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第3話・生徒手帳が会話の手段
高校入学1日目・1時間目、英語の授業が終わり、担任の先生が私に
「p君(私)ありがとう、英語だけでいいよ!」と声をかけてくれたので、私はA君の席から自分の机を離しました。
次の授業が何であったのか、もう覚えていないのですが、英語以外の授業では机を付けず、私は普通の生徒に戻りました。
この日から、私は自然にA君のノートテイク担当者になっていきます。
休み時間の間に、私は生徒手帳のメモ欄を使って、A君と話をしてみました。細かくは覚えていないのですが‥‥‥‥
自己紹介から始まり、当時電車通学だったので、「どこの駅から通ってるの?」とか、「好きな科目や食べ物は?」など、紙と鉛筆を使う以外は、普通の高校生の会話だったと思っています。
筆談生活(ノートテイク)が始まって、不思議に思う事がありました。
私は、自分の生徒手帳を使ってA君に筆談で話しかけるのですが、A君は私が書いた質問には、頷きか首を横に振る、また、話して答えるばかりで(私には聞き取れない)、複雑な会話になるとA君の思っている事が、私に正確に伝わらない状態になりました。
また不思議なことに、A君が自分から鉛筆を持って、私に答えを書き記す、また筆談で質問してくることは、1年以上ありませんでした。
このような生活が続くので、私の伝えたい事が本当に伝わっていたのか、だんだん不安になりました。
何度かA君に「書いて説明してくれない?」と書いて、鉛筆と生徒手帳を渡してみたのですが、不思議なことに、単語が一つ書かれるばかりで、私が理解できる文章にはなっておりませんでした。
なので、書かれることで、もっと意味が分からなくなってしまいました。
このように、意思疎通の確認が取れないまま、学校生活を送るようになりました。この頃から私は、分からないことは生返事で済ませ、分かったつもりで適当に対応していくという、無責任な人間に変わっていきます。
つづく‥‥‥‥
※※※※ 当時を振り返ってみた解説 ※※※※
ノートテイクで、判断に困る場面は沢山あると思います。(ありました)
この場合内容によりますが、筆記者が「はい」か「いいえ」で答えられるような質問をノートに書くことができれば、相手も頷きだけで正しく答えることができます。また、お互いの意思疎通が正確に保てます。
今ならnetで「オープンクエスチョン」「クローズドクエスチョン」などの会話技術が学べます。
この場面では「クローズドクエスチョン」を使用する方法もあると、我が家の中学の息子には、伝えておこうと思います。ただ、これを多用するのも問題があるので、困った場合だけだと、付け加えます。
当時私が、このような方法を教わっておけば、筆談で困ることも軽減されたのではないかと思います。
私はもう五十代半ばで、これから高校には行けませんが、いままでに覚えた経験と、令和の新しい道具を持ち込んで、もう一回学校ノートテイクを行えば、今度は楽しく過ごせるのではないかな、と、今でも真面目に思っております。
注・聴覚障害をお持ちの方について、思い出話でも、お話しするのは難しいです。詳しく書くと、個人情報・守秘義務に抵触するかも知れませんので、その方の育った背景などは書きません。なるべく私自身の体験・思ったことだけを書くようにいたします。
これはNG!と思われましたら修正いたします、そのときは是非教えて下さい。よろしくお願いいたします。
昔から文章書くのが苦手で、読みづらいですね、すみません。
お読み下さり、ありがとうございました。
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