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試験1カ月前、FP1級実技面接「追い込み戦略」+1.0

いよいよFP1級実技面接試験まで、あと1カ月となりました。

ここからの追い込み期は、論点の理解や習得などのインプット系の学習から、面接本番を想定したアウトプット系の実戦形式の学習に軸足を移していく必要があります。

今回は、過去の記事で取り上げた2つの勉強法にプラスして、直前期にぜひとも実践したい新たな勉強法を紹介します。

Photo by Keith Johnston via Pixabay

2つの勉強法で本番モードの「時間感覚」を身につける

以前の記事で取り上げた直前期の勉強法は、次の2つでした。

  • ① 設例読み解きタイムトライアル
    直近1年間に出題された設例から毎日2つずつ選び、時間を測って、10分から15分で読み、回答方針をメモする。

  • ② 質問フラッシュどこでも口頭練習
    面接で出そうな質問事項に対する簡潔な回答集を作成し、時間や場所を問わず、自問自答の口頭練習を繰り返す。

②の口頭練習は、特に勉強を意識せず、いつでもどこでも空いた時間を見つけて行うことができます。

①の設例読み解きは、10〜15分で設例を読んで回答方針をメモすることに重点を置き、その後の振り返りや論点学習には時間をかける必要はありません。

②同様に、 1日の生活の中でスキマ時間を見つけてサッとやって切り上げます。これを1日2設例こなし、習慣化します。

①は15分の設例読みに、②は面接官との1問1答のやり取りに焦点を当て、本番モードの「時間感覚」を身につけていくことが目的です。

学科試験では150分をすべて自分の時間として使え、とりあえず難しい問題は飛ばして後で解いたり、何度も見直しをしたりすることが可能です。

ところが実技面接では、そうは行きません。

15分間の設例読みはあっという間。内容を読み取り、わかるものは素早くメモし、見通しが立たないものや回答不能なものはそのままにして、面接に向かうことになります。

そして12分間の面接では、矢継ぎ早の質問攻勢にさらされます。

後戻りは不可能。12分間の時の流れは面接官に完全にコントロールされています。

聞き返しや持ち帰りができるにしても、流れを頻繁に止めると印象は悪くなります。

流れに乗って、各質問に対して瞬時に簡潔な回答を返せるかどうか。そこが勝負です。

学科試験と実技面接の、この決定的な「時間感覚」の差を、①と②の勉強で埋めておく必要があります。

②の口頭練習用の想定問答集を自作する時間がないという方には、当サイトの直前対策用のQ&A集(「伏線回収」Season 、及び「マイ♡ナンバーズ」Season )の利用をお薦めします。

過去2~3年の頻出論点、紛らわしい論点、難解な論点などをカバーしており、回答部分は面接でも利用できるように、できるだけ簡潔でコンパクトな表現にしています。(令和5・6年度税制改正反映済み)

【プラスワン】過去の設例にできるだけ多く触れる

上記2つの直前期の勉強法にプラスしたいのは、過去の設例にできるだけ多く触れることです。

FP1級実技面接の唯一のテキストとされるTAC本ですが、収録されているのは2022年度出題の20設例に過ぎません。

この20設例を繰り返し学習することによって、実技面接の流れや回答の型は身に付きますが、習得できるのはあくまでもこの年度に出された論点に限られます。

実技面接本番では、見たこともない論点に出会うかもしれない。

そんな不安が尽きません。

この不安を少しでも抑えるためには、やはり過去の設例にできるだけたくさん当たっておく必要があるでしょう。

FP1級実技面接では、学科と同様、過去問(=過去の設例)の焼き直しや再構成による出題が見受けられます。

また最近は、1度出た論点が近々に再び出るようなことはないだろうとの予想を裏切って、直近1~2年前に出題された論点が再び登場するケースも目につきます。

過去の設例に触れる方法は以下の通りです。

  • まず、初見の設例を読み、主要な論点について回答の見通しを立ててみましょう。「わかる」「ある程度わかる」「確かあの特例が使えそうだが不安」「ほとんどわからない」。概ねそんな判断をして終了です。

  • メモを取る必要はありませんし、冒頭や最後の定番質問に答える必要もありません。

  • 以上を行ったら、すぐに「1級FP過去問解説」の解説で回答を確認します。

この勉強法の目的は「初見の設例をできるだけたくさん読んで、論点を確認すること」です。

まず手始めは、TAC本に収録されていない2022年度分の設例(6/11と9/25のPartⅠ、9/25 と10/1のPartⅡ)です。

特に農地法や共有分割など、重要な論点を含む2022/10/1 PartⅡは必ず取り組んでおきましょう。

次に、2023年6月度と2023年9月度の設例です。
※2023年9月度は当サイトの論点解説( / )も参考にして下さい。

これでTAC本と合わせて、直近約2年分の設例をカバーしたことになります。

余裕のある方や、130点台後半以上の高得点を目指す方は、2021年度以前の設例へと遡って行きましょう。

いかがでしたでしょうか。

一度解説を読んだ設例に再び取り組んで、たとえ回答がうまく言えたとしても、面接本番はその成功イメージ通りには運びません。

あと1カ月後には、初めて目にする設例を制限時間15分で読んで、回答を考え、面接官の1問1答の質問攻勢に耐えなければなりません。

普段から制限時間など気にせず、適当な時間感覚で設例に取り組んでいると、本番で痛い目に遭う危険があります。

1か月後に自らが置かれることになる状況に眼を背けず今からしっかりと向き合って、実戦形式の学習を着実に積み上げて行きましょう。

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