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ヨーガスートラ2-3:5つのクレーシャとは?私たちの悩みの原因は何なんでしょう?

パタンジャリ先生のヨーガスートラ(पतञ्जलि योगसूत्र)では人の悩み
(दुःख ドゥッカ)の原因は5つ(पञ्च क्लेश パンチャ・クレーシャ)だと教えてくれてます。


【2-3】अविद्यास्मितारागद्वेषाभिनिवेशाः पञ्च क्लेशाः॥३॥
アヴィッディヤー アスミター ラーガ・ドヴェーシャ 
アビニヴェーシャーハ パンチャ・クレーシャーハ

①無知、間違い(अविद्या アヴィッディヤー)
②自分へのこだわり、自我意識(अस्मिता アスミター)
③欲望(राग ラーガ)
④嫌悪(द्वेष ドヴェーシャ)
⑤死への恐れ、執着(अभिनिवेश アビニヴェーシャ)
この5つが心を悩ませる苦悩、煩悩(क्लेश クレーシャ)の原因となる考えの動き(वृत्ति ヴルッティ)です。

【2-4】अविद्या क्षेत्रमुत्तरेषां प्रसुप्ततनुविच्छिन्नोदाराणाम्॥४॥
アヴィッディヤー クシェートラ ウッタレーシャーン プラスプタ タヌ
ヴィッチンノウ ダーラーナーン

無知(アヴィッディヤー)が、後の4つのクレーシャ(苦悩)の原因です。
5つの苦悩(クレーシャ)の現われには、それぞれ4段階あります。
①潜在的な状態、問題は眠った状態(प्रसुप्त プラスプタ)
②心に問題が現れ始めているけれど意思で収めている状態(तनु タヌ)
③問題はあるけど、表に出せない状態(विच्छिन्न ヴィッチンナ)
④完全に苦悩が表面化している状態(उदाराण ウダーラーナ)です。
訳:やさしく学ぶYOGA哲学 ヨーガスートラ 向井田みお先生より


怒りの現れ4段階

怒りのチェックを表にしてみました。


日常生活での振返り


日常生活の中で自分の行動を振り返ってみます。
あんな失敗、こんな失態、 “やっちまったな” 的なことの多いことったら(まだまだ修行が足らんなと)思うところです。過去は変えられないし、いつまでも囚われてしまってもしょうがない。

なので、できればその日のうちに、自分の行動を分析してみます。この時怒りのチェック表も参考にしてください。
無知による欲望なのか?強い自我意識から引き起こされた嫌悪なのか?単なる無自覚な間違いなのか?一旦分析したら反省して手放して、引きずらないことです。そして眠る(笑)。眠り(निद्रा ニッドラー)は体も心も休ませ癒してくれます。『やなことがあったら寝る』大事なことです。

それでも人間はふとした時に、何十年も経った過去の記憶(स्मृति スムルティ)がよみがえり、悔やんだり、悲しんだりします。そんな時も冷静に心の分析をしてみましょう。

行動や考えの分析の先

単なる分析の先には “本当の自分が何か” というヨーガの命題が控えています。“本当の自分は意識の根源(アートマン आत्मन्・ブランマン ब्रह्मन्・自然の摂理・イーシュヴァラ ईश्वर)である” これさえ理解してしまえばあらゆる苦悩から自由になるといわれています。言葉では知っていても本当に理解するのは 、、、難しいですよね。

苦悩の解決方法

5つの苦悩を取り除く3つの解決法があります。

①ディヤーナ(ध्यान 見極めの瞑想をする)

苦悩は自分の心にだけ起こっている考え、心を分析して見極める。

②スヴァーディヤーヤ(स्वाध्याय 自分を知る学び)

経典や聖典から自分の真実を学び、事実そのものにすること。

③イーシャヴァラプラニダーナ(ईश्वरप्रणिधान 自然の摂理を理解すること) 

苦しみを抱え込まず解放して、自然の摂理にゆだね、流れにまかせてしまう。ゆだね、祈ることで心から苦悩を解放し、苦悩から自由になる。

まとめ

時空を超えて人の悩みは尽きないものです。ヨーガスートラでは「自分の考えの癖を知って、悩みや苦しみから自由になる」と、パタンジャリ先生は教えてくれています。

日々自らの小ささを感じています。やっぱり、呼吸法や瞑想を実践し続けていきたいと思った次第であります(微笑)みなさまもぜひ!


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