江東区に男性向けDV相談とLGBT等相談ができました…けど?

江東区は、今年(2021年)の7月から、
「男性DV電話相談」と「LGBT等電話相談」
を開設しました。
相談サービスの詳細については、下記の区のURLをご参照ください。
https://www.city.koto.lg.jp/055202/kurashi/jinken/danjo/center/lgbtsoudan.html
https://www.city.koto.lg.jp/055202/kurashi/jinken/danjo/center/men-soudan.html

このnoteを最初から読んできてくれた方(少ないと思いますが…)は、
私たちが「性別を問わないDV相談窓口の設置についての陳情」を
出していたことをご存知かと思います。

「性別二元論に沿って性暴力被害者を女性だけと想定することは、
男性だけでなく、女性にとっても厄介だぞー!」

そう考えてきた私たちは、今回の相談窓口の相談を、
一方で喜ばしいものとして、他方で残念なものとして受け止めています。

「喜ばしい」のは、もちろん、
女性以外の性暴力被害者も相談できる窓口が、区のサービスとして提供されるようになったからです。
なお、上のページの「相談事例」には明記されていませんが、
「LGBT等電話相談」では特定の性を自認しない方のDV被害も相談できるらしいです。
これは皮肉抜きにすごいと思います。

「残念」だと思うのは、しかし、
不必要なほどに対象が細分化された窓口(つまり従来の女性向け、新規の男性向け、LGBT等向けというように)は、
大多数ではないけど決して少なくもない、一部の性暴力被害者にとって、
あまり足を運びやすいようなものでないと思えるからです。

「レズビアンやトランスジェンダーは女性向けを使えるの?」
「男性向けの相談員は男性らしいけど、
男性から暴力を受けた男性(ゲイ男性、トランスジェンダー男性だけでなく、性的マイノリティとは自認していない男性も)は
ここで安心して相談できる?」

女性への暴力が絶えない以上、従来の女性向けの相談窓口を維持することは十分理解できます。
でも、それに加えられるかたちでできた今回のサービスが、
異性愛・シスジェンダーを中心とした性別二元論社会で苦しんできた人々にとって、手放しに嬉しいものと言えるかというと…
謎です。

というか、私は広い意味での性暴力の被害者として、納得してないぞ!
それと、関係ないかもしれんが、「LGBT等」の「等」って、
一見インクルーシブ(包摂的)に見えて、雑くくりなんじゃ…?

……まぁ、そんな本音も個人的にはなくもないのですが、
一歩前進は一歩前進だと信じましょうー☆
相談窓口が出来たことで、少しでも救われるサバイバーが増えると良いなと思います。

p.s.
「陳情を出した後に出来たってことは、陳情のおかげなのでは?」
と思われるかもしれませんが、陳情がきっかけではないそうです。
区の男女共同参画推進センターの担当者の方いわく、
「以前から設置を検討していた」とのこと。
男女共同参画審議会でも区議会でも、設置を検討する議論がないように見えたので陳情を出したんですけどねぇ…
やっぱり謎。

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