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Chako リリースです!


【Chako】
Style:Westcoast IPA
ABV:7.0%


グレープフルーツのような柑橘感がありながら、やや甘味を伴う果実のようなジューシーさも。
IPAらしく苦味はしっかりとしていますが、ボディとのバランスでとても自然な味わいです。
王道的なバランスでありながら、現代的な要素を取り入れた、モダンな西海岸風IPAです。


西海岸で生まれたビールに恋をする男の物語。


「Passific IPA」「Coastline」に続くパシフィック第3のIPAです。
IPAというジャンルで一括りにできますが、それぞれしっかりと棲み分けするようなビールを目指しています。

「Passific IPA」は"ちょうどいいバランス"で
「Coastline」は"00年代を彷彿とさせる"ようなIPAでしたが
「Chako」は"時代の流れを取り入れたモダンな西海岸風IPA"と言えるでしょう。

この10年ほどでたくさんのIPAとそれに類するビールが生まれてきました。
新興スタイルのどれにも埋もれず、今ではクラフトビールの代名詞的存在ですね。

00年代に登場し、苦味もボディもしっかりとした味わいで人気を博した西海岸のIPAは時と共に、気候との相性もあってか、苦味はそのままにライトかつクリーンなIPAへと進化を遂げていました。
そこでHazy IPAの登場。甘やかでジューシーなそのビールに飲み慣れると、クリーンなビールは物足りなく感じるものです。
そんな時代の流れもあり、昨今のIPAはというとクリーンでライトな骨格でありながらリッチなホップアロマを纏っているものが多く感じます。


「Chako」もまさしく、王道的なバランスをベースにもちながら、現代のシーンの要素をしっかりと汲んだモダンな西海岸風IPAとも言えます。
グレープフルーツのような柑橘系の苦味と香りでありながら、やや甘味を伴ったフルーツのような香りも。苦味ははっきりとしていますが、鼻に抜けるモルトのフレーバーがバランス保っています。


今回改めて、IPAというビールの表現の幅の広さ、そしてそれを考える面白さを実感しました。


オレ、やっぱり、IPAが好きなんだ。





おまけ



Westcoast IPAに欠かせない酵母の話し。

ビールに少し詳しい方なら聞いたこともあるかも?
アメリカンエールイーストと呼ばれる酵母があります。
それ自体はややざっくりとした呼び名で、細かく見ていくと色々な株がありそのうちの一つに「Chico Yeast」というものがあります。


その名の通りカリフォルニアのチコという街にルーツがあります。
あの、「Seierra Nevada Brewing」の最初のブルワリーがあった街でもあり、当時から彼らが使っていたことからChico Yeastと呼ばれているようです。

ではいつから使われ始めたか?と歴史を遡るとなんと40年前!
1980年頃にリリースした「Sierra Nevada Pale Ale」はChico Yeastのクリーンな性質とふんだんに使ったCascadeホップとの相性が抜群で当時人気を博したそうです。
それまでのPake Aleと比べてもホップの香りや苦味も抜きん出ていたようでIPAの元祖とも言われています。

Chico Yeast自体はアメリカの別の州のブルワリーから譲り受けたものだそうで、さらに遡るとイギリスのブルワリーへと辿り着くようです。

今でも定番のイーストで、日本においてもほとんどのブルワリーが使ったことのある酵母だと思います。

基本的にはクリーンな性質でありながら、少しの華やかさとモルトの風味を引き出してくれる万能なイーストという印象。
定番すぎてやや面白味に欠けるような気もするのですが、混沌した現代だからこそ、その個性が発揮されるというか、引き算的な面白さを感じさせてくれる酵母なんだなと今回改めて思いました。


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