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Shukudai リリースです!



【Shukudai】
Style:Sour IPA
ABV:5.5%
Collaboration with "Lab the Smith"

長野に拠点を構えるサイダリー、“Son of the Smith“とのコラボビール。
ハカセから託された"宿題"にブルワーとして挑むシリーズでもあります。
ホップ由来のジューシさに加えて、酸味や、複雑な発酵工程による奥行きもある味わいが特徴のビールです。



長野県大町市に拠点を構えるサイダリー“Son of the Smith“による他社協業型のサブブランド"Lab the Smith” x "Passific Brewing"の第一弾のビールが登場。

サノバの醸造の核を担う通称“ハカセ”から出されるお題に応える、いわば“宿題“的なコラボレーションでもあります。

僕らが捉える“コラボレーション”とはお互いの経験や技術を共有し、双方向的に新しいものを作り出すことだと思っていますが、ハカセの捉えるコラボ像は“宿題”方式。
彼の頭の中にあるアイデアを、僕らが解釈し直しビールに落としこむというスタイルで、その試みは斬新でどんなものが生まれるか僕らも想像ができませんでした。


今回出された課題は彼らが自ら栽培し収穫したカスケードホップと、とある酵母がキーワード。
ホップの方はあえて収穫期をずらしたことによる香りの性質が異なるものと、酵母は日本では入手し辛いものでした。
ちなみにですが、今回のビールにりんごは全く登場しません。サイダリーとのコラボなのに?これがまた面白いポイント。


作るビールやスタイルに指定はなく、さながら自由研究のような気分。
どうすれば、それらの個性を引き出せるか?と考えている期間はまさに宿題に追われる学生の気分でした。

色々と思慮を巡らせた結果、二つのビールを作ってそれぞれをブレンドすることで、最適な解が得られるのではないかと思い今回の仕込みに至りました。

全く異なるレシピで仕込んだビールを一つのタンクに合流したのちに、熟成行程へ。
酵母だけは共通のものを使っているからか、ブレンド後も違和感なく馴染んでいきました。

このビールをスタイルに落とし込むと“Sour IPA”と言えるでしょう。
ホップ由来のジューシーかつ果実味溢れる香りやフレーバーに、掛け算的な要素として乳酸発酵由来の香りと酸味が絡みつきます。
複雑なプロセスを感じさせるボリュームのある味わいで、程よい酸味でありながら、ややタンニン感のある後味が奥行きを演出しています。

振り返ってみると、一人では思いつかないビールだったなと思います。
醸造学のエキスパートであるハカセから授かった宿題が、またひとつパシフィックを成長させてくれたのでした。

Son of the Smithの皆さま、貴重な機会をいただきありがとうございました!




おまけ


今回のビールを作るきっかけにもなったのが今年の4月に行われた通称「サイダーキャンプ」
まあ平たくいえば仲の良いビール/サイダー関係者が集まってサノバの敷地内でキャンプをするという催しでした。

長野県内はもちろん、全国から総勢30名ほどの人が集まり、それぞれ持ち寄った酒を飲み交わすという、それはそれはハードなキャンプでした。

これだけお酒のプロが集まれば、さぞ酒の話で盛り上がりそうなものですが、そのほとんどは関係ないプライベート話ばかりでした。笑


そんな中ハカセからの提案でせっかくなのでみんなにお題を出すのでビールを作ってくれないか?と。
そして出来上がったビールを持ち寄って、またこうして集まろうではないか!とのお誘いを受けたのが今回のビールを作ることになった経緯です。

その場でも早速それぞれの意見交換が始まり、僕も帰りの車中からレシピを考え始めました。

普段は基本的に自分の頭の中で完結するプロセスなのですが、他社からの意見をもとに考えるビール作りはとても新鮮で、思考する中で新しい発見がいくつもありました。

そういう意味でも自分の殻を破ったビール作りに挑戦できたとてもいい経験だったかと思います。

その後もハカセとは連絡を取り合っていますが、すでに彼の頭の中ではネタが5つも6つも出来上がっているようです。
来るべき日に備えて力を蓄えておこうと、そう思ったのでした。






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