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FP1級実技|直前対策ラスパーlog集①(2024年6月受検用)

前回の2024年2月度試験の12日前から、直前対策として毎日発信した「ラスパーlog」。

「事業承継税制による複数の株主からの承継要件」・「金庫株」(2024/2/11PartⅠ)、「相続登記の義務化」(2024/2/18PartⅠ)など、そこで解説した複数の論点が本試験で出題されました。

また、受検番号の意味や、設例検討時及び面接時の心構え、PartⅡの「FPが確認すること」や「専門職業家」についての追加情報など、2024年6月度試験に向けても役立つ内容を多く含んでいます。

そこで、ラスパーlog の主要な内容について、6月度試験向けに加筆・修正し、4回シリーズの記事として公開することにしました。

今回はその1回目です。

Image by Mudassar Iqbal via Pixabay

「受検番号」の数字は何を意味しているのか?

2024年6月8日から始まるFP1級実技面接試験の受検票は、5月20日に発送された模様で、そろそろお手元に届き始めていることと思います。

受検票が来ると、いよいよ試験本番に向けての臨戦態勢がスタートします。

直前対策として、試験当日の状況を何度もイメージトレーニングしておくことが、重要なメニューのひとつに加わることになります。

そのイメージトレーニングの取っかかりとして、まずは受検票に記載された「受検番号」の数字に、着目してみることにしましょう。

受検番号の数字には、実はこんな意味があります。

F12-xx00yy-0

  • F12:FP「1」級試験の「2」(実技) 
    ※学科試験はF11-です

  • xx:グループ名です。
    受検票に「グループ名:xxグループ」との記載があります。

  • yy:グループ内の順番を表しているものと思われます。

もし、yyが「01」となっていたら・・・

そのグループのPartⅠのトップバッターということになります。

では、PartⅡのトップバッターはどうか。

これは、そのグループの人数によって変わってくるので、はっきりしません。

もしグループの人数が10名なら、おそらくyyが「06」の場合にPartⅡのトップバッターになるものと思われますが、グループの人数が9名だと、PartⅠが5名で分けられた場合は、PartⅡは「06」始まりですが、PartⅠが4名で分けられた場合は「05」始まりとなります。

グループの人数が7名、yyが「04」で、PartⅡのトップバッターになった体験を2022年9月24日に受検されたいとさんが
「FP1級実技試験(きんざい)当日の流れと受験番号の秘密」と題してnoteに書いていらっしゃいます。

私の場合は、yyが「15」でした。20名近くの大きなグループだったようで、私はPartⅡの4番目(ひとり欠席があったので番号上は5番目)でした。

グループの人数は当日にならないとわかりませんが、yyがかなり早い数字(02や03)だった場合は、ほぼPartI始まりと予想できそうです。

特別プレミアム記事「FP1級実技 当日リアルレポート&面接ノウハウ集」では、面接でトップバッターになってしまう確率、なってしまった場合の心構えや対策について、詳しく解説しました。

設例読みで最高のパフォーマンスを実現するには

試験当日、面接の順番が来て名前を呼ばれたら、面接控室の後方にある設例閲覧用の机に行って座り、設例の読み取りを開始します。

順番待ちの他の受検生とは逆向き、おそらく後方の壁を向いて座ることになるはずです。

そして隣の席には、別のPartで面接を受ける人が座ります。

ここから始まる15分間。良い集中状態に自身を持っていけるかどうかが、勝負の分かれ目となります。

子供が遊びに熱中して、没入するような状態を「フロー状態」と言います。

この「フロー状態」に至ると、集中力が高まり、不思議に緊張も解けて、無理せず楽に、パフォーマンスの質が上がると言います。

この状態が面接室まで続くと、最高の流れとなります。

設例閲覧用の机に座ったら、自分の周囲に「筆界線」が引かれて、その内側に自分がいる感じをイメージしてみましょう。

隣の受検生の気配など、その「筆界線」の外からの刺激はまったく感じない。

自分と設例と筆記用具と電卓と腕時計(※)だけの、まさに「一筆の世界」。

(※)腕時計は外して、設例閲覧用の机に置き、15分間の時間経過を常にチェックできるようにしておきましょう。設例読みの始まりと終わりにはアラームが鳴りますが、その間の時間経過の状況は自分の時計で確認するしかありません。腕時計は忘れずに!

