオンライン営業システムであり、このことから、想定ユーザーは法人であることがわかります。

②価値提案

企業がベルフェイスを利用することで以下のメリットを得られます。

・対面コストの削減→外出しての営業がなくなり、経費コストを下げる

・社内ノウハウの共有→営業活動を「記録化」し、社内で共有できる

・ユーザーの利便性→ネットに弱い人でも使いやすい設計

最後の利便性は、一見軽視されがちですが、非常に重要な要素です。例えば、ネットに弱い高齢層をターゲットとしている事業を展開する企業は、簡単にオンライン接続できる機能を通して顧客の心理的ハードルを下げ、顧客のネット嫌いによる機会損失を減らすことが可能になります。

③チャネル

オンラインでは、webサイトが中心になってくるのですが、サイト内でwebセミナーを毎日行っていたり、営業ハックに関するオウンドメディアを運営していたりなど、web上の施策も充実しています。

また、オフラインでも「ヒラメ筋」CMやバス・電車広告なども行い、認知拡大を狙っているように思われます。

(オフライン施策については、代表の中島一明さんが交通広告について過去に述べています。)

④顧客関係

ベルフェイスでは、各企業様に専任のコンサルを付かせており、企業ごとに導入支援と成果を出すための支援をコンサルティングしています。

⑤収益の流れ

基本的な収益源は月額使用料になります。

留意してほしいこととして、④と⑤の関係性です。基本的に、収益を得るためには、「企業に継続してもらうこと」が前提としてあります。

さて、企業が継続したくなるにはどんなことが求められるでしょうか。

それは、

「ベルフェイスを導入したことで、営業活動で成果を出せるようになる」

したがって、ベルフェイスは導入企業に継続して利用してもらうために、④で述べた、導入支援やKGI・KPIの設定や他社の成功事例の紹介など、導入企業が営業活動で成果を出すためのサポートを徹底しているのです。

⑥リソース

注目してもらいたいのは、ベルフェイスが「インサイドセールス向け」のオンライン営業システムであるという点です。

もともとベルフェイスは、電話回線を使用しながら利用してもらうような設計になっており、web会議システムそのものは2018年の終わりに追加された機能です。

そのため、ベルフェイスの設計には、電話回線を使用していることが前提にあるということを留意しておくべきかと思われます。

⑦主要活動

前述していますが、主要活動で重要になってくるのは、導入企業の継続的な支援=カスタマーサクセスにあるかと思われます。

⑧パートナー

パートナーの一つは、他営業システムとの連携が充実していることにあります。これにより、導入のハードルを下げられることが期待できます。

⑨コスト構造

コンサル支援があくまで人的リソースであるならば、人件費がその分必要になってきます。また、CMや交通広告の費用も一定程度かかってきます。有形商材ほどではないですが、比較的コストがかかっているのではと予想されます。

zoomと比較したベルフェイスの優位点

つづいて、zoomと比較しながらベルフェイスの優位点について考察していこうと思います。

ちなみに、zoomのBMCはこちらになります。

(赤付箋はzoom、下の黄付箋はベルフェイスの再掲です)

BMC _ベルフェイス (1)

BMC _ベルフェイス

比較して一番の違いは、「BtoBの特化」にあるのかなと思います。

そもそも、ベルフェイスの起点が「インサイドセールス」支援にあるのだとすれば、ベルフェイスが、web会議ツールというくくりで表していいのかと考えてしまいます。

また、導入企業に継続して利用してもらうために専任のコンサルを配置することなども大きな違いととらえることができそうです。

ちなみに、

zoomと比較すると、①無料ではない、②BtoCに参入できない、といった要素は課題にすべきかもしれません。ただ、②については、ベルフェイスさんのミッションにもあったように、

勘と根性の営業をテクノロジーで解放し、企業に新たなビジネス機会をもたらす。」

のであれば、参入する気はないのかもしれません。そもそも「インサイドセールス」向けのシステムですしね。

最後に、外的な要因での課題点としては、日本の「足で稼ぐ」営業スタイルがコロナ以後でどう変わるのかによって、事業の命運が決まってくるかもしれません。

以上、まとめると、

〇優位点

・サービスをあくまで「インサイドセールス向け営業システム」として位置づけ、会議だけでなく、企業の営業支援にも寄与したBtoB特化のサービスとしていること。
・専任のコンサルを各企業に就かせるなどの、継続的な支援の徹底。

となるのかなと考えます。

終わりに

いかがでしたでしょうか。生き残り続けている企業の多くは、ビジネスモデル上で他にはない差別化要因が必ず存在しているのではと考えています。

ビジネスモデルキャンパスを作っていくことで、その差別化の片燐を垣間見ることが可能になります。ぜひ、みなさんも作ってみてはいかがでしょうか。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

(もっと短く文章をまとめられないかと悩むサトウくんでした。)

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