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セルヒオ・アセンホの手紙

 ビジャレアルに所属するスペイン人GKセルヒオ・アセンホがクラブでの公式戦200試合出場の達成を受けて、自身のSNSでメッセージを発表した。
 
 現在チームメイトのサンティ・カソルラと同様に信じられないほどの大怪我を幾度となく経験し、その度にその試練を不屈の精神で乗り越えてきた“不死鳥”にとって、ビジャレアルでの6年半で積み重ねた200試合の重みはその他の選手のそれとは違うものだったはず。日本のメディアではきっと紹介されることがないであろう、彼の人間性がよく現れたそのメッセージを紹介したい。

アマリージョ(黄色)をまとって200試合  セルヒオ・アセンホ

「ビジャレアルに来ることを決めた2013年7月のことが頭に浮かび、思いを馳せてしまう。その時まで、私にとって物事は思うように進んでいなかったが、ここにやって来た初日からビジャレアル・ファミリーは私に向けて大きな道を拓いてくれた。たった数日のうちにあなたたち(サポーター)は私を自分の家にいるかのように、そして私自身が家族の一員であるように感じさせてくれたんだ。」
「しかしながら、その時以来全てが上手くいった訳ではなかった。私は後に大変厳しい状況を経験し、その時にビジャレアル・クルブ・デ・フトボルというクラブがどういう存在であるかを正しく理解することになった。その辛い時期こそが全てのクラブスタッフのサポートを最も感じ、また全ての、そしてあなたたち一人一人のサポーターの愛を最も感じることができた瞬間だったのだ。自分の後ろに信じられないほどの思いやりのあるグループがいて、物事が上手くいかない時にこそ精一杯自分を助けてくれるファンがいると知った時に、私は誇らしいと思わずにはいられなかった。」
「私は先週末、ビジャレアルのユニフォームを来て200試合出場を達成した。私のことを知っている人は、この数字が私にとって喜ばしい結果以上のものであることをよく分かってくれるだろう。つまり、それは私がこのクラブを我が家のように感じることができている結果であり、スポーツの枠組みを超えてこのクラブへの帰属意識を持っていることから生まれた結果である。そしてそれはこの手紙を読んでくれているあなた(サポーター)への感謝へと繋がる。愛とサポートを本当にありがとう。いつも前に進もう。ずっとビジャレアルと。もっと沢山のことを一緒に成し遂げよう!」

ーセルヒオ・アセンホ

 右膝を3回、左膝を1回。30歳にして、1度経験するだけでも選手生命が危ぶまれる前十字靭帯の断裂を過去4度に渡って経験するという壮絶なキャリアに苛まれながらも、過酷なリハビリに耐え、粘り強く克服しピッチに舞い戻り、現在ビジャレアルの守護神として君臨するセルヒオ・アセンホ・アンドレス。

 大怪我を負うことでフットボールから離れる時間が長かったからこそ、困難な時期にクラブやサポーターから受けた応援やサポートが骨身に沁み、復帰を諦めることは全く頭になかったと語る彼が、現在ラ・リーガで6位と好調を維持するスブマリーノ・アマリージョ(黄色い潜水艦=ビジャレアルの愛称)をさらなる高みへと導き、今後も最後尾からチームを支えながら300試合、400試合と出場数を重ねていくことを期待したい。

※画像とツイートは本人の公式アカウント(@SergioAsenjo1)より


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