見出し画像

Wald リリースです!



【Wald】
Style:Schwarz
ABV:5.5%


ドイツ発祥の”黒いラガー”
焙煎した麦芽による、チョコレートやコーヒーのような香り。
モルトの優しい甘みやほのかな酸味がありながらもすっきりと飲めるビールです。



シュバルツとはドイツ発祥の黒いラガーです。

長い歴史をもつ伝統的なビールですが、近年では見かけることも少なくなったスタイルでもあります。
本場ドイツでもビール全体におけるシェア率は1%台というデータもあるそうです。

黒いビールというと一括りにされがちですが、スタウトやポーター、ブラックIPA、などなどとても幅が広いですよね。
シュバルツはその中でもバランス感がとても大事なスタイルなのかなと思っています。
「Wald」も焙煎した麦芽によるチョコレートやコーヒーのような香りが特徴ですが、重すぎずすっきりと飲めるバランス感を大切にしています。

ドイツにルーツを持つだけあって肉料理などとの相性もとてもいいですが、単体でゆっくりと飲むのもまた良いのです。


「Wald」は、ドイツ語で森という意味です。
ところで、森の色って何色でしょう?
僕なら「緑」と迷わず答えます。
ですが、日本から遥か西に位置するドイツでは森を黒色と表現するそうです。
高く立ち並ぶ針葉樹の影響で日が差し込まずに暗いので"黒"のイメージが強いようです。
グリム童話の舞台となる国でもありますが、確かにそのエピソードの中で出てくる“森”はどこか不気味なイメージですよね。

土地が変われば人も変わる。
そして、それらが交わり、文化が生まれる。
いつの時代も変わらない、とても大事なことのひとつです。


そんな歴史に思いを馳せ、今を楽しむために生まれたビール。というわけです。


おまけ


「黒いビールってなんで黒いんですか?」


これ結構よく聞かれる質問です。
確かに、金色のビールとのギャップは不思議ですよね

答えはシンプルで「焙煎した麦芽を使ってるから」です。

「あんまりピンときません」

ですよね。

少し説明すると、ビールに欠かせない原料は4つ。麦芽、ホップ、酵母、水。

「麦じゃなくて麦芽?」

そう。ここ大事なので少し掘り下げます。

麦芽とは発芽させた麦のことです。昔、理科の実験でやった豆に水分を与えると芽が出てくるのを覚えてますか?あれと同じような感じです。

“麦”じゃなく”麦芽”を使うメリットはたくさんありまして一例を挙げると
・麦に含まれるデンプンが水に溶けやすい性質に変わる
・仕込みの工程で重要になる酵素の含有量が増える
などが特に大事なポイントと言えるでしょう。

麦を発芽させてつくる麦芽ですが放置していると、どんどんと芽が成長していきます。
そうすると麦の中のデンプンもどんどん減っていっていくので(成長に使われる)芽の成長を止める必要があります。

では何をするかというと、“高温で乾燥させる”のです。

この時の温度と時間でモルトの持つ“色”が変わります。
低温なら淡色麦芽、高温なら焙煎麦芽といった具合です。
焙煎具合にも強弱様々ありましてそれらを組み合わせることでビールに色をもたらすことができるのです。

「黒ビールは全て焙煎麦芽で作られているか?」
と思いがちですが答えはノーです。
今回のWaldでいうと”Chocolate Malt”と”Carafa3 SP” という焙煎度合いの違うモルトで色と風味をつけていますが、全体に占める割合はたったの6%です。
たったの6%で黒いビールになるなんて少し不思議ですよね。
消費税が焙煎麦芽なら漆黒のビールになるでしょう。はい。


というわけで、なぜ政治家は腹黒いか、ではなく黒いビールはいかにして黒くなるか、という話でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?