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星ふるさとの日々

執筆:ラボラトリオ研究員 鴨 奢摩他(かものしゃまた)


星降る里で育った私ですが、小学校の入学式が終わった後に、転落事故に合ってしまい腎臓損傷の重症となり、その日の内に緊急手術となりました。

ところがその開腹手術中に目が覚めてしまって、手術台の上で泣き叫んだことを今でも鮮明に覚えています。

最初は、手術台の上で寝ている自分を大勢の人が取り囲んでいるイメージで身体には何本かの管が繋がれている様子だったのですが、すぐにお医者さん達の顔が真上にぼんやり見えてきたと思ったら急に自分のお腹が痛くなって「痛い!痛い!」と叫びながらも便意を催したのでトイレに行かせて欲しいと叫んでいました。

「今はトイレには行けないから、ここでしていいよ」と言われたことも記憶にあります。

その時に大きな注射をされたようにみえたのですが、すぐ意識を失い、気がついたら病室のベッドの上でした。

手術室の外で待っていた両親は、何事が起きたのかと心配で居ても立っても居られなかったそうです。

全身麻酔の手術中に目覚めてしまう現象は“アネセシア・アウェアネス=術中覚醒”と呼ばれているそうです。

非常に珍しいケースらしく、13年後に腎臓結石で同じ病院で受診した際に、偶然にもその時の執刀医の先生に診てもらったのですが、私のことを覚えていてくださって、全身麻酔の手術中に目が覚めた患者は後にも先にもあなただけだと言われました。

私が覚えている術中の情景を話しても、患者からはその場所や部位は見えないはずと否定されました。

ひょっとしたら幽体離脱でもしていたのでしょうか?(笑)

貴重な体験ではありますが、あんな経験は二度としたくないものです。

そんな私も、退院後は同級生と一緒に遊び回れるほどには回復し、一番良く遊びに行った神社の境内がありました。

村から妙見山への参道の途中にある「星田神社」です。

星田神社

御祭神は、「底筒男命」「中筒男命」「上筒男命」「神功皇后」の住吉四神で、もともと交野物部の祖である饒速日命を交野大明神としてお祀りしていたところに、磐船神社のご神霊(住吉四神)をお遷ししたとされています。

因みに星田妙見宮の御祭神は、公式ホームページによれば、

【道教・陰陽道】
・太上神仙鎮宅霊符神(たじょうしんせんちんたくれいふしん)

【仏教】
・北辰妙見大菩薩(ほくしんみょうけんだいぼさつ)

【神道】
・天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)
・高皇産霊大神(たかみむすびのおおかみ)
・神皇産霊大神(かみむすびのおおかみ)
 の造化三神。

とされています。

※信仰の対象としての「北極星」・「北斗七星」を神格化したのが『鎮宅霊符神』であり、それが仏教に取り入れられて『北辰妙見菩薩』となり、神道では『天之御中主神』と習合したと言われています。(諸説あり)

思い返せば、星田妙見宮や星田神社のような神社まで行って走り回って遊ぶ内に本当に体力的にも元気になっていったと思います。

神社の境内は、清々しい空気に満ち溢れていて、遊んでいてもなんとなく気持ち良かったので、自分の遊びの定番の場所となっていたのでした。

※その星田村内をスケッチした絵を載せておられる岸本信夫さんのサイトがあるのでご紹介させて頂きます。時間がゆっくりと流れている感じが伝わってきます。

岸本信夫さんのスケッチ

http://www.k-sketch.sakura.ne.jp/osaka-hosida.htm

星田に限らず、全国各地の古い民家や町並みを訪ね歩き、ちょっと懐かしい生活シーンを描き続けておられるようです。

当時からずっと御祭神の名前など気に留めたこともなかったのですが、今になって改めて神名を知ってみると、如何に自分は子供の頃から神道の神々にご縁があったのかと気づかされ、そして数十年の時を経て、今でもnetenという会社で同じ神々に拝礼させてもらって、スティーブ・ジョブズの言った「コネクティングドッツ」のような経験をさせてもらっていることは大変ありがたいことです。

しかしその後、大学に進学して以降は、密教に興味を惹かれたため、神道の神々とそのお働きについて深く学ぶことはなかったのでした。

星田を含めた交野市内の山々が修験者や密教行者の修行場であったことや、星田村がかつて京都の東寺から高野山への街道として用いられた東高野街道沿いだったこともあり弘法大師信仰が盛んで、寺院や地域で祀っている大師堂が村内に15箇所もあることから、小さい頃より弘法大師と梵字、真言に馴染みがあったのも影響していたのかも知れません。

今でも星田大師堂巡りというイベントが開催されることがあるようです。

交野歴史健康ウォーク 星田の里・弘法大師を祀る大師堂巡りより
http://murata35.chicappa.jp/rekisiuo-ku/hoshida1302/index.htm

そろそろ、ロゴストロン信号の話はどうなっているのかという声が聞こえてきそうですが、もう少しお付き合いください。

写真2枚

交野山(こうのさん)の登山口にある「源氏の滝」 滝行場であった

梵字

不動明王の梵字(カンマン字)が彫られた大岩
(右下は岩に掘られたものと同じカンマン字〈不動種子二字合成〉)

不動明王真言:ノウマク サンマンダ バサラダン センダンマカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン(慈救咒じくじゅ
namaḥ samanta-vajrāṇāṃ caṇḍa-mahāroṣaṇa sphoṭaya hūṃ traṭ hāṃ māṃ

ぼんじ3


岩

交野山頂の観音岩

岩2

観音岩壁面に刻まれた 聖観音の梵字「サ」字

聖観音真言:オン アロリキヤ ソワカ

ぼんじ

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【鴨 奢摩他(かものしゃまた)プロフィール】

「方丈記」が好きなことと「止観」をあらわす「奢摩他(シャマタ/サマタ) 毘鉢舍那(ヴィパシャナ)」から自戒の意味を込めて「 鴨 奢摩他」と名乗る。
京都の大学に在学中、当時、高野山の宿老をされていたO猊下の在家向け伝法を受講する機会に恵まれ、以来、在家でありながらも30年近く密教と深く縁のある日々を過ごす。
大学の経営学部を卒業後は、電子楽器メーカーに就職し各種業務を経験後、品質保証マネージャーを兼任しながら社内試験設備で電磁波測定の専門業務を20年近く続ける。
その後、電磁波を測定する試験所の能力を審査し認定を与える機関に移り技術部長を務める。
退職後、縁あってnetenで主に計測、実験の業務を担当している。
専門は、EMC(Electro-Magnetic Compatibility / 電磁波両立性)試験、品質法規全般。







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