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【パーソナリティ障害を深掘ってみます①】

現場が長くなると、ちゃんとした定義よりも経験値での判断に偏るなぁと思ったんですね。

ということで、初心に戻り、定義を確認してみようと考えました。
注目したのは、パーソナリティ障害。
DSM-5という、最新の精神科の診断基準のもと、10種のパーソナリティ障害を簡単に整理してみます。

まずは、パーソナリティ障害ってなんぞや・というところから。


パーソナリティ障害とは

人格障害と同義ですが、「人格」障害って性格が破綻しているみたいな印象持っちゃいますよね。
言葉に誤解が大きいということで、原語の「personality disorder」をそのまま使うことになり、今に至ります。

パーソナリティ障害の方は、人とのコミュニケーションが上手くいかず誤解や偏見を招いてしまうことが多いですが、だからこそ、本人は生きづらさを抱えます。
生きていく過程の中で「後天的」に獲得するものですので、「先天的」に獲得する知的障害や発達障害とは趣が異なります。



パーソナリティって、そもそもなに?

性格とまとめてしまうと、少し安易な概念です。
ある文献では、パーソナリティとは「眼鏡」であると例えています。

眼鏡やコンタクトって、自分の目で見ている感覚ですが、実際は歪みを与える物質を通して眺めている景色ですから、本来の世界をそのまま見ている状態ではないですよね。
そして、度が強いと目が小さく見えたり、ガラスの向こうで顔のラインが歪んで見えたりすると思います。

その例のように、リアルの世界を見ていると感じている一方で、実はそうではない状態で物事を見て考えている姿が、パーソナリティ障害の特徴ということだと考えられます。



パーソナリティ障害の治療イメージ

引き続き、眼鏡を使ってパーソナリティ障害の治療のイメージをまとめますね。

パーソナリティ障害は、“眼鏡”のような歪みが極端になっているため、まずは、

眼鏡がどんな歪みを持っているのかを知ります。

自分で歪みの特性を理解する試みですね。

次に、知り得た特性をどうするか、考えます。
選択肢として、次のようなものが挙げられるでしょうか。

●歪んでいてもよしとして過ごす

●今の眼鏡(歪み)はそのままにして、別の眼鏡を使って見え方を修正する

●今の眼鏡(歪み)そのものを直して、社会で使いやすい個性に修正する

サラッと言いましたが、この過程にはとてつもないパワーが必要です。
自分のものとして獲得したものにアレンジを加えるのは、本当に大変な作業です。
例えば、事故などで利き腕が使えなくなり、他方の腕を使うことになったら一日千秋の想いで練習を重ねますよね。
パーソナリティ障害の治療は、本人と周囲が協力しながら長い目で取り組むものなのだと思います。


と、いうことで、パーソナリティ障害の序段は終了。
次では、10個に分けて考えられるパーソナリティ障害についてお話をします^^

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