集中を阻害する緊張や不安、邪念はすべて、その「一筆の世界」からは排除される。

そんなイメージです。

設例がもし難しかったとしても、それはそれで、確実に回答できることだけに絞り切って、あとは運を天に任せ、スパッと「決断」する。

それができるのも、不安や緊張が解けた「フロー状態」だからこそです。

また、2024年2月度試験の傾向として顕著だった、パターン思考や知識の当てはめが通用しない「考えさせる」系の設例に取り組む場合も、まずは心を落ち着けて、柔軟で多面的な考え方ができるように脳内をリラックスさせておくことが、何よりも肝要となります。

本番での緊張やあがり症は無意識的で生理的な反応であり、気合とか根性とか、さらには「こうしよう」という意志の力ではどうにもできません。

それらはかえって、逆効果になりかねません。

緊張や不安をコントロールするためには、何か具体的な行動を起こすこと(上記のようなイメージングも含めた)が必要となってきます。

特別プレミアム記事「FP1級実技 当日リアルレポート&面接ノウハウ集」では、合否の鍵を握る1回目の設例読みにスムーズに入るためにはどうしたら良いか。面接控室で面接の順番が確定してからの時間の過ごし方、心構え、事前に取りうる対策について詳しく解説しています。

FP1級実技面接を面接官の観点から眺めてみると

ここでは、受検生思考オンリーで前のめりになっているこの時期に、あえて視点を変えて、面接官の先生の立場からこの試験を眺めてみることにします。

そうすると、この試験に取り組むためのスタンスとして、今まで気づかなかった一面が浮かび上がってきます。

6月8日から始まる今回のFP1級実技面接試験に向けては、この5月中に、おそらくは4回ほど実技面接の採点の水準調整のための「審査委員会」が開かれているものと思われます。

この設例はどんな基準で採点するのか。難しい設例については、どの程度まで答えられれば合格点とするのか。

そんなことが、この会議では検討されているのかもしれません。

この水準調整の結果を受けて、各面接官の先生方は、設例の内容を詳細に確認し、何をどのように質問するのか、受検生が答えられなかった場合はどの質問に変更するのか、ヒントはどうするかなど、様々なことを考え、最終調整されているはずです。

ある面接体験記に、面接官の先生が手元に質問集のようなものを置いて質問されていたという報告がありました。

メインの論点以外の関連質問、より易しい質問、ヒントなどは、本部が用意しているのか、各面接官の先生方がそれぞれ独自にお作りになっているのかは定かではありませんが、いずれにしても、12分間で受検生が「何とか答えてくれるように」と、様々な配慮がなされているのは明らかです。

このようにFP1級実技面接を面接官の先生の視点から眺めてみた時、あの面接の場で受検生に期待されていることは一体何であるかが、実は明確になってくるのではないでしょうか。

それは「一歩でも正解に近づこうとする受検生の真摯な努力」ではないかと私は思います。

だとしたら、面接で出された質問がわからない場合も、簡単に諦めるのは得策ではありません。

「持ち帰り」は発動せず、面接官の先生のヒントを導き手に、何とか正解を得ようと努力する姿勢を示すことこそが、受検生には求められているはずです。

特別プレミアム記事「FP1級実技 当日リアルレポート&面接ノウハウ集」では、面接体験記から垣間見られる面接官の先生の様々なタイプや、いわゆる「圧迫面接」についての考え方、さらには面接中の質問がわからない場合に使いがちな「持ち帰り」の是非についてなどを詳しく解説しています。

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