地の果ての修道院Moni Aretiou・・ヨーロッパ放浪記（9）
Akiさん推薦の修道院Moni Aretiou(Areti Monastery)に行った。
Agios Nikolaosから景勝地Spinalongaまではバスがあるけど、其処からずっと先にある修道院にはない。レンタカーを借りた。初めての右側走行車線・左ハンドルにはじめは緊張したが、すぐに慣れた。
Spinalongaの海は美しい！これがクレタだ！
そこから岬のゆったりした丘陵地帯を走った。学生時代、礼文島でバイトしたことがあるが、似ている。何にもなく、低い灌木の波打つ丘の一本道。エーゲ海が光に輝いていた。
人間活動の匂いがまったくしない地の果てに、その修道院はあった。洗濯物が干してあるが、人の気配は皆無。祈りの時間を邪魔してはいけないと思い、静かに周囲を見学させてもらった。広くはないが、自給用の畑があった。丁寧に作物が育てられていた。
「死すべき者ども」の俗世間から断絶した地の果ての修道院で、ひたすら神に祈る生活を思った。とても身近に感じた。自分も、ほんとうは、此方側に居るべき人間なのだと思う。
パルメニデスの断片一を想起した。
「われを運びし馬どもは、そのつどわが要求のおよびし限り、わたしを送り届けた。幾多の知を具えし道へとわたしを導き行きしのち、なべての居住地を越えて智者を運ぶ女神の道を。その道をわたしは運ばれていった。・・その道によってわたしを運び、乙女たちはその道を指示したのだから。・・」日下部吉信訳
この修道院は、パルメニデスに似ている。安易な接近を許さない孤高の秩序が。
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